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2014年08月31日 イイね!

水素燃料の利用拡大の合理性は?(2/2)

水素を活用する方法として、今、多く知られている方法は、
大きくは以下の3種類あります。

①自然エネルギー活用での電源安定化
⇒余剰電力をアルカリ水電気分解により水素を発生させ、水素を有機ハイドライト化して保存。必要時に燃料電池で発電する。

②家庭用燃料電池
⇒都市ガスやLPガスを家庭で改質して生成した水素で、燃料電池により得た電力と熱を、電力と給湯に活用する。

③水素燃料電池車(現状の普及方式)
⇒天然ガスやLPガスを改質して生成した水素を、自動車の高圧水素タンクに充填し、自動車の燃料電池で発電した電力で、自動車を走行させる。

私には、①と②についてのみ、環境や経済的な合理性を見いだせる。
しかし、③については、環境や経済的には、全く合理性を見いだせない。

今回は、
現状の③の問題と対策について、投稿します。

現状③について
水素生成時に、天然ガスやLPガスの改質でのエネルギーロスにくわえて、
運搬・保管・充填に莫大なエネルギーを消費してしまっているため、
燃料電池車としてはエネルギー効率が高いが、
走行以前にエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出してしまっている。


また、高圧水素タンクへ、無限に充填できるものではない。
従来は、35MPa(約350気圧)を安全基準と定めて、走行可能距離を確保しようとしてきたが、 目標を達成できなかった。

そのため、安全基準を見直し、倍気圧に引き上げる事で、今の700km走行を可能とした。
安全基準を見直した事で、安全をうたっても、安全神話という言葉が頭をよぎる。
(そもそも、何故35MPa制限だったのか?)

また、高圧水素を用いるがために、
水素ステーションの建設コストが4~5億円単位となっている事と、
水素の輸送コストを引き上げている。


さらに、現在はメディアに取り沙汰されていないが、
水素ステーションでの点検や設備維持のコストも余分に発生する。
設備の耐用年数が、ガソリンの地下タンクとは比較にならないほど短い。
これは、金属の水素脆化 と高圧気体を扱うために伴うものである。


今後、水素の充填量を増やすには、
さらに圧力を高める必要があるために、無理がある。
従って、現状の燃料電池車の出力を上げれば、走行可能距離は短くなるしかない。

一方で、EV系次世代自動車は、電池の容量が日進月歩で拡大しているので、モーター出力を上げても、走行可能距離を延ばす技術が 見いだされている。


よって、現在の燃料電池車には、将来的な進歩の可能性も乏しいことになる。
(20年先はおろか、10年先にも活用可能な技術には思えない)
※触媒として白金を使っていることも問題の一つですが、熊本大学ほかの努力が実を結びつつありますので、今回は不問。

では、どうしたら良いのか?
どうして欲しいのか?

問題と対策は、以下の2点に絞られる。
1)水素生成方式の問題。(二酸化炭素の排出抑制と、水素生成時の消費エネルギー抑制)
 ⇒水素の生成源を化石燃料に頼らない方式に、研究・開発投資を。
 ⇒光による水素やメタン合成の基礎技術が日本にはアル。

2)水素の保管・運搬の問題 (高圧水素ガスでの利用が、そもそもの大問題)
 ⇒有機ハイドライトを用いる事で、常温常圧で数百倍の密度の水素を保管・運搬可能。
 ⇒自動車関係以外では実用されている
 ⇒有機ハイドライトは、現状のガソリンスタンドや、タンクローリーも使用可能
 ⇒従って、インフラにかかる維持・設備更改コストは、
  高圧水素とはケタ違いに少ない事が想定できる。
  (なのに、自動車関係で使用しない理由はなんだろうか?
   自動車やステーションの設計見直しコストがかかる?
   今後の無駄使いを続ける総額と、見直しコストとその後セーブできるコストを
   比較して欲しいものだ。)
  本当に有効な方式を採用し、無駄な設備投資にお金を使わないでほしい。
  現在のエネルギー問題や気候問題ほか、すぐに使わなければならないお金がアル!


日本や世界に有用な技術が、ト○タの売名行為のために使われないのは、
本当に、世の中のためになるのだろうか?

以下、日経ビジネス
燃料電池車で泣いたトヨタの開発者
発売を前倒しする本当の理由 から抜粋

6月25日、トヨタはFCVの市販時期を従来予定の2015年から2014年度に前倒しすると発表した。
2014年度とは2015年1~3月も含む。しかしトヨタ関係者によると、あくまで2014年末の発売を目指しているという。水素供給インフラが十分に整っていないにもかかわずだ。
前倒しにこだわる理由について、小木曽聡・常務役員は「他社より早めることよりも、より良いモノを適切なタイミングで出したい」と説明するが、他社の動向が全く無関係ということはないだろう。ホンダや現代自動車が2015年に発売すると見られている。それらより先に発売すれば、先進イメージを手にすることができる。

トヨタはハイブリッド車以外に、代名詞となるようなイノベーションが見当たらない。それだけにFCVにかける思いは強い。田中義和・製品企画本部主査はこう語る。「プリウスを超えるイノベーションを起こす」。その熱い思いこそが、涙の本当の理由だったに違いない。


現在の自動車に求められている性能には、二酸化炭素の排出抑制があるが、
正しくは、化石燃料の消費量の削減にあるのではないだろうか?
だから、化石燃料に頼る方式を改めて欲しい。<(_ _)>

さらに、自動車メーカーの都合による高圧水素タンク方式も、水素ステーションの建設・維持ほかの効率や費用にも鑑み、全体最適化をはかってほしい。<(_ _)>


ご参考まで

ダイハツが液体燃料電池車開発に傾ける本気度を見よ、「FC凸DECK」は実際に走る

要は、高圧水素を使うのではなく、水素を化合させた液体を用いることで、
常温常圧で、気体の水素よりも水素をたくさん使うことができる。
このため、水素スタンドの建設コストがガソリンスタンド同等で、現ガソリンスタンドに増設も可能。
また、触媒に白金などの貴金属を使わない。

さらに、

水素・燃料電池戦略ロードマップ
(経済産業省)

「既存のガソリンスタンドに係るローリーやタンク等の設備を活用し得る有機ハイドライドについて、水素ステーションで脱水素できるよう、脱水素装置の小型化や脱水素に必要な効率的な熱源確保等に向けた開発・実証等を行う。」


が記載されている。

であれば、石油業界に無用の負担をかけない。
・・・負担をかければ、水素の価格か?税金に転科されるハズ。
・・・こういう方式が見捨てられるのは、もったいない。(T T)

・・・自分がこう言っていても所詮ごまめの歯ぎしりだということもわかっている。(^^;)

Posted at 2014/08/31 01:09:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | FCEV | クルマ

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