
ここのところクルマに関してはあまりパッとしたエピソードもなく盛り上がりに欠ける日々が続いておりました。そんななか、575Mマラネロは再び点灯したエンジンチェックサインを精査するついでにF1マチックの整備もしてもらうため先日コーンズへ3度目のご入院となりました。
我がマラネロ君の前オーナーはかなり「走る人」だったらしく、消耗著しかったクラッチの交換を20000㎞で一度行っています。ですがそれから走行距離が更に10000㎞加算されて私のもとに来た今、シフトの入り方が私にはイマイチ気に入りません。マラネロ君は私のフェラーリの中では最も新しいモデルとはいえ今年で誕生から10年目を迎えたこともあり、この際駆動系のフルオーバーホールを徹底的に実施する決意を固めました。
まあそれなりに「かかる」と思いますが、フェラーリはもともとそういう車ですのでオーナーには相応の負担が遍く課せられるのも是非に及ばずというところでしょう。それより私が手をかけることで車が今より確実に良くなることは至極結構だと考えるようにしています。ここでいくばくかの出費をケチって本来の素晴らしい性能を発揮できないとクルマが可哀想だし、せっかく縁あって私のもとに来たクルマが不機嫌な心臓のままじゃ私だって気持ちがスッキリしませんものね。

一方512BBは一昨日の夜にちょっと走りに出かけようと思って夜の首都高速を快調に走り辰巳PAに立ち寄ったまでは良かったのですが、そのあと帰路の6号向島線を走行中にいきなりの強いにわか雨(後でアメダスを見たら辰巳は降らなかったみたいなので出発時刻を見誤った私の痛恨の判断ミス)。道路の埃が雨水とともにジャブジャブと舞い上がりボディーをしっかり汚してくださいました(涙)。

512BBは来週千葉方面で大事なお座敷がかかっているので、給油ついでに白金台のGSで洗車してもらいました。ここの作業は本当に高レベルで仕上がりはいつも大満足です。今回お呼びがかかっているのは松戸市のイベントで私は10月5日の日曜日に参加する予定になっています。以前から古くからの友人に是非にとお誘いを受けており、このたび日程が仕事のお休みと重なったため参加することに決めました。
毎年10月の最初の週末に開催されている松戸市制記念のお祭りの出し物に「松戸クラシックカーフェスティバル」というのがあります。先月号のオールドタイマー誌にも紹介されていた「昭和の杜博物館」が中心となって松戸駅前の地下駐車場を閉鎖して昭和時代に製造されたクルマを「クラシックカー」として展示し、そのあと市の中心部をパレードするというものです。平成元年は1989年ですのでその前年1988年までに作られたクルマが「昭和」に該当する対象車両となり、わが512BBも1984年型なのでもちろんこの規定に合致します。
それにしても512BBにお呼びがかかるイベントのテーマが「スーパーカー」ではなく「クラシックカー」になったというところには感慨深いものがありますね。たしかに誕生から30年も経てば十分に「クラシック」ですし、現行の500馬力&300㎞/hオーバーのスーパーカーたちに較べれば動力性能は足元にも及びません。でも512BBがカウンタックなどとともに「世界最速のスーパーカー」の称号を冠していた時代も確実にあったわけで、30年前に繰り広げられたスピードやパワーの競争という生々しい事実が無事に美しい歴史のなかに組み入れられたことを悦ぶべきなのでしょう。ゴルフだってシニアツアーに出場できるのは厳しい出場資格をクリアした名選手に限られるわけですから、カテゴリーが変わってまた新たな名誉が加わることには違いありませんものね。
●表題の意味「鷲は蠅を捕まえない」 読み方「アクィラ・ノーン・カピト・ムスカース」
もともとはギリシャ語の諺でローマ人に受け入れられてラテン語で定着した言葉ですが、一般には1500年に出版されたエラスムス(Desiderius Erasmus Roterodamus)の著書「格言集(Adajia)」で有名になりました。ネーデルランド出身の司祭兼人文学者だった彼は「痴愚神礼賛(
Moriae Encomium)」を著したり、のちに宗教改革で知られるマルティン・ルターによるドイツ語聖書の原版ともなった「ラテン語・ギリシャ語対訳付新約聖書」の出版でも有名ですね。高校の倫理社会でお馴染みの自由意志(
LIBERVM ARBITRIVM)についてルターとエラスムスの論争は有名ですが、エラスムスは悪名高い贖宥符など当時のカトリック教会の姿勢を強く批判していましたが彼自身は宗教改革には乗らず一貫してローマ・カトリックに忠実でした。この時代(ルネサンス期)には面白いネタはいっぱいあるのでそれはまた次の機会にでも。
この言葉は大空を舞う鷲は蠅のような小さな獲物を捕えないということから「大物は小物を相手にしない」という諺として良く使われます。似た意味の諺に
ELEPHANTVS NON CAPIT MVREM「象は鼠を捕まえない」というのもありますが、ネズミはともかく発情した象さんはサイを痛めつけることはあるみたいですね(怖っ!)。
※閲覧注意
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2765034/Battle-giants-Testosterone-fuelled-elephant-fights-black-rhino-protects-calf.html)
AQVILA「鷲」第2変格女性名詞主格単数、鷲を旗印にしていたため古代ローマ軍(
EXERCLITVS)の「軍旗」の意味もあります。
NON「~ない」無変化副詞。
CAPIT「捕える」第3活用直説法3人称単数現在、書物によっては
CAPITの代わりに「捕虜にする」という意味が強い
CAPTOの方が使われることもあります。英語のcaputureの語源となった
CAPIOは名詞(第3変格女性名詞)として使うとローマ法では「時効取得」の意味になります。現在の民法162条の決まりは既に2000年前のローマで確立していたんですね。
MVSCAS「蠅を」第2変格女性名詞対格複数、正確には現在のイエバエ上科(
Muscidae)のことですので自分の身の回りにいる「五月蠅いヤツ」の意味でこの言葉を使ったのでしょう。
Posted at 2014/09/24 20:31:41 | |
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