
ローリングスタートまでのフォーメーションラップ中考えていた事といえば
前の車にベッタリ付いておく。少しでもタイヤを暖めるくらいで頭の中はど
ちらかというと不安で一杯。まぁ逆に言えば何を考えても仕方ないのでとり
あえず、車を左右に振ってタイヤを暖めようと思いっきりハンドル切って、
タイヤに思い抵抗感を感じるくらい左右に振りました。
そしてスタート。
さっそく、後ろの車から追い越されました。そして1コーナーへ雪崩込むの
ですが、僕を追い越した車がさっそくオーバーラン、というか路面温度が低
く、タイヤも温まってないのに明らかに突っ込みすぎだろ~と思った矢先に
リアがズルズル外へ流れてそのままグラベルへ・・・・うまく立て直して砂
利に嵌らずにコースに戻れそうだったので大丈夫だなぁ~と思いながら僕は
普通に立ち上がってイン側からスルスルと抜けさせていただき、数台に追い
越されながらターボBクラスのラジアル組を追い越していきました。1週目
が終わる頃には自分の順位なんて判るわけもなく団子状態が数週続き、だん
だんと自分のペースで走れるようになってきて何とかタイムを縮めていきた
いと思っているとコース脇に一台車が止まっており黄旗が振られ一回目のペ
ースカーが入りました。ペースカーが入るとレーシング走行ではなくスロー
ペースになるのでなるべく高いギアで回転を落として燃費を稼ぎつつ、タイ
ヤがなるべく冷えないように車を左右に振り振りしながら前との距離を積め
てました。3週ほどでイエローが解除されまたレーシング走行の開始です。
そこでふと考えたのですが、僕は体重がかなりあるのではっきり言ってアク
セルを床まで踏み込んでレブリミットまでエンジンを回しても何処までタイ
ムを縮めることができるかを考えてもガソリンの消費が激しい割にはタイム
の延びには限度があると思い、ここで8500回転まで回せるところを大体
7000回転でシフトチェンジして燃費を稼ぐことにしました。その分コー
ナーをなるべくスムーズに回ってタイムの落ちを最小限にとどめるべく縁石
を上手く使って走ろうと心がけました。
うちの車はLSDが入ってるので縁石に乗っても失速することなく加速しま
すので縁石に乗った拍子に車が転がらないことに注意さえすれば大胆に縁石
をカットすることができます。縁石をカットできればその分速度を落とさず
コーナーを曲れるのでこれまた燃費走行に繋がってきます。結局イン側のタ
イヤが縁石の内側を通るくらいカットすることもありましたが、HSRのコ
ースレイアウトは左周りで左コーナーが多いためこれまた僕にはとても不利
なんです。左コーナーで縁石カットすると、やりすぎると転びそうになるの
です。何せドライバーは右側に座ってますし、僕の体重100キロ超ですか
ら当然の如く左コーナーには弱いんです。その分、最終コーナーなど右コー
ナーでは右加重が掛かってるので結構自信持って早目にアクセル踏めました。
そして、スタートから30分程経過して一回目のドライバー交代です。僕の
参加している耐久はドライバー交代時にミニゲームがあるのですが、これが
かなり順位変動の鍵を握っているんです。車を降りてからゲームをするので
すが、その時のゲームが「あっち向いてホイ」でして、先ずサイコロを振っ
て出た目の数だけジャンケンで勝ってあっち向いてホイでも勝たないといけ
ないんです。そこで、僕の出した目が「6」・・・サイコロの目の中では最
大の数じゃないですか!!
