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トライズのブログ一覧

2016年02月15日 イイね!

補正マップ調整

補正マップ調整やほーうトライズです。

今年は雪少なかったなー。楽でいいけど。


VEシルビアのROMチューンも微速ながら進めております。



まず、現状ですがー。

P11プリメーラ(SR20VE)のROMデータを基に、レブリミットを変更(7100→8200)しました。
それに伴い、燃料、点火補正マップのRPM軸を8200対応に変更し、純正の補正マップを線形補完して仮マップを作りました。

制作のブログとしてはこのあたりの続きです。
  ↓
SR20VE ROM編集2

ぜんぜん進んでねぇなw




とりあえず、リミッター系を解除してあとはひたすらマップを詰めていくだけといった感じなのですが、ここに来ていくつか問題が出てですねー。




まず、A/Fのロガーが欲しいということ。

フルコンとかのリアルタイムで書き換えられるやつであればそんなに気にはならないのかもですが、データの書き換えに手間のかかるROMチューンでは、ある程度データ取りをして一気にかえるスタイルなものでA/F計を眺めながら数値を記憶するのも限界があるんですよね。

A/Fを回転数や他のエンジン信号とともにロギングできれば、大量のデータからスムーズかつ正確にマップが組めるはずなんですよねー。





そして、ノックセンサーが欲しい。

腕の立つチューナーであれば、ノックは耳で聞けというのがセオリー。
確かに、低中回転高負荷のノック音とかはけっこう聞こえるものですが、高回転高負荷とかでさらにやたらうるさいエンジンだとノック出てるのかどうかイマイチ分かりません。
志の低いマッドメカニックは、聴力鍛えるよりも機械に頼ってやろうとかそういう邪念がでろっと溢れ出していますので、近いうちにこれは買うと思います。





さらに、現状の仕様が純正すぎるということw

実は、現状の仕様でだいぶマップを弄ってみたんですがね。当然といえば当然ですが、純正値とさほど変わらないところでひととおり落ち着いてしまってですね。
A/F眺めても申し分なく、加速のフィーリングも違和感無いんですよ。
ただ、ROMチューンで触れる項目はまだまだあって、エアフロの補正とかTTPの設定とか、そういうのもまだまだ研究段階です。
そのへんもじっくりやってみたいのですが、せめてインジェクタとエアフロ変えてからかなーとか思っています。






というわけで。近い未来に測定機器等をバージョンアップして、改めて続きをやりたいと思います!


てか、ROMチューンやりながら、エンジンとかボディ側も地味にアップデートしているのですが、そろそろ書いておかないと忘れつつあるww


それではまたー!
Posted at 2016/02/15 22:42:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | VEシルビア ECU編 | 日記
2016年01月28日 イイね!

O2センサー交換

O2センサー交換はろー。
ニュースによると、囲碁の対戦でコンピュータがプロ棋士に勝ったらしいですよ。
そのプログラムは、集積データの処理に加えて人工知能技術による学習機能が備わっているらしい。


あーい。トライズです。

O2センサー換えてやります。

なんでも海外ではO2センサーも定期交換部品指定だったりするそうですが、国産車の整備業界では壊れた時に交換。もしくは、壊れていてもとくに不具合なり警告灯点灯なりがなければ交換しないというのが現状のようですねぇ。


ですが、O2センサーはECUの学習機能の要となるセンサーなわけで、もっと気にしてあげてもいいと思うんですよー。




今回使うのはこれ!



BOSCH ラムダセンサー ユニバーサルタイプ!





