目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
「ボディは撥水と疎水どっちがいいの?」
とよく質問を頂きます。
撥水のほうが輪ジミができやすい?
どっちのほうがボディに水が残らない?
根本的にどう違うの?
とても難しい問題ですので図で解説していきますね
2
メーカーさんや製品特性によって区分けも様々で違いもあるので断定するのは難しいのですが
ボディ上の水分の接地角度がおおよそ
70°以上が撥水性
40°前後を疎水性
と設定している製品が多いです。
50°で撥水性と言っている製品もありますのでこのへんの断定は難しいです。
また110°以上を強撥水 30°以下を親水性と設定している所もあるのですがこの2種は特殊な状態ですのでまた後で解説します。
3
角度がきつい撥水状態の水滴は高さが出てきますので水玉の大きさが1~3cmくらいになり疎水状態は角度がゆるく高さが低くなるので面積が大きくなります。
これが撥水と疎水の大きな違いです。
見た目はかなり違いますがボディ表面ではどちらも水分を弾いてる状態です。
水分の高さが高い撥水状態は接地面も小さく水滴の重さも軽くなり風の影響等も受けやすくなるので水滴がコロコロ転がり、水分面積の大きい疎水状態は水分の自重やボディの角度の影響(引力)でダラーっと流れ落ちるのです。
・撥水状態の水分をボディ上から落とすには走行による風やクロスで拭く等の外的要因が必要です。
・疎水状態の水分は面積が大きく重さが発生しますので引力で落ちます。
このへんが「疎水のほうがボディに水分が残らない」と言われている所以なのですがボディの角度が水平な部分では撥水状態でも水滴は大きくなり疎水状態に見えますし、疎水状態でも水は流れにくくなります。
また水の量が少なかったり鉄粉等が多く水分が引っかかってしまう状態のボディでは疎水状態でも水玉になります。
水分の接地角度が微妙に違うだけで、どちらも水を弾くことに関しては同じ状態なのです。
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撥水状態は水滴がコロコロ転がり乾拭きするのも楽です。
コーティング剤のように乾拭き時に余った成分をかき上げないといけない製品の場合は水を拭き取ったことで完成だと勘違いしてしまい拭きムラを残してしまうことがありますのでしっかり水で流しながら余剰成分を拭き上げてから乾拭きしましょう。
また雨が降ったあとに水滴を残したまま乾燥させてしまうと輪ジミが発生しやすいです。これは特性上、仕方ないので雨が降りそうなときは屋外駐車を控えるか雨が降ったあとは、早めに洗車する癖をつけましょう。
しかし風が吹くだけで水がコロコロ転がっていく爽快感は捨てきれないものがあります。
「洗車したぜ!」って満足感も撥水性ならではの物だと思います。
特にガラス面は、撥水状態にしておくことで視界がクリアになりますので皆さんなんらかの撥水剤をガラスに塗っていると思います。
ちなみに図でもわかるように水滴の転がりやすさはボディが平らかどうかが影響します。
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疎水状態は輪ジミができにくいので洗車の回数を少なくしたい方やウォータースポットのできやすい濃紺系ボディーカラーに最適です。
水の量やボディの平滑度によりボディ上の水分の流れやすさは変化しますので下地処理を行い平滑な状態のボディを作っておくことをお奨め致します。
綺麗な疎水状態を維持するには洗車用ネンド等でしっかり鉄粉を落としておきましょう。
また接地角度50°前後が撥油性も高い状態になりますので水弾きだけではなく油脂性の汚れが付着しにくい状態にもなっています。
「汚れ落ち最高!」なんて言ってる製品の接地角度はだいたい30~50°前後になるように調整されている物が多いです。
輪ジミは落ちますがウォータースポットは一度できてしまうと塗装を削らないと綺麗に戻せませんのでボディカラーが黒、紺、緑の場合は、疎水状態にしておくことをお奨め致します。
図でわかるように水滴が大きくなる疎水状態はスポットができにくいです。
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結局、結論としましてはボディカラーが濃紺系の場合はスポット防止のために疎水状態に、それ以外の場合はお好みでどうぞ としか言いようがないのです…
どちらも水を弾いてる状態で接地角度だけの問題ですから
撥水の強い状態でも1回カーシャンプーで洗えば疎水状態になることもありますし雨の水分中に黄砂等の不純物が多かったり霧雨みたいに雨が少ないと疎水状態でも撥水しているように見えることもあります。
疎水状態のほうが油汚れが落としやすくなりますがこまめに洗車すればどちらもボディをキレイに保てます。
大事なのは雨が降ったらなるべく早めに洗車しよう!ってことです。
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※番外
強撥水はボディ表面に油脂成分を塗り広げて強く水を弾くように調整したり水分とボディの間に空気が入りやすくしている物等がありますが微妙なバランスで成り立っているので長続きさせるのは難しい状態です。
また撥水性能を高めすぎると撥油性が低くなりますので油脂性の汚れ(排気ガスや油膜)が定着しやすくなることもありますのであまりお奨めはしておりません。
親水性は表面が無機質の状態でないと作るのが難しいです。
ガラス面をミクロレベルで綺麗にすることで親水性になりますが不純物が少しでも乗ってしまうと親水状態が低くなってしまいます。
こちらも長続きさせるのは難しい状態です。
どちらも作り出すのに熟練のテクニックや特殊な液剤が必要な難しい状態ですので今回は除外しました。
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