まぁ、考える暇も無いのでさっそくジャンケンです。勝てません・・・・
悉く、ジャンケンの時点で負けてしまいます。結局20回以上ジャンケンで
負けました。多分ゲームが終わるまでに2分くらい掛かったんじゃないかと
思います。2分といえばHSRを1週ちょっと回れます。この時点で1週以
上の遅れをとってしまったのです。
そして、第二ドライバーのレガシビ君に交代し、しばしの休憩。レガシビ君
が走ってる間にウッシーと相談してうちは完全に燃費走行で無給油でいくこ
とに決定。常時6500~7000回転でシフトすることにしました。それ
でも平均1分38秒くらいで週回できていたので極端に順位を落とすことも
なく走れており、このまま上手くいくと終盤他のチームが給油すれば5分停
車義務が発生するので3週ほど稼ぐことができるので逆転の可能性が出てき
て上位入賞を狙える目論見でした。
後は、次に自分がドライブするまで任せるしかないので走行順位が表示され
ているモニターを見に行ったりお茶したりしてブラブラしていたのですが、
どうもペースカーが出る回数が多いんです。結構コースアウトする車が多く
他のチームの人が話しているのを盗み聞きしているとどうも路面温度が低す
ぎるためにラジアルタイヤの車はタイヤの温度が上がりきらずにグリップが
悪いみたい。もしかして荒れたレースになるかな?と思いつつ2回目の走行
となったのですが、この時点で10時40分。そこで残り時間を考えて40
分くらい走行して交代するから11時20分くらいにPITインのサインを
出してね。と、お願いして2回目の走行に出ました。遅い車を上手く交わし
つつ、速い車には自分のペースを落とさないように道を譲りつつ兎に角、他
車との接触や、コースアウトしないよう慎重に走りました。
追い越す時は前の車の様子を見ながら追い越せばいいのですが、追い越され
る時が結構面倒です。ストレートで追い越される分には問題ないのですが、
ブレーキング時などに追い越される時が結構厄介です。同じトゥディ同士な
らいいのですが、直線番町のターボ勢に追い越されるとブレーキングでこっ
の方が奥でブレーキを開始するので進入で追いついちゃうんです。それに、
相手がラジアルタイヤだともっとブレーキ開始ポイントがずれるのでこれま
た気を使います。まぁそんなこんなで接触することもコースアウトすること
も無く自分なりに楽しく走っているといつの間にかPITからサインが出て
るじゃないですか。
時計を見ると11時20分。丁度交代の時間となっていたのです。今回は車
の調子もよく楽しんで走ることが出来ていたので時間が経つことを忘れてい
ました。そしてピットイン。レガシビ君に交代です。そしてミニゲーム。
今度はミニパッドゴルフ!!私、年齢は34歳ですが今だ嘗てゴルフという
競技をやったこと御座いません。とりあえずサイコロを振り振り。「6」…
ん~また6ですよ。パターで打てども打てどもカップに入ってくれません。
これまた2分くらい要したでしょうか・・・・
この頃になると、完全に給油なしでいけることを確信しており後は他のチー
ムが給油すれば良い感じに最後に順位が上がるんじゃないかと思っていまし
た。確かこの時点での順位が総合で22~25番手くらいだったと思います。
クラスで9位くらいかな?週回数でいくとトップから6週遅れ。でもクラス
トップからは2週遅れだったのです。こりゃ給油の間にクラス優勝いける??
とか思いつつ後はレガシビ君とウッシー君が走るのを見届けるだけなのです
が、ここで気になることが・・・・
あまりにもペースカーが導入されることが多いんです。まずい、非常にまず
いです。この分だと上位陣も無給油でいっちゃうんじゃないの?と・・・不
安になりました。
レガシビ君もトゥディの運転になれてきたみたいで結構調子よく週回してく
れており少し順位を上げてくれました。やはり普段HSRを走っているので
コース自体には慣れているのでこちらとしても安心してドライブを任せるこ
とが出来ます。こういうレースは初めてだったらしいのですが、時折37秒
台に入れてきて順調にラップを重ねてくれます。
丁度、スタートから2時間50分が経過したくらいにPITインのサインを
出して最後のドライバーチェンジです。後はウッシーに運命を任せるのみ。
しかし、この時点で他のNA勢も無給油で行くことが判明。ガガーーーーン
折角燃費を考えて走っていたのが無駄になりました。まぁこれもレースです