ロケットランチャーみたいなコネクタが付属していて、これでいろんな車種に使えるからYouの会社の在庫だって、車種ごとに用意する必要はもう無いんだ!HAHA!みたいなことが書いてあります。






とりあえず無視してスプライスでカシメましたけどね。






どうも、O2センサーのハーネスは芯線がステンレスかなにかでできているようで、ハンダが付かないんですよね。
しかもかなり硬い線質なので、よじってもすぐにほどけちゃう。それでボッシュは妙なコネクタを用意しているようです。




交換完了。








O2センサーがビンビンになりました。







ちなみに、こーゆーNDSのようなモニターツールが無くてもO2センサーが生きているかどうか調べることはできます。

シルビアとかの旧日産診断コネクタの場合はー、




キーON(エンジン停止)状態にする。
  ↓
診断コネクタのCHKとIGN端子を2秒以上短絡させたのちオープンにする。
  ↓
エンジンをかける。



これで、O2センサーの診断モードが作動します。
O2のリーン/リッチに合わせてエンジンチェックランプが点灯/消灯するのを確認します。

基準は2000rpmで10秒間に5回以上点滅すれば正常とのこと。




なお、O2センサーはある程度暖気後でないと正常に動作しませんが故障ではありません。あしからず。


これで、安心してECUの学習機能を使える!!!(もうしばらく使わないけど)








話は変わりますが、先日のバス事故について書かれたとある記事の中で、ATやCVTの普及→エンジンブレーキ、ブレーキフェード等の専門的な知識について無知になる→事故が多発!といった考察が述べられていました。

確かに一理ありますね。MT車の減少は寂しくもありますし、現状からすれば車の機構に関する知識を得る機会が以前より減っているのも確かでしょう。


だけどー!!


技術者サイドとしてはだね。ジャイロでも積んで警告鳴らすなり、パッドの温度を計測してフェードしそうになったら自動でエンブレかけたりするシステムを作れば良いんじゃないかとか考えてみたりwwww


そのうち車ももっと高度な知能を与えられることでしょう。今、こうして車関係の事故で命を落とす人がいることはどうしようもなく悲しいことだけれど、車は悪くないよ。オートマだって悪くないよ。そして便利な道具を使う人たちだって悪くない。ただちょっとだけ技術の進歩が間に合わなかっただけ。。。
Posted at 2016/01/29 01:02:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | VEシルビア ECU編 | 日記
2016年01月14日 イイね!

純正ECU A/Fチェック

純正ECU A/Fチェック雪降ってきたー!

今年は雪降らなすぎて逆に不安でしたが、ようやく冬らしい天気になりましたねー。

どうもトライズです!

そういえば今年初ブログです!
今年もよろしくお願いします。




えーと、SR20VEエンジンの燃料マップをいじるにあたって、純正のマップがどのあたりのA/Fを狙っているのかが気になってですね。


せっかく、ノーマル(のECUでも一応動かせる仕様の)エンジンの状態なので、純正ECUでデータを取りたいと思います。





AF計以外にもいろいろ付けてみました。

モニターしているのは、A/F、バキューム圧、排気温度、エアフロ電圧です。

他はNissan Data Scan を使ってパソコンで。






純正の制御では、O2フィードバックのかかっている領域で、きっちり14.7を狙っているようです。
フィードバック領域はアイドリングのみならず、低負荷の街乗りのほとんどが含まれています。









全開で踏んだ時の高回転高負荷時は11.5~11.7くらいを表示します。

パワー空燃比が12.5あたりなので、けっこう濃い目ですね。

給排気系が変わっているのでずれているのか、それともエンジン保護のためにあえて多めに噴いているのか・・・

このあたりを燃調で12.5に合わすことで、パワーが出るのかどうかは慎重に調べる必要がありますねぇ。






何度か走ってデータ取ったりしてふと気が付いたのですがー、

エンジンが冷えている時のアイドリングで、やたらA/Fが薄い時があります。

冷えてる時は燃料多めに噴くはずなのに何かおかしい。





んー





O2動きおかしい!!(汗)


アイドリング時でももうちょっと頻繁にリッチ、リーンが反転するはず、、、


ちょっと踏めばちゃんと反応するんですがイマイチ動きが鈍いようです。



O2換えよー。
Posted at 2016/01/15 07:24:37 | コメント(3) | トラックバック(0) | VEシルビア ECU編 | 日記
2015年12月09日 イイね!

