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トライズのブログ一覧

2014年09月15日 イイね!

S15純正ブレーキと軽量化

S15純正ブレーキと軽量化夏が終わってしまう!
いやもう終わってる??



どうもトライズです!







S15シルビアのブレーキを何とかしようというこの企画。

前回の日記で、S15の重量配分から導き出した理想制動力配分と、実ブレーキ配分のグラフを紹介しました。


これね↓




もうね、すごく良い感じですよ。
純正最高!




で、上のグラフは、ナビ付きターボATという偏ったグレードでしたが、これがたとえば、

スペックS 5MTの場合だと、、



こう!!




スペックR 6MTだと、



これ!!



こんな感じになるわけですよ。

めっちゃ良い感じやんww
もうほんと、純正このまま変に触るんじゃねぇwwwと声を大にして言いたいww

下手にでかいローターとかでかいキャリパーとか入れちゃうとほんとこの至高の、洗練された、まさに神聖なブレーキバランスを崩すことになっちゃうよ。とww





ちなみに、ABSアレルギーの方のための情報として、S14ターボ(ABS無し)用のキャリパー、マスターシリンダ(Pバルブ付き)をごっそり移植すれば、実ブレーキ配分は、S15ターボと全く同じになります。

(注
S14NAは、Pバルブの設定が異なる。
S14ターボ中期はマスターバックが9インチシングル、後期は7+8タンデムの違いがある。前後配分はマスターバックには左右されないため、どっちを選ぶかは走るステージ次第で。




さてこの設計者あっぱれな素晴らしい純正のブレーキセット。

車両そのものがドノーマルフル装備の状態ならいいのですが、更なる高みを目指すために車高を下げたり、軽量化しちゃったりすると、ブレーキバランスが合わなくなるんですよね。







そんな状態が次のグラフ。




軽量化後のデータは、どこかの地味な赤いシルビアのもので、ちょっとダッシュボードが付いてないくらいの軽量化が施されています。

あ、貧乏グレードなんでエアコンとかは付いてないです。あと、ABSも気がついたら撤去されていました。


軸重は、フロント580kg リア510kgで、車重1090kgくらい。
1名乗車分を加算して、フロント610kg リア540kgで計算しました。
重心高は、ローダウンはほぼしていないので変わらないということで。



実ブレーキ配分のグラフは、S14ターボ(ABS無し)のデータを元にしています。
ABS付きモデルであれば、S15ターボの純正セットと同じ。
フロントがローター280mmの4pot
リアは258mmの片押しシングル。
Pバルブ特性は、スプリット40kgのレデューシング0.4です。





見てのとおり、だいぶ理想配分と離れてしまいました。
軽量化した分、ブレーキング時の荷重移動量も減り、あと、軸重比も微妙にリア寄りになったため、このままのブレーキセットでは、リアタイヤのグリップを持て余してしまいます。




どのくらい持て余しているかというと、仮にμ係数=1.0の路面で、フロントタイヤを目いっぱい使って制動をかけた時の、制動Gは、

こうなります。



このグラフの実ブレーキ配分線は、車体の軽量化を考慮して再計算されています。
ブレーキセットが純正と同じなら、制動力は変わらないので、グラフの傾きと、折れ点は同じなのですが、車体が軽くなった分減速Gが大きくなります。


追加された緑色のラインは、フロントタイヤロック限界線。
このラインを超えるとフロントタイヤがロックしてしまい、リアタイヤのグリップに余裕があっても、それ以上の制動は出来なくなります。

Fロック限界線と実ブレーキ配分との交点が、実ブレーキ配分での最大制動力発生点。
グラフ読みで約0.95G。


理想的なブレーキバランスであれば、路面ミューが1.0であれば、4輪とものグリップ力をフルで使って1.0Gの減速が可能なはずですが、

今のままのセットでは、どんなに繊細に慎重にブレーキングをしても、いろんな技をつかっていかに車をまっすぐ止めようとしても、0.95Gまでの減速しか出来ないわけです!!!





はぁ・・はぁ・・・・


息切れしてきたので、つづく!
Posted at 2014/09/17 20:47:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年09月08日 イイね!

