夏の思い出～スピットと夏～

　暑くなって来たんです。夏なんです。それはオープンカーの季節なんです。
と言うわけで，いそいそと九十九里なんぞにでかけるわけです。私ってば，いつもの，東金道路じ ゃなくって，茂原まで行って，そこから，山道をなんて考えたりして。
　お天気最高，気温も最高！いざゆかん！めくるめく快感の世界へ！
意気込みはこんな感じでした。行きは良かったんです。早朝ということも有り、Ｃｏｌｄ　Ｓｔａｒｔと言う事もありでね。
　でも，夏は暑いのだ！傍から見れば、「夏にオープンカーって最高に気持ちよさそう」なんだけ ど、実は乗ってる本人は、｢夏に、下はコタツに入って，上はストーブ焚いて，移動している」といったかんじ 。
　しかーし！それを、おくびにも出さずに、すずしい顔でこなすのが粋な所。それは，免許をとって すぐに乗った、ユーノスロードスターで経験済みの私。
　話は，帰りなんです。下道の渋滞にまんまとはまりながら、水温計とにらめっこ。どんどんあがる！まだまだあがる！というわけでもないんですが（なんやねん）、それは突然の事でした。
　急に，アクセルを踏んでも踏んでも回転は上がらない。そして，エンスト！再びエンジン始動。かかる。でもアクセルを踏んでもタコメーターは下がる。で、エンスト。路肩に停車(手で押して）。フード(ボンネット）をあける。がばっ！（ひゅーかっこいい！）。インマニに水をぶっかける。必然的 にエキマニにも掛かって，すごいスイジョーキと共にすぐ蒸発！何度かやると蒸発しなくなった。
あと、慎重に、ラジエターキャップをあける。ジュバーッ！クーラントが吹き出る。水を足す。しばらくやすんで、冷えた所を見計らって、エンジン始動。発進！よし！問題なく走る。と言う事で何とか帰りつく事が出来たのでした。めでたしめでたし。
　めでたし．．．はうそ！お次は，仕事で板橋に行った時の事。とても暑い，ひどい渋滞の中でし た。渋滞から少し抜け始めた頃。突然のスコールのような雨。すぐに幌をかけ、再び走り出すと、また 例のパーコレーション（前記の症状をそう言うそうです）が！そしてエンスト！雨の中ボンネットをあける気にも成れずそのままじっ と待つことにしました。
　仕事ですから，先方にゴメンチャイの電話を入れて、待つこと２０分。ようやく走り出して目的地 に到着！顔なじみのお客さんで良かった。「たいへんだったね」の言葉に涙こぼれそう！

＜初めてのレッカー！＞～そして、救世主あらわる～
　まだまだあるのよん！この年のひと夏で(笑）。
まずそのまえに、この＜救世主？＞との出会いをお話しないと始まりません。（もったいつけてまーす）
　ある雑誌を買ったんです。それは、＜Ｏｌｄ　Ｔｉｍｅｒ　Ｎｏ．３３＞いつも気にしてる雑誌でしたが、 あまり，買った事の無い本でした。立ち読みでパラパラめくると，見覚えのある車が！スピットファ イアーが載ってるぅ！さっそく買いこみ，家でじっくりよむことにぃ！　その記事は，スピットファイアーのレストア記のようなかんじでした。そのなかに「東洋ワークス( 現：新東京テクノ）にあずけた」というほんの小さな文字が、かがやいてみえたんです。
　しかし、住所がわからない。そこでひらめいたのが、タウンページでもなければ、ましてや、インターネットでも有りませんでした。それは、ふるーい、＜カーグラフィック＞だったのです。そこの，広告 ページにたしかに＜東洋ワークス＞があったのです。でその住所へだめもとでいってみることに したんです　じゃじゃーん！あったんです！ちゃんと、＜新東京テクノ＞と言う名前でした。そして 、何故か車を外に路駐して、おそるおそるなかへ。ところが、木材の山と、佐川急便が最初に目につくんです。
　おや、もうやってないのかな？と，奥にガレージらしきものがあるぞ！んーでも，アルファロメオ ばかりだなァ。とにかくここまできたので，更に奥の事務所まで行ってみる。だれかいるぞ。
　「こんにちは、こちらはやってますか？」と、とんちんかんな、呼びかけに、「やってますよぉ」と怪訝な笑顔のおにいさん。続けて、「こちらは、英車とか、みてもらえるんですか？」と私。「うん。も ともと、そっちの方が専門かな？いまはこんなだけど」とイタリア車ばかりの、ＦＡＣＴＯＲＹを指差しながら、にこやかに，お話する、おにいさん。
　「あのう、スピットファイアーなんですけどわかります？」名前も知らないんじゃないかと思いなが ら私が尋ねると、「すぴっとなら、いまも、２．３台は見てるよ―」
　その言葉は，私には、天使のハーモニーとなって響いたのでした。＜救世主だー＞
　さっそく、後日現状のチェックと、今後のメニュウを決めるため，車を入れる日取りを決めて、帰ってきたんです。そのときは、＜後日＞が、あさってになろうとは、おもいもよりませんでした。そう、その次の日，エンジンかけようとキーをひねった時、いつもの「コココ．．．」と言う音がしない。そんでもって、エンジンも掛からない。早速、新東京テクノさんに電話。「燃料ポンプが逝っちゃっ たみたいで，エンジンが掛かりません」テクノさん「じゃあ明日うかがいます」
　次の日、来ていただいて、再びエンジンをかけてみる。ん？今度は、セルの音もしないぞ！する と、
「煙出てるからキーもどして！」の声。セルモーターが昇天されました！次に，懸案の燃料ポンプ にテスターをあててもらう。「昇天されたようです」なんと、Ｗでショウテン。（笑点じゃないって）すぐ、レッカーを呼んでもらい、その日のうちに工場へ。
　レッカー。いわゆる「トランポ」はすぐきました。そして、サンダーバードのテーマ曲にのせて荷台が降り、ワイヤーをスピットの鼻先（といってもフレームの牽引用ブラケットにつなぐと、また、テーマ曲とともに、引き上げられ、合体完了 ！＜初めてのレッカーだ！＞そして、助手席に同乗して、いざ，工場へ！

さあ、大々的修理メニュウの話し合いが始まります。でも、つづくなのだー！ひっぱるねー！