エアフロ容量 対応馬力→L/sec

エアフロ容量 対応馬力→L/secおなかいたい(´・ω・`)

昨日おなか出して寝てたせいかな・・・






どうもトライズです!


冬の初めの冷たい雨の降る季節になると、なぜだか無性にエアフロ容量について考えたくなるものじゃないですかー。

そんな、需要に答えるべく、今回はエアフロの性能についての日記をば。



ROMチューンとかのすっごいニッチな日記ばかり書いて、だいぶ読者減ってるんじゃないかと思いますが、今回はちょっとだけ需要高め(予想)なんじゃないかと期待。






エアフロ、エアフロメーター、エアフロセンサーの最大容量については、約何馬力まで対応と言った呼び方が一般的です。

エアフロ自体は、吸い込んだ空気の量を計測するセンサーなわけだから、単位はL/sec(リッター毎秒)とか、g/secとかにしたいわけですよ。


なんとかならんもんですかねー。






方法1.排気量から推測する

そのエアフロが付いている純正車両のスペックから求める方法



S15 SpecRの場合、
排気量 1.998L 250馬力
レブリミット 7200rpm ブースト圧 0.6kg/cm2

エアフロ容量は、
1.998[L] * (7200/60/2)[cyc/sec] * (1+0.6)[kg/cm2] = 192[L/sec]

1秒間に192L以上は吸える計算になりますねー。






方法2.インジェクタ開弁時間から計算する。

ECUのパラメータを見れるのであれば、インジェクタ開弁時間から燃料がどれだけ噴かれているのか分かります。
それで、実際に噴いてる燃料からひたすら逆算していけば、どれだけの空気を吸っているのか分かるんじゃないかというアプローチで。



P11のSR20VEで、ログを切り取ると、
RPM = 6025rpm
AirFlow = 4.21v
injector time = 12.20msec

このエンジンのインジェクターは259cc 無効噴射時間は0.7msec です。

無効噴射時間を除いたインジェクタ通電時間は、11.5msecとなり、ECUが計算に使うTPの単位に直すと、92 になります。
1TP = 0.125msec

で、このログのタイミングのは、高回転高負荷時なわけで、目標A/Fを調べるために燃料マップを眺めながら電卓をぽちぽちやります。



右から2列目下から3段目。
おそらくこのあたりを読んでいます。

吸入空気量に対しA/F14.7を実現する標準通電時間を、TP=77くらいだとすれば、マップの右から2列目を読んでいるので、目標AFは12.3の領域。

とすれば、77*14.7/12.3 = 92
になるわけですな。




インジェクタ吐出量を 259[cc/min] とし、11.5msec噴いているとすると、
1サイクルで、
259 / 60 / 1000 * 11.5 * 4 = 0.199cc
の燃料を噴いていることになり、

これに、回転数/2 をかけると、時間あたりの燃料噴射量が求められます。

0.199 * (6025 /2)[cyc/min] /60[sec]
=9.99[cc/sec]


この燃料を噴いた時に、目標AF = 12.3 になる空気の量は、

9.99 * 0.75 * 12.3 / 1.16 = 79.4[L/sec]

ガソリンの比重 = 0.75g / 1cc
空気の比重 = 1.16g / 1L



さらに、AirFlow = 4.21v を、VQマップから変換すると、




54.18%の値なので、

最大計測吸気量は、
79.4 / 54.18 * 100 = 147L




ようやく出ましたよ。プリメーラのエアフロは、147L/sec くらいっす。

めんどくっさいわww







方法3.推奨インジェクタ容量の式から考える。

インジェクタに関しては、目標馬力→必要なインジェクタ容量の換算式というものが存在します。
であれば、エアフロも、対応馬力→エアフロ容量の換算ができてもいいんじゃないかと思うんですよ。