S15理想制動力配分

S15理想制動力配分あーうー足やりたいよー。セット変えたいよー


どうもトライズです。

そのうちサスセッティング編とかもやりたいっす。





ずいぶん長く引っ張ってきましたが、ようやくS15シルビアのブレーキバランスの話へ。


まず、ブレーキバランスの目標となる、理想制動力配分を算出します。



車両データは次のとおり、

S15シルビア(SpecR 4ATナビパッケージ)
車重:1280kg
前軸重:720kg
後軸重:560kg
ホイールベース:2525mm

SpecRの4ATナビパッケージは、純正諸元の中で、荷重配分が最もフロント寄りなグレード。
ブレーキバランスを考慮するには一番シビアな条件ということですね。

重心高についてはカタログには載っていないのですが、おそらく500mmあたりではないかと思われます。
ちなみに、カタログに載ってる最大安定傾斜角度から逆算すると、494mmと出ました。

が、まあいろいろと世知辛いしがらみがあるのでとりあえず、
重心高=500mm で。



理想配分をグラフにします。



はいよー。



グラフの各点は0.1G刻み。
右端は1.2Gです。そんなにG出るのかは知らないですけどね。



1G点での理想制動力は、

フロントが973.5kgf
リアが、306.5kgf

計 1280kgf

と。





理想配分の式は次のとおり。

Bf=α(Wfs+α*W*H/L)

Bf=フロント理想制動力
α=加速度(制動G)
Wfs=静止フロント荷重


荷重移動後の軸重からBfを求めると、

Wf=Wfs+ΔW

Bf=α*Wf
=α*(Wfs+ΔW)

Wf=動的フロント荷重
ΔW=前後移動荷重

ΔW=α*W*H/L

W=車重
H=重心高
L=ホイールベース





リアは、
Br=α*Wr=α(Wrs-α*W*H/L)

Br=リア理想制動力
Wrs=静止リア軸重
Wr=動的リア軸重


もしくは、
Br=α*W-Bf

α*W=総制動力




ある加速度の制動Gを発生させた時に発生する前後荷重移動分を考慮して、前後に均等な割合で総制動力を振り分けるということですね。


上記式の1つめのα(加速度)は、本来路面μを当てはめる式なんですが、

Bf=α(Wfs+α*W*H/L)
  ↑これのこと

タイヤのグリップを目いっぱい使い切った時の制動Gは、加速度α=路面μになるので、そのままαにしました。



路面μに対して、加速度の低い領域(路面μ=1.0で、0.5G減速を行う場合など)は、タイヤのグリップ力に余裕があるので、理想値よりフロント寄りまたはリア寄りのセッティングでも指定減速Gを発生させることは可能です。


ただし、その場合のグリップ力の余裕は、前後均等にはなりません。
走行中の車両が様々な状態で安定した制動を行うため、できるかぎり前後グリップ余裕を均等に近づけることを暫定目標としています。


グラフ上の各点は、路面μが0.1~1.2それぞれの状態で、最大制動Gを発生させるためのブレーキ配分と等価です。







理想配分グラフに、実際のブレーキシステムから計算した実配分を重ねると、


こんな感じ。




グラフの各点は、同じく0.1G刻み

各制動Gを発生させるために必要な総制動力を、実際のブレーキ前後比で振り分けています。


S15のPバルブの特性ですが、S15世代以降は新型車解説書に載らなくなったんですよね。

SpecRのマスターシリンダーは、S14と品番共通のため、
スプリットポイント=40kgf/cm2
レデューシングレシオ=0.4
で合っていると思います。

SpecSのPバルブ特性は結局分かりませんでした。
ですが、SpecRとそこまでブレーキセット違わないですし、スプリットとか変更する理由も無いので、同じく40kg、0.4かなと思います。



SpecRのほうがFブレーキは多少なりとも強いので、ブレーキバランスは前寄りになります。
そのため、前後バランスとしては悪い方向に。

とはいえ、極端に悪いバランスではないですね。
0.6G付近以降はかなり理想配分に近いです。




純正上出来ってことですな。





さて、次回は、ボディを軽量化して再計算してみます。

お楽しみに!
Posted at 2014/09/08 13:02:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年09月01日 イイね!

ブレーキバランスチューンの考え方

ブレーキバランスチューンの考え方こんばんは!トライズです!