から作戦が裏目に出ることもあります。とにかく、無事ゴールすることが先
決です。やっぱりゴールするまで何が起こるかわかりませんからね。
燃料も十分持つことがわかったのでウッシー君にはもう好きなように走って
くれと頼みました。すると、中々いいペースで走ってくれます。36秒台に
ペースが上がり、時折34秒台も。そして、ついに32秒台まで出してくれ
ました。ラスト数週は34秒~35秒前半のタイムでした。
ラスト30分を過ぎたあたりに事件は起りました。上位を走っている同じク
ラスの車両がコースアウト、リタイアしたんです。これで一つ順位が上がり
ました。そして、ラスト数分の時もう一台リタイア。またまた一つ順位があ
がりました。こういうこともあるんだなぁと思いながら、逆に最後の最後に
リタイアしないでくれよ!!とウッシー君に念力を送りました。
そして、スタートから3時間半たった12時40分、総合1位の車にチェッ
カーフラッグが振られ無事ゴールとなりました。
いあぁ長かったです。去年の春に初めて耐久に参加したときは残り1時間で
メタルが逝ってしまいリタイア。このときはエンジンもトゥディのMTRE
Cのままだったので、直線の遅さにショックを受けてしまい壊れたのを期に
ビートのエンジンへ積み替えを決意。次に参加できたのは去年の最終戦で雨
の耐久となりやっとゴールできました。
そして、オフシーズンの間にエンジンを700cc化、LSD導入、ドア開
口部スポット増し。フルバンパー、カーボンボンネット装着など色々てを加
え今年6月に参戦すると突然エンジンが吹けなくなる症状がでてしまい、し
まいにはオーバーヒートでエンジンがお亡くなりになりました。このときは
流石にショックでしたね。オーバーホールしたばかりのエンジンが逝っちゃ
ったんですから当たり前です。何とかブロックを交換し、排気量も660cc
に戻して復帰したのですが、第5戦に出ようと思っていたのですがエンジン
が吹けなくなる症状が消えてくれませんでした。色々と探ってみても原因わ
からず。困っていたのですが、ちょうと用事で宮崎の「のんご」さんのお宅
へ伺った時に話していると、僕がLSDを入れた際にビート用のLSDを入れ
たために車速が取れなくなったんですよ、と話をするとそれが原因で吹けな
い症状がでるんだよ。といわれてやっと原因がわかったんです。その時、宮
崎にいったついでに黒木レーシングまで足を伸ばしてウッシー君に会いにい
ったのですが、その時黒木レーシングの社長さんに話を伺った時にも車速は
いれないと駄目だよと教えてもらい、ビート用LSDを入れた時の解決策を
教えていただくことができました。
そして今回、やっと症状も消えてくれてまともに走れるようになったんです。
長かった。本当に長かったです。去年の最終戦でゴールしたとはいえ雨での
レース。やはりドライでまともにレースがしたかったんです。
肝心の、結果の方ですが、
総合12位、クラス5位でした。
当然ながら、この結果には満足できていませんが、やっとスタートラインに
並べた気分です。
こうやってゴールできると、また新たな問題も見えてきました。ウッシー君
は黒木レーシングで色々と社長さんのトゥディを見ているので色々とアドバ
イスをしてくれました。ですので、これからは車両の更なる軽量化と、フロ
ントのキャンバー角増加のために加工を施すつもりです。やはり、最終的に
狙うは優勝です。
今回、いっしょに走ってくれたウッシー君とレガシビ君には感謝です。それ
に前日になって急遽ドライバーを紹介してくださったHAL!にも感謝です。
やはり、耐久レースは一人じゃできません。人の助けやお互いの協力がない
と成し得ることはできないんですね。本当に感謝です。
レース後の表彰式の時、クラス5位に入ったのでトロフィーも頂きました。
小さいながらも金色に輝くトロフィーです。このトロフィーは僕の一生の宝
物になることでしょう。人生初のトロフィーです。
このトロフィーを機会に一つ一つ増やしていけたらと思います。当面の目標
はクラス優勝。最終的には年間優勝できればと思います。先は長いかもしれ
ませんがやる気がでてきました。
のんごさん、黒木レーシングの社長さん原因がわからないときに助けて頂き
有難う御座いました。一生懸命車両を整備してくれたショップの皆さんにも
感謝です。
そして、ウッシー君、レガシビ君、HAL!さん。本当に有難う御座いました。