目標馬力から必要なインジェクタ容量を求める式はいくつかあるんですがー、
そもそも馬力と燃料噴射量は全く次元の違う数値なので、換算式もいろんな実車のエンジンの性能の統計から作られたものでしかありません。

ので、とりあえず一番シンプルな式を参考にすることにします。


必要インジェクタ容量[cc/min] = 目標馬力[ps] / 気筒数 * 車両係数 / 目標デューティ比



こうゆうやつですな。

車両係数はインジェクタ⇔馬力間の変換係数で、だいたい6.0前後にすると、現実的な数値が出せるようです。
この車両係数、某T名パワードの変換シートでは、5.9を採用していたり。

あと、燃料消費率とか燃料比重とかを係数にしている有名な変換式を上記式に当てはめると、
ハイオク仕様なら、ターボで6.9 NAで6.0とかになったりー。






さてさて。えー例えば、555cc/minのインジェクタを全噴きする場合、
4気筒 車両係数6.0
目標デューティーはとりあえず100%で計算するので省くとして、狙える最大馬力を求めると、 

555[cc/min] = 目標馬力 /4 * 6.0

最大馬力 = 555 * 4 / 6.0
       = 370[ps]

インジェクタ全噴きなら、このくらいを狙えるということです。



でー、ここから、エアフロの容量変換へと切り替えます。

555cc × 4本が、1秒間デューティー100%で吹き続けると、

555 * 4 /60 = 37[cc/sec]の燃料を消費する計算になります。

しかしすごいな、1秒で37ccですよ。
わずか30秒足らずで、1Lのガソリンを使うわけですよ。

アンチエコカーもいいところです。




で、その燃料に見合った空気の量に換算するのですが、燃料[cc] : 空気[L]の比率は、
0.75 : 1.16
であり、

インジェクタ全噴きしながらも理論空燃比目指しというのはありえないので、ちょっと濃い目の11.0を目標A/Fとするとー、

吸入空気量 = 37cc * 0.75 * 11.0 / 1.16
        =263L


と、いうわけでですなー。

馬力370psを目指すためには、
インジェクタは、555cc/min以上(4気筒の場合)、
エアフロは、263L/sec以上、
のものを使いましょう!という計算になります。




めんどくさいので、このままエアフロ比率を算出すると、

エアフロ容量[L/sec] = 対応馬力[ps] / 1.4

こんなもんでいいと思います!!(笑)



つまり300馬力対応のS15エアフロは、約210[L/sec]の能力があると。
550馬力対応のZ32エアフロなら、390L/secくらいと。
どこぞの147L/secのエアフロは205psくらいまで対応していますよっと。



あくまでも目安程度ですが、てっきとーに選んだエアフロを取り付けてエンジンを動かすベースのマップを作る場合に、上記換算式はわりと重宝すると思ったり。どうかなー。
Posted at 2015/12/09 00:01:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | VEシルビア ECU編 | 日記
2015年11月15日 イイね!

「K定数」-ROMチューン

「K定数」-ROMチューンさあ!!なんかよくわからないお家騒動的なアレコレに巻き込まれてめんどくさい!!!www


どうも、マッドメカニックトライズです!





ROMチューンシリーズの続き行きます。
いよいよK定数です。
超長いです。覚悟して!!






K定数
英語で書くと K constant value だとか。

Kがなんのことなのかよくわかんないですが、おそらく数学の比例定数を表す記号がKなので比例するよー的な意味なのではないかと。

まあ、KだろうがXだろうがなんでもいいんですがね。
日産の新型車解説書では、K定数はK定数と定義されているので抗うことなくそのまま覚えることにしますよっと。







さて。K定数とは何なのかについて語りたいと思います!


