2018年06月24日
セレナNISMOの6ヶ月点検の待ち時間に、セレナe-POWERを試乗させてもらいました。
ノート e-POWERの試乗したことと、ノート e-POWER NISMO の助手席に乗ったことがありますが、セレナ e-POWERの乗り心地はノートのそれらと同等以上の驚きと快感がありました。
◆加速
セレナの2トンを超える車重を感じさせないリニアでダイレクトな加速感に加えて、電気自動車特有の加速Gを感じられます。新型リーフに搭載と同じモーターを載せているそうですが、セレナでこの加速感ならリーフだとどうなってるんだ!??
リーフNISMOが出るそうなので、どうなっちゃうんだ??
◆減速(回生ブレーキ)
通常モードではガソリン車と変わらない減速度合いですが、SモードとECOモードでは、発電のためにかなり強い減速度合いです。まるでフットブレーキを踏んだくらいの減速感でした。
「ワンペダルドライブ」と考えたら、こういうものなのかもしれませんね。
◆走行中の音
静かです。タイヤのロードノイズだけしか聞こえません。発電時のエンジン音もガソリン車のエンジン音より静かです。アクセル開度に関係なく一定の回転数で回るので、家用のエアコンの室外機がブーンと回っているような感じでした。
◆セレナ e-POWER独自のモード
・サイレントモード
発電用のエンジンを作動させないモードです。よほど電池残量が少なくならない限り、エンジンは動きません。深夜の住宅街での利用を想定しているそうです。
・発電モード
発電用のエンジンを強制で作動させるモードです。電池残量が90%になるまでエンジンが発電を続けます。
90%で止めているのは、搭載しているリチウムイオンバッテリーの劣化を抑制するためだと思います。リチウムイオンバッテリーは、実は満充電の状態を維持することは電池の性能を劣化させやすい特性があります。最近はノートパソコンなどでも、ACアダプターを挿しっぱなしにしていても、80〜90%で充電を止めるモードが付いています。イメージとしては、風船を常にパンパンに膨らませておくと風船のゴムが延び切ってしまうけど、少しパンパンの手前でキープしていれば風船のゴムの延びが抑制されるといったカンジです。
◆ボディ剛性
ガソリンセレナと同等です。ミニバンなりにたわみます。
◆ハンドリング
ガソリンセレナと同等です。
◆シートアレンジ
搭載電池とインバーターの兼ね合いで、2列目が2人しか乗れません。セレナ特有のシートアレンジで、2列目をくっつけてベンチシートにすることは可能ですが、定員は7名です。その他のシートアレンジはガソリンセレナと同等に多彩なアレンジができます。
◆燃費
実走行の事例として、高速道路で18km/L、街乗りで20km/Lといったところだそうです。街乗りの方が減速シーンも多く、回生ブレーキによる発電が高速道路よりも多いため、このような実例になるようです。
数値だけみると、他社のハイブリッド車と同等程度でしょうか?
◆ターゲット層
ミニバンを価格有りきで考える人には、魅力がありません。
e-POWERの走行性能、e-POWERを所有する優越感、車内を静かに過ごしたい。クルマにこだわりを持ちたい。こういった方にはかなりオススメです。
既に諸誌で述べられています通り、e-POWERの価格差をガソリン代でペイすることは現実的に無理です。
◆売れ行きや市場の反応(ディーラーさんのコメント)
以前は来店するお客さんの中で、日産以外のミニバンで来店する人はほとんどいなかったけど、e-POWERの試乗車が販売店に雪わたった辺りから、他社のミニバンユーザーの来店がかなり増えて、e-POWERを購入される方も多いそうです。
確かに、私が街などを走行していても、セレナNISMOよりもセレナe-POWERを見かけることの方が多いです。
◆まとめ
購入時の初期投資こそ高くなりますが、その後のランニングコストとしては、ガソリンセレナの2倍近くは走るので、毎月のガソリン代は削減できます。
ミニバンで電気自動車に乗りたい人にはオススメです。
加速感を楽しみたいなら、セレナNISMOをオススメします。e-POWERよりも安いですし。また、足回りの安定性や加速感、ハンドリングなどの走る喜びは、セレナNISMOの圧勝です。
私自身がセレナNISMOオーナーということもあるので、かなりの贔屓目はあります。
ミニバンだけど、高級セダン並みの静寂制はe-POWERも満足できます。
すなわち、家族構成や利用シーンを想定し、ミニバンに何を求めるかによって、e-POWERなのかNISMOなのか、といった選択になるのかと思います。価格ありきの場合は、e-POWERもNISMOも土俵に上がれません。ガソリンセレナのハイウェイスターももちろん良いクルマですから、他社も含めた「好み」になろうかと思います。
まぁ、カタログや雑誌、ネットなどの情報を読み漁るのも必要ですが、百聞は一見にしかず、臆することなく試乗してみることはオススメです。
Posted at 2018/06/25 00:01:26 | |
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