これは2017年1月16日から19日までの間、真冬の北海道をドライブしたお話です。ほどほどの寒さと雪と曇り空、久々の独り旅を適度に満喫できた旅の記憶になります。
1月17日(火曜) 道北激走編
当日の走行ルートはコチラ(巻末の地図が別タブで開きます)
スマホのアラームで起きたのは
4:30。
そう、今回は独り旅。以前のように早朝出発だって可能なのです。
寝ぼけ眼で温泉へ。露天風呂に入れば、冷えた・・・凍てついた外気で一気に目が覚めます!
部屋に戻ると昨日買っておいた朝食を摂りながら、気象状況をチェックです。

ふむふむ。
気温はプラスには到達しないぞっと。
天気予報は晴れる場所もあるようですが、北に行けば行くほど曇る模様。まぁ、行き先を今更変えられませんし、
曇っていようが、北海道を楽しむことにはかわりありませんからね!
気温はマイナスですが、気分はプラス思考で出発の準備をしました。
5:20宿泊していた宿をチェックアウト。

一晩お世話になった
ドーミーイン旭川さん。
駐車場は満車となってました。平日でも利用客が多いのですね。そしてフィットくんのフロントガラスは凍ってました。エンジン始動で
車の外気温計では-5度。晴れて放射冷却現象が起こっていたみたいなので、実際はもう少し冷えていると思います。
暖機しながらフロントガラスの氷をガリガリ削り、視界が確保されたら駐車場から動き出しました。
17年冬 北海道ドライブ2日目スタートです!!
今日は最北端の街、稚内で泊まります。その稚内に向かうルートは、旭川に隣接する
幌加内町経由で日本海側に出て、
真冬のオロロンラインを攻め上がるルートを考えました。
前半は2つの峠が待っていますし、後半はストレートエンドが地平線の真っ直ぐな道があります。どんなドライブになるのかわくわくしながら出発しました。
宿泊した宿から
R40を北へ。早朝の旭川市街を滑走します。明け方前の市街地は、至ることろで除雪作業が行われていました。
幌加内町に向かいたいので国道から外れて、陸上自衛隊の旭川駐屯地横を通過、その後は
道道72に進路を取ります。
旭川市から
鷹栖町に入ったところでコンビニにピットイン。

ホットコーヒーをいただきます。
出発から30分もたっていません。なのに何故コンビニに寄るのかといいますと、
この先、幌加内町にはコンビニが一件も無いからなのです!(驚)
携行食と水分の購入も忘れませんよ。
コンビニから出たら
幌加内町に向かって進みます。ある程度進みますと
江丹別峠に突入です!ハイビームしながら、圧雪路面を駆け抜けました!!
フロントタイヤの限界を見極めながら、攻め上がります(嘘)
外気温は-13度くらいなので、普通に走行することが出来ますよ。もちろん速度が早いと、簡単にグリップが失われて滑り出します(FFベースのフィット君はフロントが先にブレイクします)しかし、つるつる路面ではないので滑り出しが判別しやすいので楽しく運転できますね。
実際は安全運転で激走してますが、イメージではケツ振って雪上ドリフトしながら走ってる感じでした(笑)
江丹別峠を抜けると
幌加内町に入ります。道道72の終点で
R275にスイッチ。そこから北上をはじめました。
夜明けも近いこともあったので、除雪されてる農道(生活道路)に分け入り、少し景色を眺めてみました。
明けの雪原。見渡す限り何もなし・・・。
交通量は皆無。近くの国道を走る車もほとんどいないので、雪に寄って消音された世界は、
ものすごく静かな朝を教えてくれました。
ちなみに幌加内町市街から車で3、4分のところだったりします(苦笑)
国道に復帰したら
幌加内町市街を通過です。
路肩の雪山が凄い事になってました!!
人の背丈の1.5倍以上ありそうです。除雪によってできた雪壁とでも言いましょうか。幌加内町の積雪量は多いと事前情報で知ってましたが、ちょっと想像以上です。
これだと歩行者がいても直前まで気づきませんよね(苦笑)
コンビニのない街、蕎麦の生産量日本一の幌加内。その市街地を抜けると、再び雪原の中のドライブとなりました。
北上を続けます。
やがて添牛内の集落(?)で
R239との分岐点に着きました。時間があるので
朱鞠内湖に行ってみることにしますか!そのまま添牛内から先も
R275を走り続けます。

