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2014年11月10日

三菱商事がEV拡販の調査報告書を経産省に提出していた。#5カリフォルニア州編

カリフォルニア州編

※カリフォルニア州は、米国の中で排出ガスの規制が厳しいことで有名だが、
 この地域での特徴をかみ砕いてみる。

※のところが、私のコメントなので、読む時間がナイ方は、図表とココだけ読んで下さってもわかる様に書いているつもり(^^;
※根拠が「~が言っていた」みたいな程度で、世を騒がせようとする方がいらっしゃるので、原文提示(補足つき)を行っていますので、トータルな文量が多くなっています。趣旨ご理解賜れれば幸いです。m(_,_)m
※図表は、入力し直しはせず、範囲指定のイメージ複写を行っています。(改竄なんてナシ\(^_^ ))
 よって、少々のボケ図は許してください。m(_,_)m

1.背景



カリフォルニア州は2000年代に入ってからEVの推進に積極的に取り掛かっている。
2006年9月にカリフォルニア州地球温暖化対策法(California Global Warming Solutions Act(下院(州議会)法案32号(通称Assembly Bill No.32, AB32)))を成立させた。
この法案は、同州のGHG排出量を2010年までに2000年と同等の水準に、2020年までに1990年と同等の水準に、2050年までに1990年比で80%削減することが政策目標として定められている。

AB32の目標達成に向けて、カリフォルニア大気資源局(CARB:the California Air Resources Board)は”Climate Change Draft Scoping Plan ”を2008年に発表し、省エネプログラムの強化やキャップ&トレード型排出量取引制度の導入、車の燃費基準、低炭素燃料基準などの州法や政策の実施強化などについて言及している。


※京都議定書は無視したアメリカだったが、
カリフォルニアでは数値目標を政策のなかに折り込んでいる。
 大事なのです。数値目標。
 ・・・って、オランダ・ノルウェーもそうでした(^^;・・・なぜ、日本では、できない?
 しつこい(^^;が、当然のことでしょうに?(^^;


2.EV/PHEVの普及に関する現状

1)推進体制
カリフォルニア州におけるEV/PHV普及の推進団体として、California Plug-In Electric Vehicle Collaborative (CPEVC)がある。
本団体は40の官民組織よりできており、メンバーにはカリフォルニアのAQMD、CEC、CARB(下段落参照)の規制機関のほか、自動車メーカのダイムラーや、フォード、トヨタ等が参加している 。

また、行政側におけるカリフォルニア州のEV/PHVの普及キープレイヤーはCARBと各地のAQMD(Air Quality Management District)とAPCD(Air Pollution Control District)である。CARBの主要な使命は、カリフォルニア州の大気汚染を改善することである。
その一環として、環境性の悪い車両をZEVまたはPZEV(Partial Zero Emission Vehicle)に代替させる。
EVがZEVに該当し、PHVがPZEVに該当する。CARBはホームページ で消費者に情報発信をしている。



2)車両普及状況
カリフォルニアにおける現在のEV普及を示す。2012年に、EV/PHVは20,733台購入され、全体市場の1.4%のシェアを獲得した。


次に市場シェアの推移を示す。2013年度上半期(1月〜6月)における電気自動車の新車販売台数は9,708台と2012年度の新車販売台数の6,197台を上半期ですでに上回った。




3)充電インフラ動向
充電インフラの現状について、以下に示す。

米国では、充電インフラ網を整備する取組みが民間企業によって行われている。たとえば、
「The EV Project」は2009年5月にカリフォルニア州の充電設備メーカであるECOtality社がエネルギー省(DOE)から9,980万ドルの助成を受けたことにより開始した。その後助成額は徐々に追加され、今までに総額2億3,000万ドルの助成を受け、事業を拡大している。

このプロジェクトでは、EVや充電設備に関する情報収集を行うために、最初の8,300台のシボレーボルトまたは日産リーフを所有している家庭に対して、無料で充電設備を配布し利用実態のデータを収集している。
プロジェクトの対象地域は以下のように10州及び1特別区である。




また、2010年6月、ChargePoint社は家庭用及び商業用充電器施設の設置事業のために、米国再生・再投資法 (ARRA: American Recovery and Reinvestment Act)によりDOEを通して1,500万ドル、さらにカリフォルニアエネルギー委員会より340万ドルの助成を受け、このプログラムを発足した。

2013年6月、ChargePoint社は米国内に計4,600の家庭用・商業用充電器の設置を完了したと報告し、ともにこのプロジェクトの終了を発表した。

ローカルなレベルでもインフラ整備が進んでいる。
パロアルト市で建築基準法が2013年9月に改正され、以降新たに市内で住宅を建設する場合、Level2の充電器の設置に対応した配線を引くことが義務付けられる。建設時での電気回路設置の費用は一戸当たり約200ドルである。



