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トライズのブログ一覧

2014年08月29日 イイね!

ブレーキバランサーについて

ブレーキバランサーについてどうもトライズです!

トライズというハンドルネームには実は全くもって深い由来とかはありません!!!





Pバルブの動作原理、構造、仕組みについて、大体書きたいことは書きました。


ほんとは油圧回路のあたりまで話を広げて、バランスピストン型減圧弁の圧力オーバーライド特性とかそのへんまで持っていきたかったんですが、同僚のメカニックに完全に白い目で見られたのでやめておきます(笑)




さてタイトルの件。


ブレーキチューニングの最終兵器とも言われるブレーキバランサー。

ゲームの世界だと、いとも簡単に設定を変えられて面白いのですが。




実際のパーツでブレーキバランスを任意に変更するものとしては、おそらくいちばんポピュラーなのがこれでしょう↓



wilwood 調整式Pバルブ



kinokuniさんの商品HP↓
kinokuni 足廻り&ブレーキ廻り関連パーツ

メーカーのHP(英語)↓
wilwood Porportioning Valves & Pressure Valves





そう、ブレーキバランサーの正体は、このごろ流行(?)のPバルブなんです!

※他にもツインマスター仕様のブレーキバランサーとかもあります。




これさえあれば、不満だったブレーキの前後バランスをいい感じに改善することが出来ちゃう!

わけですがー・・・





実はイマイチ詳しいスペックが分からないんですよね・・・

トライズさん、田舎の貧乏チューナーなもので、これまでこうゆう華々しいちうにんぐぱぁつに縁が無かったもので、、、


一応商品説明には、
「ブレーキのきき具合を100%~57%(左回し)まで落とす事で前後調節出来ます。」

と書かれているんですが、



プロポーショニングバルブの、


1.スプリットポイントを変えるのか

2.レデューシングレシオを変えるのか、

3.0kgf/cm2からの油圧を全体的に減圧するのか。



が、はっきりしないんですよね。



スプリットとレデューシングについては数回前の日記をご参照ください↓
Pバルブについて2-特性と動作


3の0kgf/cm2からの全減圧とかは、要はスプリットポイントが0kgfのPバルブと考えられるので、2とほぼ同義ですが・・




前回日記の最後のあたりで、スプリットポイントは、ばねのプリロードによってわりと簡単に変えられるけれど、レデューシングレシオを変えるのは難しいのではないか。

といったことを書きました。




とすると、調整式Pバルブの正体も、もしかしたら1のスプリットポイントのみを変更するものなのかもしれないです。


奇跡的にweb上に揚げられているwilwoodの分解図や、海外のフォーラムなんかを見ていると、どうもそんな感じがするんですよねー。



もちろん、スプリットポイントの変更のみでも、ブレーキバランサーとしては十分役立つはずです。


今のところ、我がVEシルビアのブレーキでは、調整式Pバルブは使わずにセッティングしているんですが、すごく興味のあるパーツなので、そのうち解明してみたいです。






そんな夏の夜でした。
Posted at 2014/09/02 00:16:36 | コメント(4) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月27日 イイね!

Pバルブについて6-圧力計算

Pバルブについて6-圧力計算どうも。

いよいよ着地点が分からなくなってきた独り言ブログ「ダッシュボードなんて(略)」です(笑)

一応あと2回か3回で実用編にいくはずなのでもうしばらくがまんしてくださいw





前回、純正Pバルブの構造を説明しました。

ブレーキバランスをチューニングするにあたって、Pバルブの構造を理解するとかは必ずしも必要ではないと思うんですがね。




不十分な理解ゆえの遠回りとか事故とかは可能な限り避けたいので、割と一生懸命です。





ここまでの解説で、Pバルブの特性を決定する部品はどの部分なのか、だいたいイメージはつかめていると思いますが、改めまして。


スプリットポイントは、
内部スプリングの強さによって決まります。




そして、

レデューシングレシオは、
ピストン(プランジャー)の受圧面積比によって決まります。











Pバルブ前後の油圧を計算するために、もう一度Pバルブの断面モデルを検討します。

前回の断面図が細かすぎて分かりづらいとの指摘があったので、モデルを簡略化して再作図してみたり。






もういっそ最初からこのくらい簡略した図で説明すればよかったと後悔ww







ピストンが油圧を受ける部分の面積は次のとおり。



A-A'断面積が、29.2mm2
B-B'断面積が、73.0mm2

※数値は実測を元に計算していますが、計算を分かりやすくするため、Pバルブの特性データを元に恣意的に丸められています。







ここに、スプリットポイント圧(S14ターボでは40kg/cm2)をかけた時、



ピストンはバルブに接触する位置まで左に移動します。


ばねレートは不明ですが、ID10mm、線径2mmくらいなので、ばね鋼の横弾性係数からざっくり計算してだいたい2~3kgf/mmくらいと予想。
とりあえず、2.5kgで計算します。