先日より、当ブログのアクセス数がじわっと増えまして。
うれしい反面、多少のプレッシャーも感じております^^;


田舎の暇なメカニックが変わったことやってんな。くらいで気軽にお楽しみください。








ここしばらく、いろいろ脱線しすぎて、書いている本人も当初の目的を忘れつつあったのですが、


自分のブログを遡ってようやく思い出しました!



そう!S15シルビアのブレーキバランスをチューニングするというのが今プロジェクトの目的!





ここのところ連載しているブレーキ関連日記の第一弾がこれ↓

S15シルビア ブレーキチューン

たまに読み返さないとほんとに目的を忘れますww




そして、理想制動配分曲線という、ブレーキバランスチューンの目標値となるものの解説がこのへん↓

理想制動配分(S13)


一番最後に、pバルブで2回ほど引っ張るとか書いてるけど、2回どころじゃなかったぜ。あははんw





で、改めて、どのようにチューニングを進めていくかなのですが・・





こんなかんじ!




折点(スプリットポイント)以前の傾きは、前後のキャリパー、ローター径の選択によって調整できます。

スプリットポイントと、折点後の傾きは、違った特性のPバルブを選ぶことで変更します。

なお、スプリットポイント以前の傾きを変えると、同時に後半の傾きも変わるので、それも踏まえての計算が必要です。





まずは、S15シルビアを、出来るだけ現状どおり計量化してローダウンしたデータを元に、理想制動配分曲線を描いてみます。



その後、流用可能な純正パーツや社外パーツのデータを片っ端から当てはめてみて煮詰めていくことにします。




次回もお楽しみに!
Posted at 2014/09/04 23:46:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月29日 イイね!

ブレーキバランサーについて

ブレーキバランサーについてどうもトライズです!

トライズというハンドルネームには実は全くもって深い由来とかはありません!!!





Pバルブの動作原理、構造、仕組みについて、大体書きたいことは書きました。


ほんとは油圧回路のあたりまで話を広げて、バランスピストン型減圧弁の圧力オーバーライド特性とかそのへんまで持っていきたかったんですが、同僚のメカニックに完全に白い目で見られたのでやめておきます(笑)




さてタイトルの件。


ブレーキチューニングの最終兵器とも言われるブレーキバランサー。

ゲームの世界だと、いとも簡単に設定を変えられて面白いのですが。




実際のパーツでブレーキバランスを任意に変更するものとしては、おそらくいちばんポピュラーなのがこれでしょう↓



wilwood 調整式Pバルブ



kinokuniさんの商品HP↓
kinokuni 足廻り&ブレーキ廻り関連パーツ

メーカーのHP(英語)↓
wilwood Porportioning Valves & Pressure Valves





そう、ブレーキバランサーの正体は、このごろ流行(?)のPバルブなんです!

※他にもツインマスター仕様のブレーキバランサーとかもあります。




これさえあれば、不満だったブレーキの前後バランスをいい感じに改善することが出来ちゃう!

わけですがー・・・





実はイマイチ詳しいスペックが分からないんですよね・・・

トライズさん、田舎の貧乏チューナーなもので、これまでこうゆう華々しいちうにんぐぱぁつに縁が無かったもので、、、


一応商品説明には、
「ブレーキのきき具合を100%~57%(左回し)まで落とす事で前後調節出来ます。」

と書かれているんですが、



プロポーショニングバルブの、


1.スプリットポイントを変えるのか

2.レデューシングレシオを変えるのか、

3.0kgf/cm2からの油圧を全体的に減圧するのか。



が、はっきりしないんですよね。



スプリットとレデューシングについては数回前の日記をご参照ください↓
Pバルブについて2-特性と動作


3の0kgf/cm2からの全減圧とかは、要はスプリットポイントが0kgfのPバルブと考えられるので、2とほぼ同義ですが・・




前回日記の最後のあたりで、スプリットポイントは、ばねのプリロードによってわりと簡単に変えられるけれど、レデューシングレシオを変えるのは難しいのではないか。

といったことを書きました。




とすると、調整式Pバルブの正体も、もしかしたら1のスプリットポイントのみを変更するものなのかもしれないです。


奇跡的にweb上に揚げられているwilwoodの分解図や、海外のフォーラムなんかを見ていると、どうもそんな感じがするんですよねー。



もちろん、スプリットポイントの変更のみでも、ブレーキバランサーとしては十分役立つはずです。


今のところ、我がVEシルビアのブレーキでは、調整式Pバルブは使わずにセッティングしているんですが、すごく興味のあるパーツなので、そのうち解明してみたいです。






そんな夏の夜でした。
Posted at 2014/09/02 00:16:36 | コメント(4) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月27日 イイね!

