ファミリーカーを買うべし！　　その３：ミイラ取りがミイラになりかけた・・

まさかのシエンタ復活で、カミさんの気持ちが揺らいでしまうという不安材料が出てきました。

そこで、自分が欲しいクルマの中から、他にもカミさんに勧められるクルマで押してみようと、探しに出ました。


ちょうどポロのＧＴＩが気になっていたところ、近所のＶＷディーラーに、ポロ（１．２）、ゴルフ（ハイラインとＧＴＩ）の試乗車が用意されていたので試乗してみました。


細かいインプレはさておき、まずは衝撃を受けました。


ＧＴＩはともかく、１．２のポロまでもが非常に上質な乗り味、しかも楽しい！



「何じゃこりゃーー！！」



正直、今まで街で見かけても、さして気に留めることもなかったこれらのクルマですが、３車種とも、それぞれが走る楽しさにあふれていました。


「こんな楽しいクルマにみんな乗ってるのか～！？」



低速から充実したトルクを感じながら、それでいて回しても気持ち良く、しかも官能的な音質すら味わえる・・

ＧＴＩを除けば、僅か１．２Ｌと１．４Ｌのエンジンから、こんなにも魅力的な感覚を味わえるとは！

ＴＳＩ＆ＤＳＧオーナーが羨ましく感じました。


ＶＷが進めているダウンサイジングは、単なる低燃費だけではなく、動力性能をスポイルするどころか私のロドを置き去りにするくらいの力を、すべての車種に与えてしまっていました。
（しかもロドよりも遥かに燃費がイイ！）


値段だけ見ると、一番安価なポロでも本体２００万程度なので、国産コンパクトと比較すると当然高く見えます。が、


・エコカーであっても、極端な低燃費志向のタイヤ＆タイヤサイズを用いない

・４独サス、４輪ディスクも標準装備

・サイドエアバッグ、カーテンエアバッグは当然のように標準装備

・ＤＳＧももちろん標準装備！


国産車だと走行性能に関する部分は、グレードが下がるにつれ、どんどん省かれていくものが一切省かれることなく装備されており、さらにターボ付きのＴＳＩエンジンや、日本では上級スポーツカーでしか装備されていないツインクラッチのＤＳＧ７速トランスミッションなど、考えうる最新メカが、一番ベーシックなグレードに搭載されており、コストパフォーマンスという点ではむしろ国産のほうが高いと感じるほどでした。

ＤＳＧの出来の良さは素晴らしく、体面上はＡＴですが、構造はクラッチ盤を内蔵したミッションなので、走行中のレスポンスやダイレクト感はＣＶＴやトルコンＡＴとは比較にならず、操作する楽しさはＭＴに分があるとしても、合理的に速さを求めるとＤＳＧは大いにアリだと思いました。


フットワークもしなやか、かつ剛性に満たされていて、この部分で張り合えるコンパクトといったらスイフト・・ぐらいしか思い当たらず、上級車でもなかなか味わえない、そんなレベルでした。


ひととおり乗り終えて、一番楽しく魅力的に感じたのは１．２Ｌのポロでした。

ＧＴＩはとても官能的で、それはそれで大変魅力的でしたし、ツインチャージャーはメカ的には一番惹かれる組み合わせでしたが、パワーと楽しさ、スタイルを含めた個人的な感想では、ベーシックなポロが、実は一番先進的で魅力を感じました。



ディーラーからの帰り道、もう完全に取り憑かれていました。。


「こんなに楽しくて実用性もあるんなら、何台も要らないんじゃないのか？」

「買い替えも・・アリか！？」



こんな話をカミさんにしたところ、「ロドを手放して買い替える」なら、大いに結構との回答が。

これで９割ぐらいは買い替えの気運です。

ところが。



それからというもの、街で見かけるたびに羨望の眼差しで見ていたのですが、その都度何か引っかかる思いを感じました。それは・・


「普通にたくさん走っていて、（スタイルを含めて）何かスペシャル感に乏しい」


これはもう贅沢以外の何物でもないのですが、良い物だけに、やはりよく売れています。



しかし、これこそがロドを愛で続けている素直な心情を、一番浮き彫りにしました。


乗って楽しいし、性能もロドよりはるかに進歩しているのですが、走っている姿を見たり、想像したりすると、どうにもロドを超えてこなかったのです。



そんな訳で、買い替えの線は消滅して、買い増し路線でカミさんに交渉することになりました。



で、ポロを見てカミさんの一声。


「後席が狭いし、ラゲッジも・・ちょっとねぇ」



見落としてました。完全に。

自分が乗って楽しい、という部分に釘付けになってしまい、家族で乗るのに必要なユーティリティーを！


ちなみにゴルフなら・・と切りだすも
金額的に買い増しはＮＧと、却下になりました（悲）




いつか買い替えのタイミングで進化したファミリーカーに出会えたら、その時はゲットするぞ～！


諦めの悪いＬｉｚａｒｄでした。