圧雪アイスバーンの国道は、交通量が皆無なので快適です。
ほどなく
朱鞠内(しゅまりない)の街です。国道からソレて朱鞠内湖のキャンプ場方面に進み、途中から
雨竜第一ダムに向かう道を登ると、
全面結氷した朱鞠内湖が姿を表しました。
正直なところ、ココが湖だよって説明しないとただの雪原にしかみえません。朱鞠内湖は日本最大の人造湖、真冬は豪雪と極寒で北海道内でも有名な場所なのです。
実際にフィット君の外気温計は-23度を表示してました。
一年ぶりの-20度以下の世界♪
今回はマスクをしているので、極寒の空気でむせることはありません。それでも強烈な寒さは体の熱を奪っていきます。
カメラを片手に雨竜第一ダム入り口付近でうろうろ。
手がかじかんで感覚がなくなり始めた時、朱鞠内湖の奥より太陽が顔を出したのでした。
朱鞠内湖から拝む日の出。真っ白な湖面と一気に明るくなる空。
冷たすぎる空気と静寂に包まれながら眺める景色は、絶景と呼ぶにふさわしいものでした。
あぁ。なぜ自然はこんなにも美しく、そして厳しいのか。
独り、少しだけ物思いに更けましたとさ。
でも、激寒なので撤収です(爆)
フィット君に戻ったら暖房全開で手の感覚を取り戻します。ここに来て良かったですよ。車内でニンマリ満足気分。
極寒の朱鞠内湖を後にしたら、先程通過してきた添牛内の分岐まで戻り、
R239を西へ。
日本海側に向かって進みました。
分岐から少し走れば、そこは
霧立峠に向かう山道となります。霧立峠は過去の北海道ドライブでも走行していますが、
40km前後にもなる高速ワインディングが楽しめる道内屈指のロングドライブスポットなのです。
冬の霧立峠は初体験なので、ワクワクしながらドライブを楽しみます。
中高速のカーブが続く霧立峠のワインディング。
夏場でも交通量は少なく、マイペースで快適に激走出来る路です。さすがに乾燥路の時の様な速度では走れませんが、アクセルのオンオフ・エンジンブレーキを駆使しなるべくブレーキを踏まずにテンポよく駆け抜けました。
前走車に追いつくこと無く霧立峠を走り終えると、山間部から景色は開け
R232にぶつかります。ここで右折したら
稚内に向かって北上開始です。
R232は通称"オロロンライン"と呼ばれる、北海道の日本海側を縦走する国道・道道です。春から秋にかけて、観光シーズン中では多くのレンタカー・マイカー・観光バス・ライダー・チャリダーが走り抜ける絶景ドライブルートになります。
では厳冬期はどうなっているのかな?確認をしなくちゃ北海道依存症とは言えませんよね。
なので今回の北海道ドライブでは稚内・最北端を目的地にしたのです。
真冬のオロロンラインを駆ける♪
天気が荒れることでも有名な北海道の日本海側。今日はそれほどでもなく、空には雲がかかってきてしまいましたが冬のオロロンラインは快適にドライブ出来てます。
苫前町→羽幌町と進み、道の駅で休憩をしながら更に北へ。

まるで高速道路の様に車はスイスイ進みます。
緩やかなカーブと直線が多く、また観光シーズンではないので車の数も少なめでして、どれだけ走っても快調そのものでした。
夏場と違って残念なところがあるとすれば、景色が銀世界オンリーなことと路肩に雪があったりするので撮影の為に車を一時停止出来ないことですかね。この日も天売島・焼尻島がクッキリ見えていまいしたが、肝心な撮影ポイント(車を停められるところ)が見つけられませんでした。
遠別町からオロロンラインは内陸側に進んでしまうので、海沿いをドライブ出来る農道へと向かってみますが、
当然のごとく通行止め(苦笑)

あの風車のあたりまで行きたかった・・・
国道や主要幹線道路は当然としても、地方に行けば行くほど除雪する道路が限られてくる見たいです。
除雪作業にもお金はかかってますし、仕方ありませんね。
オロロンラインに復帰して北上再開です。
天塩町の道の駅でピットイン。
道の駅 てしお。駐車場の白線は完全に見えないので、適当駐車です(笑)
今までの北海道ドライブで一番車中泊でお世話になっている道の駅。なんだかいろいろ懐かしくなっちゃいます。
懐かしさを振り払ったら、
いよいよオロロンラインのハイライト区間に入りますよ!
天塩市街でR232から
道道106へ進路を取れば、有名な風車群
"オトンルイ風車発電所"が見えてきます。
まずは横一列に並ぶ風車を撮ろう・・・しかし、夏場のように気楽に車を止められない。あまり路肩に寄せすぎると脱輪してしまします。
なんとか風車のふもとまで行けたので、撮影開始。
フィット君と風車。みんカラっぽい写真を一応撮っておきます(笑)
ふもとから見上げる風車は
デカイ!それが
28基並んでいるのですから、存在感はとてつもないですよね。
オトンルイ風力発電所。
冬の風車群を見られて満足です。
先へ。
風車群を後に
オロロンラインの稚内側最終区間へ。まずは運良く除雪されていた農道に入って、
雪原越しの利尻富士を眺めました。