4)用途・ユーザ動向
CARBとCenter for Sustainable Energy Californiaは2013年にEVユーザ向けのアンケートを行った。アンケート回答者のうち、94%の人はエンジン車も保有しており、EVがセカンドカーとして利用されていることが推測できる。
なお、以下に示すように、EVの主な利用用途は個人的な用事や買い物や通勤であり、業務や長距離ドライブは相変わらずエンジン車で行われている。




3.EV/PHEVの普及に関する取り組み

1)経済的インセンティブ
・米国連邦政府によるEV購入に対する税還付。Internal Revenue Code (IRC:内国歳入法)に規定されている米国連邦税によると、2010年1月から2014年12月末までに販売される車両を対象に重量や電池容量に応じて2,500~7,500ドルの税還付を受けることができる。
税還付額の計算方法としては、基本額2,500ドル(5KWh以上の電池)に、5KWh以上で1KWh増える毎に417ドルが加算され、最大で7,500ドルの税還付となる。
ただし、対象車両は5KWh以上の電池を搭載し、総重量が14,000ポンド以下である必要がある。
また、税還付は新車の売買のみ発生し、米国国内での使用に限られる。
・電気自動車に対する税還付は自動車メーカー毎に車の販売台数が20万台に達すると段階的に税還付額は減額される。
・カリフォルニア州によるEV払戻金制度(Clean Vehicle Rebate Project) 。カリフォルニア州にてEV/PHVを購入した場合、カリフォルニア州によるEV払戻金制度も適用される。
払戻金のレートは以下の通りである。





2)その他のインセンティブ
・ドライバ含め2人以上乗車した自動車のみが走行できる高速道路相乗り車線(HOVレーン)をPHVやEVなどのZEVに走行許可を与えている。
許可されていない車がHOVレーンを走行していた場合は、違反チケットが発行され、罰金413ドル以上が課せられる。




※2011年7月からハイブリッド車は、HOVレーン走行可能車両ではなくなった。
  また、圧縮天然ガス車(CNG車)も環境保護車両として扱われていること、逆にディーゼル車は環境配慮車とは認識されていないことも、記憶にとどめていただきたい。m(_,_)m

4.EV/PHV普及施策の評価

4.1 購入動機
CARBが行った調査によると、経済的な要因より社会的な要因の方が購入動機になっていることがわかる。
以下にカリフォルニア州のEV購入者の購入動機について示す。
7割のEVユーザはエネルギー自立と環境改善への貢献を「非常に重要」と考えている。
一方、経済的な動機を「非常に重要」と考えている購入者は5割程度である。
EVが近年の米国におけるエネルギー自立へのシフトの重要な手段として位置付けられているようである。


※カリフォルニア州のEVユーザーは、経済的な観点よりも環境への意識が高いというアンケート結果を示している。したがって、ZEV法は住民の意志を反映した法律になっていると、いえるのではなかろうか?


総じて、日本以外は経済的なインセンティブ以外の普及施策をこうじている。
化石燃料からの脱却をはじめ、排出CO2の削減ほか、さまざまな課題があるなかで、日本でもできることはまだまだアルはずだ。
特に、EVやPHEVについての、一般市民の認知度があまりに低く感じるのは、気のせいだろうか?
ブログ一覧 | 次世代自動車 | 日記
Posted at 2014/11/10 17:34:25

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この記事へのコメント

2014年11月10日 18:31
毎度お邪魔しています。

環境性と経済性…どっちも「エコ」と略されるモノなんですが…。
アメリカが京都議定書を蹴ったと知ったとき、どうしようもない落胆を感じてたんですが…州ごとに目標を決めて取り組みを進めていたんですね。知りませんでした。
恥ずかしさを感じつつも、やはり「知」は奥深い。

私の場合、相棒と出かけるときは「早朝から」が多いんですが、先日、同じマンションに住む方から「お宅のクルマ、静かで良いですね」と言われました。
うちの駐車場、マンションの形状から…音が反響して五月蠅くなりがちなんですよね。
これも「環境性」ですかね。
それと経済性ですが…ふと気づくと、私が前に乗っていた軽自動車(三菱TOPPO)の走行距離に近づいてきたんですが、給油回数からすると…半分くらいなんですよね。
タンク容量の違いもありますが、ふとした拍子に気づいたので…ちょっと驚きました。

無論、近所や通勤途中の充電施設の存在には感謝しないといけないんですけどね。
今後のEV&PHEVの普及のカギは…イニシャルコストにあると思うんですけど…どうなんでしょうか。
どうしても…継続的な燃料費よりも車両価格に目が行ってるのが…2年前の自分を見てもそう感じてしまいます。
(長文失礼いたしました)
コメントへの返答
2014年11月10日 20:37
白いかもめさん
まいど!ヾ(^^ )

うちのマンションも、結構ウルサイのが多く(^^;)
駐車場で、クルマのことで話しが広がったりしますが、
イニシャルコストと、メーカーのイメージなんですかね~?(^^;)
まだ、増えません。(^^;)

i-MiEVを始めとするMiEVシリーズが、とても安くなったのですが、
マンションだと辛いものがあります。(T_T)