前々回  「TP」

前回 「VQ」

でTPとVQについて紹介しました。

TPというのがいわゆるエンジン負荷 及び 燃料噴射時間のことで、
VQというのがいわゆる吸入空気量です。






エンジンを動かす時に必要な燃料をどのくらい噴射するかは、様々なセンサーと演算値に基づいて決定されます。

その時の吸入空気量が多ければ、より多くの燃料が必要だと判断しますし、
上り坂など負荷が大きければ、やはりより多くの燃料が必要だと判断するわけです。

以前の日記でも取り上げましたが、日産のECUが燃料の噴射量を決定するための式は次のとおりです。


TP = (VQafv / RPM) * Kconst


TP = 標準インジェクタ通電時間
VQafv = 吸入空気量
RPM = エンジン回転数
Kconst = K定数







いきなり丸投げですが、K定数の中身については、ニーモニックさんの日記で詳しく書かれています。
とても勉強になりますのでぜひご一読を↓

ROMチューン備忘録_その1_K定数

後ほど、私も自分なりにK定数の中身を計算したいと思います。







そして、K定数の非常に分かりやすい定義式をもうひとつ紹介します。


Kconst ∝ S / INJ

S = エアフロハウジング面積(もしくはエアフロサイズ)
INJ = インジェクタ容量

∝ ← 比例するの記号


と表すことができます。(Martenさん解説ありがとうございます!!)

つまり、K定数は、エアフロサイズに比例し、インジェクタ容量に反比例するということ。

純正状態のK定数が分かっているとして、エアフロを1.5倍にしたら、K定数も1.5倍に。
インジェクタを10%大きいものにしたら、K定数は /1.1 するということ!





K定数の定義についてはとりあえずここまで分かっていればOKです。

ここから先は暇つぶし用のネタだとでも思ってくださいw




ひとまず、心を和ませるために秋っぽい画像を載せておきます。








さて、改めまして最初の式に戻り、トライズなりのK定数解説をば。


TP = (VQafv / RPM) * Kconst ・・・式1


この式を俯瞰して見ると、左辺は燃料噴射量を表す式で、右辺は吸入空気量の式と考えることができます。





燃料と空気の式といえば、有名なのがA/Fの式。

Mfuel = Mair / AFR ・・・式2

Mfuel[g] = 1サイクルあたりの燃料噴射量
Mair[g] = 1サイクルあたりの吸入空気量
AFR = 空燃比

これですね。


このA/Fの式をとっかかりにして、K定数の中身について考察してみたいと思います。






まず燃料。
1サイクルあたりの燃料噴射量を Mfuel 、組み合わせるインジェクタの毎分吐出量を INJ とし、ECU が扱うインジェクタ通電時間を TP、それぞれの値の単位を合わせるための係数を Kfuel と置くと、

Mfuel = INJ * TP * Kfuel ・・・式3

INJ = インジェクタ容量
Kfuel = 燃料係数

という関係がなりたちます。



ガソリンの密度を ρG として、4気筒分の燃料噴射量をから Kfuel について解くと、

Mfuel[g] = INJ[cc/min] * TP * Kfuel
Mfuel[g] = (INJ / 60)[cc/sec] * (TP / 8000)[sec] *ρG[g/cc] *4

 ※Kfuel = ρG/60/8000*4
      = 0.75/60/8000*4
   Kfuel = 6.25*10^-6

1TP = 0.125[msec] = (1 / 8000)[sec]
INJ[cc/min] = インジェクタ容量
ρG[g/cc] = ガソリンの密度 約0.75[g/cc]


となります。









次に、空気のほう。

燃料と同じく1サイクルあたりの吸入空気量を Mair 、エンジン回転数を RPM 、吸入空気量をECU が扱えるように変換したデータを VQafv 、さらにエアフロの最大計測吸気量を MAF、それぞれの値の単位を合わせるための係数を Kair と置くと、

Mair = VQafv * MAF / RPM * Kair ・・・式4

VQafv = 吸入空気量
MAF = エアフロ最大計測吸気量
RPM = エンジン回転数
Kair = 空気係数

となります。





ちょっと式が長くなるので分割しますがー

吸入空気量 VQafv を重量単位に変換するため、空気の密度をρA とすれば、

 (VQafv /65535 * MAF[L/sec] * ρA) [g/sec]

