
どうも。
いよいよ着地点が分からなくなってきた独り言ブログ「ダッシュボードなんて(略)」です(笑)
一応あと2回か3回で実用編にいくはずなのでもうしばらくがまんしてくださいw
前回、純正Pバルブの構造を説明しました。
ブレーキバランスをチューニングするにあたって、Pバルブの構造を理解するとかは必ずしも必要ではないと思うんですがね。
不十分な理解ゆえの遠回りとか事故とかは可能な限り避けたいので、割と一生懸命です。
ここまでの解説で、Pバルブの特性を決定する部品はどの部分なのか、だいたいイメージはつかめていると思いますが、改めまして。
スプリットポイントは、
内部スプリングの強さによって決まります。
そして、
レデューシングレシオは、
ピストン(プランジャー)の受圧面積比によって決まります。
Pバルブ前後の油圧を計算するために、もう一度Pバルブの断面モデルを検討します。
前回の断面図が細かすぎて分かりづらいとの指摘があったので、モデルを簡略化して再作図してみたり。
もういっそ最初からこのくらい簡略した図で説明すればよかったと後悔ww
ピストンが油圧を受ける部分の面積は次のとおり。
A-A'断面積が、
29.2mm2
B-B'断面積が、
73.0mm2
※数値は実測を元に計算していますが、計算を分かりやすくするため、Pバルブの特性データを元に恣意的に丸められています。
ここに、スプリットポイント圧(S14ターボでは
40kg/cm2)をかけた時、
ピストンはバルブに接触する位置まで左に移動します。
ばねレートは不明ですが、ID10mm、線径2mmくらいなので、ばね鋼の横弾性係数からざっくり計算してだいたい2~3kgf/mmくらいと予想。
とりあえず、2.5kgで計算します。
組み付けた状態で5mmほどプリロードがかかっており、さらにピストン移動分で2mmほど縮んでいます。
この状態でピストンを右に移動する力と左に移動する力がつりあっているはずなので、
・右に移動する力
入力油圧×受圧面積+スプリング力
0.4(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=29.2kgf
・左に移動する力
出力油圧×受圧面積
0.4(kgf/mm2)*73.0(mm2)
=29.2kgf
となります。
入力油圧を
60kgf/cm2とすると、
・右に移動する力
入力油圧×受圧面積+スプリング力
0.6(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=35.0kgf
・左に移動する力は、反力と拮抗するので、
右に移動する力/受圧面積
35.0(kgf)/73.0(mm2)
=0.48(kgf/mm2)
=48(kgf/cm2)
となります。
入力油圧=
60kgf/cm2
出力油圧=
48kgf/cm2
より、レデューシングレシオを逆算すると、
スプリットポイント=40(kgf/cm2)
(48-40)/(60-40)
=
0.4
レデューシングレシオ=0.4
となります。
えーと。
もうしばらく続きます。
安全面で大丈夫なのかという問題はおいておいて、
もし、
Pバルブを分解して、ばねの部分に2mmのシムを挟んだとしましょう。
こんなかんじ。
すると、スプリングのプリロードが増加するので、スプリットポイント時のばね反力は、
スプリング力=
2.5(kgf/mm)*
9(mm)
=22.5kgf
油圧をPとして、式を立てると、
P=入力油圧=出力油圧
入力油圧×受圧面積+スプリング力=出力油圧×受圧面積
P*29.2(mm2)+22.5(kgf)=P*73.0(mm2)
P*(73.0-29.2)=22.5
P=22.5/43.8
P=0.51(kgf/mm2)
スプリットポイント油圧=
51kgf/cm2
になります。
グラフにするとこんな感じ。
シム増し(スプリングのプリロードの変更)によって、スプリットポイントを変えられるわけですね。
ただ、シム増しによってレデューシングレシオを変えることはできません。
レデューシングレシオは、ピストン断面積に左右されるので、簡単には変えられないようです。
うー。
今日はここまで!
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Posted at
2014/08/31 17:59:22