
【多分前編。】
朝会社に出かけるまえに、
冷たいお茶でも飲んでから出陣しようと、
台所へ立ち寄る。
『バリッ。』
と、一晩開けていない冷蔵庫のドアが開く音を聞き、
目線だけで目的物を探す。
あった。
近所の安いスーパー(つるかめ)で¥100で購入した
2リットルのペットボトルが視界に入る。
その先の視線の延長線上にアンニン豆腐をみつけ、
『あれも食べるか。』
と、少し活性があがる。昨日の酒はまだ体内に存在する。
お茶を手にとり、冷たい新鮮な感触を楽しみつつ、
グラスを求め、振り返った所に
『奴。』
は、いた。
いままで、いつもの
『あれ。』
かと思っていたが、事態は急変した。
『SOUP NOODLE。』
目を疑った。
少し前まで
『CUP NOODLE。』
では無かったか?
心に描かれていた風景を再描画するのに
少し時間がかかった。
まず落ち着こう。
お茶をグラスに注ぐ。
琥珀色の液体がグラスを満たす。
グラスの中の逃げ遅れた空気が気泡となり
グラスの内側に張り付き、模様の一部であるかのように、
そこに留まる。
その気泡が大気に戻るまもなく、
一気に飲み干し、一息つく。
やはり昨日の酒が抜けていないのか?
いや、昨日はそれほど深酒はしていないはず。
会社に行くための、心のシグナルは五つともグリーンを示し、
正常であることを伝えている。
『では、何故?』
ゆっくり奴の方を振り返る。
やはり書いてある
『SOUP NOODLE。』
と。
その瞬間懐疑心はその氷塊を溶かし、
興味へと魚圭の心を押し流した。
『ネタになる。』
まずなによりも先にこの思いに支配され、
手に取りテレビの上に置き写真を撮影する。
『カシャ。』
という、チープな合成された携帯カメラのシャッター音を
聞きながら、
無意味に内容への期待と妄想をかき立てられるのであった。
本来あるべき、
『CUP。』
のポジションを熾烈な争いの後、占有した
『SOUP。』
一体何者なのか?
なぞは深まるばかりである。
つづく。。。。。か?
Posted at 2006/10/03 12:50:45 | |
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