MAF [L/sec] = 最大計測吸気量
ρA[g/L] = 空気の密度 = 1.16[g/L] (30℃)

途中の65535は VQafvの最大値。 VQafv/65535 が、エアフロ最大容量に対する割合になります。


これで、VQafv の単位を毎秒重量に変換できます。



RPMの項について、4気筒4ストロークエンジンの場合、2回転で1サイクルなので、単一気筒の毎秒あたりのサイクル数は、

 (RPM /60 /2)[cyc/sec]

で表せます。





で、式4にそれぞれの係数を代入して Kair を求めると、

Mair[g] = (VQafv /65535 * MAF[L/sec] * ρA) [g/sec] / (RPM /60 /2)[cyc/sec]

 ※Kair = ρA /65535 *60 *2
      = 1.16 / 65535 *60 *2
  Kair = 2.12 * 10^-3


空気の係数についてはこんな感じです。


ここまでで、1サイクルあたりの燃料と空気を求めることができました。

燃料や空気の密度が一定だと考えれば、燃料係数 Kfuel も、空気係数 Kair も、ただの定数です。
もちろん、空気であれば、吸気温度が違えば密度も違ってくるのですが、それらは別の補正係数があるので、K定数自体には影響がない。。はずです。

なお、実際のECUの標準噴射時間の演算で、それぞれの密度がいくつに設定されているのかまでは調べられませんでした。ので、上記式中の燃料及び空気の密度は、たぶんこのくらいじゃないかという数値を当てはめています。








ここでちょっと、出てきた式をまとめます。

TP = (VQafv / RPM) * Kconst ・・・式1
Mfuel = Mair / AFR ・・・式2
Mfuel = INJ * TP * Kfuel ・・・式3
Mair = VQafv * MAF / RPM * Kair ・・・式4
Kfuel = 6.25*10^-6
Kair = 2.12 * 10^-3





K定数を定義するために、式2に、式3と式4を代入します。

Mfuel = Mair / AFR
INJ * TP * Kfuel = VQafv * MAF / RPM * Kair / 14.7

K定数は理論空燃費を実現するための定数なので、AFR = 14.7となります。


さらに、式1に含まれる項をまとめます。

TP = VQafv / RPM * MAF * Kair / 14.7 / INJ / Kfuel


いよいよ大詰めです。

上式と式1より、

Kconst = MAF * Kair / 14.7 / INJ / Kfuel


ということです!!!

ちょっと並び替えて、


Kconst = (MAF * Kair) / (INJ * Kfuel * 14.7)








てことは結局、

Kconst = (MAF / INJ) * (Kair / (Kfuel * 14.7))
Kconst ∝ MAF / INJ


おお、Martenさんの式までたどり着いた!
ちなみに、MAF(エアフロ最大計測吸気量)と、S(エアフロハウジング面積)は、 MAF= S * V(流速) が成り立つので、比例するという意味ではどちらも同じですねー。


いやー長かった。



ただですねー。ここまでやっといてなんなんですが、結局、上記式のすべての項に値を入れてK定数を計算しても、ROMに書き込まれている値と合わないんですよねー。

その辺は、やはりK定数が1箇所じゃ無いということなのかー、レブリミットで回転数がx12.5になっているように、入力値に他の係数が必要ということなのかー。

若干の不毛さを感じるでありますw



そういえば、制御は若干違うのですが、
日産の新解にはこんな解説があります。




K 多すぎ!!!








次回!ログデータとか広げながら、実値を入れてTPを計算します!!

いやその前にMAFの容量についてをはさむかもしれません!

それではまた!
Posted at 2015/11/15 12:18:18 | コメント(1) | トラックバック(0) | VEシルビア ECU編 | 日記

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「コンロッドの件 http://cvw.jp/b/1963409/47817414/
何シテル?   07/02 18:34
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