組み付けた状態で5mmほどプリロードがかかっており、さらにピストン移動分で2mmほど縮んでいます。






この状態でピストンを右に移動する力と左に移動する力がつりあっているはずなので、

・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.4(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=29.2kgf



・左に移動する力

出力油圧×受圧面積
0.4(kgf/mm2)*73.0(mm2)
=29.2kgf

となります。









入力油圧を60kgf/cm2とすると、



・右に移動する力

入力油圧×受圧面積+スプリング力

0.6(kgf/mm2)*29.2(mm2)+2.5(kgf/mm)*7(mm)
=35.0kgf


・左に移動する力は、反力と拮抗するので、

右に移動する力/受圧面積
35.0(kgf)/73.0(mm2)
=0.48(kgf/mm2)
=48(kgf/cm2)

となります。






入力油圧=60kgf/cm2
出力油圧=48kgf/cm2


より、レデューシングレシオを逆算すると、

スプリットポイント=40(kgf/cm2)

(48-40)/(60-40)
=0.4

レデューシングレシオ=0.4



となります。









えーと。


もうしばらく続きます。








安全面で大丈夫なのかという問題はおいておいて、

もし、
Pバルブを分解して、ばねの部分に2mmのシムを挟んだとしましょう。



こんなかんじ。






すると、スプリングのプリロードが増加するので、スプリットポイント時のばね反力は、

スプリング力=
2.5(kgf/mm)*9(mm)
=22.5kgf


油圧をPとして、式を立てると、
P=入力油圧=出力油圧

入力油圧×受圧面積+スプリング力=出力油圧×受圧面積

P*29.2(mm2)+22.5(kgf)=P*73.0(mm2)
P*(73.0-29.2)=22.5
P=22.5/43.8
P=0.51(kgf/mm2)

スプリットポイント油圧=51kgf/cm2

になります。




グラフにするとこんな感じ。



シム増し(スプリングのプリロードの変更)によって、スプリットポイントを変えられるわけですね。

ただ、シム増しによってレデューシングレシオを変えることはできません。
レデューシングレシオは、ピストン断面積に左右されるので、簡単には変えられないようです。






うー。

今日はここまで!
Posted at 2014/08/31 17:59:22 | コメント(4) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月25日 イイね!

Pバルブについて5-構造

Pバルブについて5-構造今年の夏は雨がひどいですねぇ、、

どうも!トライズです!






Pバルブの中身がどのように動作しているのか解説したいと思います。


こちらがPバルブの断面図。





Pバルブの作動グラフ



マスターシリンダ側が入力圧
リアキャリパ側が出力圧



Pバルブは、油圧制御弁の一つですが、その動作は不思議な感じがしませんか?

1ウェイバルブ(チェックバルブ)とかリリーフバルブとかなら、入力圧が一定以上になると油圧がスプリングの力に勝って弁が開く仕組み。油圧はその圧力以上あがらなくなります。

オリフィスなど流量を調整する絞り弁であれば、圧力変化の過渡期は入力側と出力側の圧力が違いますが、一定圧で保持していれば、入出力の油圧は同じになります。


ブレーキ用のPバルブの場合は、一定圧以上で弁が開きリア側の油圧が入力側よりも低くなります。そこまでは、リリーフバルブの動作と同じですが、一定圧(スプリットポイント圧)以降のリア油圧は、フロント側より低いものの比例して変化します。

ただし、オリフィスとは違いペダルを保持(入力油圧が一定)なら、時間経過によってリア油圧が変化することはありません。


不思議な感じがしませんか?







解説です。

細かい図なのので拡大して見てください。






■加圧(スプリットポイント前)



真ん中に入っているピストンは、左右に2mm程度移動可能で、油圧がかかっていない状態では、スプリングの力によって右側に押されています。
そのため、ピストンとバルブ間の流路は開いており、フルードは自由に移動できます。

また、ピストンの両端は、入力側及び出力側の油圧を受ける構造になっています。





ブレーキの初期に、入力側から押し込まれるフルードは、ピストン中央に開いた細い流路を通って出力側に流れ出します。

出力側流れ込んだフルードは、ピストンの裏側(右端面)に回り込み、ピストンを左方向に押します。




もちろん、入力側の油圧によってピストンは左側からも押されていて、油圧が低いうちは、


入力油圧*入力側面積+スプリング力が、

出力油圧*出力側面積

よりも大きいため、

ピストンは右方向に押されたまま動きません。






油圧が高くなってくると、ピストンを左右方向に押す力が、スプリングの力より大きくなってきます。


ピストンが油圧を受ける受圧面積は、入力側よりも出力側のほうが大きいため、
油圧が高くなるとピストンを左に押す力が増え、徐々に左に移動します。







■スプリットポイント油圧付近



ピストンは初期位置よりも左に移動し、スプリットポイント油圧付近で左側先端がバルブと接触し、流路を遮断します。






■加圧(スプリットポイント後)