Pバルブについて6-圧力計算

Pバルブについて6-圧力計算どうも。

いよいよ着地点が分からなくなってきた独り言ブログ「ダッシュボードなんて(略)」です(笑)

一応あと2回か3回で実用編にいくはずなのでもうしばらくがまんしてくださいw





前回、純正Pバルブの構造を説明しました。

ブレーキバランスをチューニングするにあたって、Pバルブの構造を理解するとかは必ずしも必要ではないと思うんですがね。




不十分な理解ゆえの遠回りとか事故とかは可能な限り避けたいので、割と一生懸命です。





ここまでの解説で、Pバルブの特性を決定する部品はどの部分なのか、だいたいイメージはつかめていると思いますが、改めまして。


スプリットポイントは、
内部スプリングの強さによって決まります。




そして、

レデューシングレシオは、
ピストン(プランジャー)の受圧面積比によって決まります。











Pバルブ前後の油圧を計算するために、もう一度Pバルブの断面モデルを検討します。

前回の断面図が細かすぎて分かりづらいとの指摘があったので、モデルを簡略化して再作図してみたり。






もういっそ最初からこのくらい簡略した図で説明すればよかったと後悔ww







ピストンが油圧を受ける部分の面積は次のとおり。



A-A'断面積が、29.2mm2
B-B'断面積が、73.0mm2

※数値は実測を元に計算していますが、計算を分かりやすくするため、Pバルブの特性データを元に恣意的に丸められています。







ここに、スプリットポイント圧(S14ターボでは40kg/cm2)をかけた時、



ピストンはバルブに接触する位置まで左に移動します。


ばねレートは不明ですが、ID10mm、線径2mmくらいなので、ばね鋼の横弾性係数からざっくり計算してだいたい2~3kgf/mmくらいと予想。
とりあえず、2.5kgで計算します。

組み付けた状態で5mmほどプリロードがかかっており、さらにピストン移動分で2mmほど縮んでいます。






この状態でピストンを右に移動する力と左に移動する力がつりあっているはずなので、

・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.4(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=29.2kgf



・左に移動する力

出力油圧×受圧面積
0.4(kgf/mm2)*73.0(mm2)
=29.2kgf

となります。









入力油圧を60kgf/cm2とすると、



・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.6(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=35.0kgf


・左に移動する力は、反力と拮抗するので、

右に移動する力/受圧面積
35.0(kgf)/73.0(mm2)
=0.48(kgf/mm2)
=48(kgf/cm2)

となります。






入力油圧=60kgf/cm2
出力油圧=48kgf/cm2


より、レデューシングレシオを逆算すると、

スプリットポイント=40(kgf/cm2)

(48-40)/(60-40)
=0.4

レデューシングレシオ=0.4



となります。









えーと。


もうしばらく続きます。








安全面で大丈夫なのかという問題はおいておいて、

もし、
Pバルブを分解して、ばねの部分に2mmのシムを挟んだとしましょう。



こんなかんじ。






すると、スプリングのプリロードが増加するので、スプリットポイント時のばね反力は、

スプリング力=
2.5(kgf/mm)*9(mm)
=22.5kgf


油圧をPとして、式を立てると、
P=入力油圧=出力油圧

入力油圧×受圧面積+スプリング力=出力油圧×受圧面積

P*29.2(mm2)+22.5(kgf)=P*73.0(mm2)
P*(73.0-29.2)=22.5
P=22.5/43.8
P=0.51(kgf/mm2)

スプリットポイント油圧=51kgf/cm2

になります。




グラフにするとこんな感じ。



シム増し(スプリングのプリロードの変更)によって、スプリットポイントを変えられるわけですね。

ただ、シム増しによってレデューシングレシオを変えることはできません。
レデューシングレシオは、ピストン断面積に左右されるので、簡単には変えられないようです。






うー。

今日はここまで!
Posted at 2014/08/31 17:59:22 | コメント(4) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記

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「コンロッドの件 http://cvw.jp/b/1963409/47817414/
何シテル?   07/02 18:34
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