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イイね!
2014年08月27日

Pバルブについて6-圧力計算

Pバルブについて6-圧力計算 どうも。

いよいよ着地点が分からなくなってきた独り言ブログ「ダッシュボードなんて(略)」です(笑)

一応あと2回か3回で実用編にいくはずなのでもうしばらくがまんしてくださいw





前回、純正Pバルブの構造を説明しました。

ブレーキバランスをチューニングするにあたって、Pバルブの構造を理解するとかは必ずしも必要ではないと思うんですがね。




不十分な理解ゆえの遠回りとか事故とかは可能な限り避けたいので、割と一生懸命です。





ここまでの解説で、Pバルブの特性を決定する部品はどの部分なのか、だいたいイメージはつかめていると思いますが、改めまして。


スプリットポイントは、
内部スプリングの強さによって決まります。




そして、

レデューシングレシオは、
ピストン(プランジャー)の受圧面積比によって決まります。











Pバルブ前後の油圧を計算するために、もう一度Pバルブの断面モデルを検討します。

前回の断面図が細かすぎて分かりづらいとの指摘があったので、モデルを簡略化して再作図してみたり。






もういっそ最初からこのくらい簡略した図で説明すればよかったと後悔ww







ピストンが油圧を受ける部分の面積は次のとおり。



A-A'断面積が、29.2mm2
B-B'断面積が、73.0mm2

※数値は実測を元に計算していますが、計算を分かりやすくするため、Pバルブの特性データを元に恣意的に丸められています。







ここに、スプリットポイント圧(S14ターボでは40kg/cm2)をかけた時、



ピストンはバルブに接触する位置まで左に移動します。


ばねレートは不明ですが、ID10mm、線径2mmくらいなので、ばね鋼の横弾性係数からざっくり計算してだいたい2~3kgf/mmくらいと予想。
とりあえず、2.5kgで計算します。

組み付けた状態で5mmほどプリロードがかかっており、さらにピストン移動分で2mmほど縮んでいます。






この状態でピストンを右に移動する力と左に移動する力がつりあっているはずなので、

・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.4(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=29.2kgf



・左に移動する力

出力油圧×受圧面積
0.4(kgf/mm2)*73.0(mm2)
=29.2kgf

となります。









入力油圧を60kgf/cm2とすると、



・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.6(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=35.0kgf


・左に移動する力は、反力と拮抗するので、

右に移動する力/受圧面積
35.0(kgf)/73.0(mm2)
=0.48(kgf/mm2)
=48(kgf/cm2)

となります。






入力油圧=60kgf/cm2
出力油圧=48kgf/cm2


より、レデューシングレシオを逆算すると、

スプリットポイント=40(kgf/cm2)

(48-40)/(60-40)
=0.4

レデューシングレシオ=0.4



となります。









えーと。


もうしばらく続きます。








安全面で大丈夫なのかという問題はおいておいて、

もし、
Pバルブを分解して、ばねの部分に2mmのシムを挟んだとしましょう。



こんなかんじ。






すると、スプリングのプリロードが増加するので、スプリットポイント時のばね反力は、

スプリング力=
2.5(kgf/mm)*9(mm)
=22.5kgf


油圧をPとして、式を立てると、
P=入力油圧=出力油圧

入力油圧×受圧面積+スプリング力=出力油圧×受圧面積

P*29.2(mm2)+22.5(kgf)=P*73.0(mm2)
P*(73.0-29.2)=22.5
P=22.5/43.8
P=0.51(kgf/mm2)

スプリットポイント油圧=51kgf/cm2

になります。




グラフにするとこんな感じ。



シム増し(スプリングのプリロードの変更)によって、スプリットポイントを変えられるわけですね。

ただ、シム増しによってレデューシングレシオを変えることはできません。
レデューシングレシオは、ピストン断面積に左右されるので、簡単には変えられないようです。






うー。

今日はここまで!
ブログ一覧 | 駆動ブレーキ足回り | 日記
Posted at 2014/08/31 17:59:22

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この記事へのコメント

2014年8月31日 20:42
こんばんわ(^○^)♪

乗用車のPバルブについて考えた事なんて無かったのでとても勉強になります!
Pバルブなんてハイエースぐらいしか考えた事無かったです(>_<)
コメントへの返答
2014年8月31日 21:58
こんばんは^^

Pバルブのチューニングなんてほとんどやらないですからねぇ。

ハイエースの場合は、積載量によって適切なブレーキバランスをPバルブで調整していますよね。

タイムアタック車両のブレーキチューニングの場合は極端な軽量化やローダウンを施すこともあるので、荷物の積載と逆の減少が起きると考えられます。

となれば、おのずと純正Pバルブじゃセッティングが合わなくなるんだろーなー。といったあたりから考察が始まった次第です。

今後ともぜひ、見限ることなく楽しんでいただければ幸いです^^;
2014年8月31日 20:45
いやぁ、もうねマニアックすぎて付いて行けませんね。笑

自分が無知なのか、トライズさんが一般的、はたまた専門家なのか!?もちろん後者でしょうけど。ww

勉強になります♫
コメントへの返答
2014年8月31日 22:01
まにあっくですよねー。ほんと(他人事ww

専門家と言えるほど知識に長けているわけではないですけどね^^;

計算がぴったり合った時とかは楽しくなります!

ただただ、マニアックなだけですよ。ええw
2014年9月3日 4:43
はじめまして。
体感上は気になりませんが、車検の際 制動力の数値を見たとき左右で差がありました。そこで、
あるショップの方に左右のブレーキバランスを合わせるためにPバルブの調整をお願いしたところ、調整を断られてしまったことがあります。ストリートならそれほどシビアになる必要はないのでしょうか??
勉強しようと思いましたが、途中で断念しました(><)
コメントへの返答
2014年9月3日 14:46
西山72さん
コメントありがとうございます。

Pバルブは、確かにブレーキのバランスを決定するものですが、役目としては前後のバランスのみを最適化するものです。
ブレーキに左右差がある場合、左右のキャリパーの状態やパッドの状態を点検するほうが現実的だと思います。
また、車検に通る程度の左右差であれば、それほど神経質に揃えなくても良いのではないかと思います。

また、疑問点などありましたらぜひ書き込んでくださいね。
2014年9月18日 22:38
はじめまして、

Pバルブをこれから分解するところなので
勉強させて頂きました。
Pバルブをどうやってキャンセルするのがベストか、
検討中ですが情報が少なく難しいですね。(^_^;)
コメントへの返答
2014年9月18日 22:53
yokoさん
こんばんは!コメントありがとうございます。

私は結局、純正Pバルブを特性違いのものに交換して使っていますが、調整式Pバルブを使う場合等は、キャンセルが必要ですよね。

今回ブログにUPしたABS無し用のPバルブであれば、中のプランジャ(ピストン)を抜くか、たまたまピッチと外形が一緒なので、フタ部分をそのままマスターシリンダにねじ込んでも良いと思います。

いずれにせよ、実際に試したわけではないので、実走テストはくれぐれも安全に気をつけてくださいね。

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何シテル?   07/02 18:34
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