スプリットポイントからさらに加圧すると、入力側だけ油圧が高くなり、ピストンはほんの少し右に移動し、バルブから先端が離れます。

すると、ピストン中央の流路が開き、出力側にフルードが流れ、出力側の油圧が上昇します。

しかし、出力側の油圧上昇に伴い、ピストンが左に押される力も増えるために、出力油圧が入力側油圧に達する前に再び流路は遮断されます。







■保持



ペダルを一定で保持し、入力圧が変わらない時は、Pバルブ内の流路は遮断されています。

このときの油圧は、入出力で異なった圧力を維持し、その圧力はピストンの受圧面積の比によって決まります。


保持された状態の油圧は、

入力油圧*入力側面積+スプリング力

出力油圧*出力側面積

で安定します。





■減圧(ペダルリリース)



ペダルを離し、入力側の油圧が下がると、リア側の圧力がピストン内部の流路を通してバルブを押し、流路を開きます。








Pバルブの正体を文字で表すとすれば、

フィードバック機能付きの1ウェイバルブ。
とか、そんな感じだと思うんですよね。

しかも、ブレーキをリリース(入力側油圧が低下)するとちゃんとリアの油圧も下がるわけですから、

逆流弁を追加したフィードバック機能付き1ウェイバルブ。
みたいなものですかねぇ。


だいたいこんな説明で、Pバルブの中身について分かっていただけたでしょうか?(^^;)
Posted at 2014/08/26 22:35:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月22日 イイね!

Pバルブについて4-断面図

Pバルブについて4-断面図そういえば、このブログも立ち上げから1年が経ちました。
時が経つのは早いものです。

トライズです!
需要そっちのけな独り言ブログですが、まだまだがんばります!






Pバルブ分解の続きいきます。



ABS無し用マスターシリンダのPバルブ(TOKICO製)。



これの、






中身を、









図解!



たぶん初公開S14Pバルブの断面図。







注釈入れてみた。








左側がマスターシリンダ、右がリア配管のつながるところ。


ど真ん中の妙な形をした部品がPバルブのピストン(プランジャー)。
ピストンの真ん中に、直径1mm位の穴が貫通しています。




反対側から









左側の細いスプリングで押されているのが流路を遮断する弁です。




スプリング入ってます。



これ以上は分解するのが怖かったので、放置。





左のほうの赤斜線の部品は、



これなんですが、これ自体が何の働きをしているのかはイマイチ分からず。

裏面



なにかのトラブルの時にリアのブレーキを遮断するモノのようにも見えますが、イマイチ確証も無く。





蓋とか。





裏側







ピストン。
Oリング外したところ。







スプリング








動作解説は次回!
Posted at 2014/08/22 21:11:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記
2014年08月20日 イイね!

Pバルブについて3-分解

Pバルブについて3-分解「ダッシュボードなんて」でググると、このブログにたどり着けるようですよ!

というか既に自分でも過去の日記を検索するのに、「ダッシュボードなんて+"検索語句"」を多用していたりw


どうも、マッドなメカニックです。




いつも文字やら数式やらばかりの日記でお疲れかと思いますので、今日は写真多めで行きますよ!


やっぱたまには心癒される精密部品の写真でも眺めながらリラックスするのも良いと思うんですよねー。






Pバルブの構造について。

Pバルブの動作自体は大体どれも同じなのですが、内部構造はメーカーによってかなり種類があるようです。
基本は、マスターシリンダーからの油圧を入力、リア配管側を出力とした1入力1出力のものですが、フロント側の油圧を引っ張ってきて、2入力1(2)出力のものもあります。



日産のシルビア系のPバルブは大きく分けて2種類。
いずれもマスターシリンダーにくっついていて、

ABS付き車用のこんなやつと、






ABS無し車用のこれ、





この2種類。


内部構造は若干違いますし、どちらもマスターシリンダ一体(非分解)ですが、

普通に分解可能です(笑)




ABS付き用のPバルブは、S15用S14用、R32用R33用等で互換性があります。
ただし、メーカー違い(TOKICO、NABCO)間での流用は出来ないと思われます。

ABS無し用も同じく。似たようなマスターシリンダを使っている車種間で流用可です。




さて改めてまして、内部構造をば。


早速分解します。



モノはS14シルビアの、ABS無し車用マスターシリンダにくっついてるPバルブ(と同等のモノ)




はははん









へいへーい










この手のPバルブは、完全に1入力1出力のようです。







中のこれ、



これが、約2mm程度前後に動きます。



スプリングの部分はフルードには漬からない構造のよう。





続く。
Posted at 2014/08/21 23:21:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | 駆動ブレーキ足回り | 日記

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「コンロッドの件 http://cvw.jp/b/1963409/47817414/
何シテル?   07/02 18:34
機械と数式と工作をこよなく愛するマッドメカニック。 「できないんじゃない、作るんだ!」をモットーに、自動車改造の限界に挑戦中。 NeoVVL...
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