ただ、やはり、EVの知識や意義というものは、周知に至りません。
仕事での新しいテクノロジーやテクニックも、浸透するには
10年単位の時間がかかっています。
仕事なので、緻密な啓蒙活動があって、こうです。

市民に広げようと思ったら、もっともっと努力しないとイケナイのだと思う一方、
オランダやフィンランドの例は、強烈です。ヾ(^^ )
2014年11月10日 19:03
ドラゴンさん、こんにちわ。

余計なお世話かもしれませんが、引用部分がご自身のコメントに比べて圧倒的に多いと「ネット上の正当な引用」と解釈されない可能性があります。

私は全然問題ないと感じますが、このような指摘を運営者にして喜んでいる御仁がいますので、注意した方が良いですよ。

(不適切と感じたら、いつでもコメント削除して頂いて構いません)
コメントへの返答
2014年11月10日 20:51
さおちゃさん
まいど!ヾ(^^ )

私もソフトウェアや著作権に関わる仕事をしているのと、
入社して数年の時に、I○M社との著作権問題に関わったこと、
また、近年、W3Cから、私の提案がRecommendationとして発行されたので、
その筋では玄人だと思っています。

ちなみに、引用か?どうかの判断は、分量では計れません。

ですのと、

この本文が公共機関から公開された内容の意味を改変せず、
そのものを、広く公開する意図と、

その内容から、私が、ごまめの歯ぎしりをする構図は、著作権問題には抵触しませんので、
さおちゃさんのコメントがあったことで、著作権問題の注意喚起につながる可能性も含めて、削除しませんこと
よろしく、ご承知頂ければ幸いです。m(_ _)m
2014年11月10日 23:15
こんばんは。

毎回興味深く読んでいます。
ドラゴンさんが紹介しなかったら、私の目に触れる機会はなかったかと思うと、感謝です。

CNG車も優先レーンを走れるとなると、日本が手を引いてしまったのは残念ですね。
ディーゼル車が除外されている事も含め、中東への依存度を下げるという政治的な理由があるのかもしれませんが。

ところで国内のQCとCNGガススタンドはどちらが多いんでしょうね?
コメントへの返答
2014年11月10日 23:53
ぴよ子彦さん
まいど!ヾ(^^ )

ありがとうございます。m(_ _)m
自分も、PHEVに乗ったことをキッカケに、エネルギー行政や車両制度への関心が生まれなかったら、こうした報告書を探し出すことがなかったりします(^^;)

また、政官の活動だけでなく、民間もCO2排出削減や取引にも関与しているコトも、
今のマスコミは取り上げたりしないので、
私がやらねば、だれもやらないだろうと、思い、啓蒙活動もどきのつもりで、取り組んでいたりします。ヾ(^^ )

ぴよ子彦さんの様に、関心を持って頂ける方が、ひとりでも増えていけば、苦労も報われます。(^_-)-☆

ところで、CNGステーションは、補助金が止まるとパタリと止まってしまいました。(T_T)
QCの方が既に多くなっています。(T_T)
また、このCNGステーションで政府にハシゴを外されたことが、ガス事業者が高圧水素ステーション設置に及び腰になっている。という話しもあります。

外国でも、石油依存と大気汚染の解消を目的に、CNGの普及をはかった国がそこそこありますが、成功した国と失敗した国があります。

その成功や失敗の理由も、今後のエネルギー行政への理解を深めるに、必要な事だと思いますので、後日、噛み砕いてみましょう。ヾ(^^ )

追伸
みんカラの中には、さおちゃさんが警戒を促してくれた原因となった方がいらっしゃる様です。(^^;)

でも、だからこそ、公開可能な情報の原典を明記して、正しい情報を広めて行こうと考えております。

ここは、法治国家ですから。ヾ(^^ )
ひとをたばかることでしか、利益確保や存在意義を示せない方々には、負けません!
2014年11月11日 10:18
レスありがとうございます。

>>外国でも、石油依存と大気汚染の解消を目的に、CNGの普及をはかった国がそこそこありますが、成功した国と失敗した国があります。

これって興味あります。
EVやPHEV乗りの方でCNGに興味のある方がどれだけいるか?不明なので、手が空いた時で結構です。
私は興味がありますけど、他の方の興味が薄い事柄に時間を割いてもらうのも申し訳ないと感じますので。

残念ながらマスコミは紹介しないでしょうね。CNGネタは。
コメントへの返答
2014年11月11日 12:43
ぴよ子彦さん
まいど!ヾ(^^ )

たとえ読者が一人だったとしても、
私には、購読料や視聴率やPVなんて関係ないので(^^;)

投稿シマスよ。ヾ(^^ )

で、この件には、今後のエネルギー行政を理解する上で、とても大事なことが、含まれていると思っています。(^O^)v

ただねぇ~、新聞やTVは相手にしてくれません(T_T)

ドラゴンがやらねば誰がやる!(^^;)
って(^^;)

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