2023年04月05日
1980年X月X日
イギリスのロックバンド「JAPAN」
当時、私は彼らの4thアルバム『孤独な影』(1980)を好んで聴いていました。
「Gentlemen Take Polaroids」
本アルバムはヨーロッパのモダニズム、それと相反するデカダンで耽美主義的な要素が絶妙に融合した傑作アルバムであると考えています。
そして、そのアルバム最後の曲・・・
「Taking Islands In Africa」
作曲 坂本龍一
・・・この最後の1曲だけは全く毛色が違います。
東洋的なリズムアプローチで淡々とゆったり流れるようなおおらかな曲調。
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1stアルバム『果てしなき反抗』(1978)から2ndアルバム『苦悩の旋律』(1978)まではグラムロックとパンクを足して2で割ったような荒削りなサウンド
そして、金髪で派手なメイクを身に纏ったリードボーカル「デヴィッド・シルビアン」の地べたを這いつくばるようなボーカルスタイルが特徴的で、そのビジュアルからかイギリス本国よりも日本で大人気を誇っていました。
「Adolescent Sex」
ところが3rdアルバム『クワイエット・ライフ』(1979)から様相が変化していきます。
シンセサウンドを前面に押し出し、小綺麗で洗練されたバンドへと変貌。
「Quiet Life」
冒頭に述べた4thアルバムを経て、1981年には5thアルバム『錻力の太鼓』をリリース。
中国もしくは広義の東洋的サウンドを更に推し進め、このアルバムで彼らは見事に昇華、最高傑作を残してその翌年に解散しました。
「Visions of China」
JAPANのこの大きな変革は、坂本龍一氏との出会いを起因としていることは明白であると考えます。
ソロアーティストとなったデヴィッド・シルヴィアンはその後、坂本龍一氏と度々共作しています。
「バンブーミュージック(banboo music)」(1982)
そして「戦場のメリークリスマス」のメインテーマ曲へと繋がっていきます。
「禁じられた色彩(forbidden colours)」(1983年)
・・・私はこの短期間にこれほどまでに音楽性が変化したアーティストを他に知りません。
Posted at 2023/04/06 10:08:36 | |
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