昨日夕方に土浦のRSDディノさんから先週から入院中だった私の512BBの整備が完了したとのお知らせを頂きました。一夜明けた今日はちょうど良いことに仕事が忙しくなく、早速受け取りに行きたいと思ったのに朝からお天気は雨模様。

でもお昼過ぎから雨雲は太平洋上に去り、重く垂れこめた曇り空とはいえとりあえず雨水によるトラブルは避けられる見通しとなったため常磐線の特急「ときわ」に乗り込んで土浦へ行って参りました。
「ときわ」という名前は私の年代には懐かしいもので、30年以上昔に常磐線を走っていた急行列車の愛称ですね。私が子供の頃にお遣いに行かされた商店街初売りの福引き1等賞はいつも温泉旅行で、行先は箱根・鬼怒川・(いわき)湯本の3か所がローテンションになっていました。温水プールが珍しかった昭和の頃には2月に泳げる常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)はとても楽しみだったのをよく覚えています。
そんな昔の記憶を思い出しつつまずは車内で腹ごしらえ。かつては仙台駅じゃないと買えなかった名物の牛タン弁当がここ上野駅でも常に手に入るのは本当にありがたい限りです。ヒモを引くと麦御飯と牛タン焼きが温まるこのお弁当は特に私のお気に入り。駅弁大好き!(笑)。

今回の入院整備の目的は2つあり、1つめは「熱風エアコン」の改善でした。何しろ新車の時から装備されたままになっている古いシステムなので予想通り内部は錆だらけだったそうです。交換を要したレシーバータンクとエキスパンションバルブは当然のように純正品は世界欠品中。しかしこの2つはモデナとテスタロッサ用のパーツを加工すれば流用可能だそうで、私もその方法で直していただきました(写真提供RSDディノ)。
ディーラーマニュアルに決して記されることのないこうしたノウハウを数多く持っているのは30年以上フェラーリ一筋でやって来られた「大御所」ならではですね(拍手)。ホント、足を向けて寝られませんわ。

今回の整備ポイント2つ目は低回転域でエンジンのぐずつきで、どうも点火系に問題がありそうだというのは前回のブログのとおりです。果たしてCDIが劣化していたのが原因だったようで、その交換によってエンジンはまたもや見違えるような鋭い吹け上がりになりました。
写真は私の512BBに装備されていたCDIで型番は明らかに512BBi用のものなのですが長年BBに関わってきた社長が見たことが無いという謎のパーツ。
当然のように純正の新品は欠品中。それでもCDIは古いものを外して送るとディーラーでリビルトしてくれるそうですが、その作業にかかるお値段が\80万(!)。

今回交換に装備してもらったCDIは昔の弁当箱のような形状でした。実はこのCDIは借り物で、とりあえず今回は試験的に装備して走ってみるということになりました。本で読んだとおり始動すると「キーン」という金属音が響きます。
さてとりあえずはこれで当面の走りと快適さは確保できました。512BBは手間をかけただけ必ず前より良くなってくれるので、ますます愛着がわいてきますね。最近も「是非とも売って欲しい」と声をかけられることがたびたびありますがもちろん断固拒否に決まっています。この車だけは私の目が黒いうちは何があっても手放すつもりはありませんのでバイヤーの皆様、悪しからずご了承のほどどうか宜しくお願い申し上げます。
●表題の意味「愛する者には何事も苦労ではない」 読み方「ニヒル・ディッフィキレ・アマンティー」
共和政ローマ末期に活躍した弁論家キケロー(
MARCVS TVLLIVS CICERO:B.C.106-B.C.43)が初期の著書「弁論家について」の中に記した言葉です。この本は日本語版が岩波書店から出ていますが正直言って訳者の力量不足が否めないトホホな出来栄えになっているので、同じ出版社から出ている「キケロー選集」の方が理解しやすくオススメです。
NIHIL「何もない」第Ⅲ変格中性名詞主格単数、英語のNothingと同様。
DIFFICILE「苦労な」「困難な」第Ⅱ類中性形容詞主格単数、この文では
NIHILの補語。
AMANTI「愛する者にとって」第Ⅰ活用動詞現在分詞男性単数与格、「私は愛する」を意味する原型の動詞は
AMO、その現在分詞
AMANSは「愛する者」を意味します。間接目的語の「~に(とって)」意味する活用形をラテン語では与格
(DATIVVS)といいます。
Posted at 2015/06/03 19:50:07 | |
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