山頂付近には雲が。しかし、その雄大さは十分に伝わってきますよね。
雪原と利尻富士の境に見えるのがオロロンラインの道路脇ガードです。
そして、ここから更に北に進めば、この道路脇のガードもなくなり、反射ポールしかない真っ直ぐな道路がやってきます!
直線。
ただソレだけの道。ストレートエンドが地平線につながって見えます。
それにしても車を止めて、改めて見ると
道路と雪原の区別がほとんど分かりませんよね(汗)赤白の反射ポールが無ければただの平原・・・

車が走る部分だけが
氷結路になってます。
激走ですよ♪
直線区間が終わると
丘陵地帯に入ります。途中に
夕来と言う利尻島と北海道の距離が一番近い場所があるので、足を止めて。
日本海越しの利尻島(左の山)と礼文島(右の丘に見える島)。
利尻富士には雲がかかったまま。ぜひとも快晴の空で見てみたい景色でした。
夕来で振り返る路は、
直線区間とはまた違った恐怖が感じられます。

赤白ポールと時々あるワイヤーで出来たガードレールのみ。それ以外は
白丘地帯。
車が走る部分も白くなってますが、
完全にスケートリンクの様になってます。まともに立っていられないくらいに滑ります(苦笑)
スタッドレスタイヤは偉大だ。
夕来から出発すれば
稚内まではすぐです。その前に寄り道へ。
稚内市抜海の
抜海駅に久々に向かってみました。最北の無人駅、最北の木造駅舎としても有名?なんだとか。

相変わらずな郷愁感全開な駅舎。
昔ながらの木製引き戸、外から見える梁は歪み、屋根から垂れる氷柱・・・鉄ちゃんじゃなくても一見の価値はあるかもですね。
抜海駅で癒されたあとは北上ラストです。オロロンラインの最後には
野寒布岬(ノシャップ岬)があります。一応寄ってみましたが、天気がよくなるわけもなく利尻富士も相変わらず雲の中だったので、すぐに離れました。
その後は
稚内市街へ。宿のチェックインまでにはまだ時間があるので、
最北端の地へ向かってみることに!!
稚内市街の裏道でショートカットして
R238に出たら、ふたたび北に向かって走り出します。
・・・
快調に進み、
13時過ぎに日本最北端に到着。
厳冬の最北端。宗谷岬!
んん!?
水平線上に陸地が見えますよ・・・
樺太・サハリンだ!!!!
おおおおお!!!
これだけクッキリ見えたのは初めてですよ。
肉眼でも島(陸?)が見えます。直線距離で
43km離れているそうですが、気象状況しだいではこんなにもハッキリ見えるのですね。
稚内市街で時間潰ししなくて正解でした。
最後にフィット君も入れて。
冬の宗谷岬はさすがに観光客が少ない(ほぼ皆無)ので、目の前に止めちゃってます。
ここでも
満足満足です。
宗谷岬から
稚内市街へ引き返しました。
チェックインの時間調整も兼ねまして、市街手前にある
稚内空港を少しだけ見学します。

国内最北の空港?駐車場は無料です。
空港内は至ってシンプルでした。なぜなら、全日空のカウンターしかなかったのです。

運航している航空会社が全日空だけ、のようですね。
1階が全日空のカウンターで2階には全日空系列の売店が1店とレストランのみ。とてもスッキリした空港でございました。
中部国際空港(セントレア)ー稚内空港間で就航してくれないかなぁ。密かに願ってます。
稚内空港の見学を終えたら
稚内市街に向かいまして、15時より少し前に予約しておいた宿にチェックイン。本日終了としました。

看板が写ってませんが、
天北の湯 ドーミーイン稚内さんです。
今夜もドーミーインにお世話になります(笑)稚内のドーミーインは初体験ですが、用意されたお部屋はいつも通りでございました。

ベーシックなダブルベッドルーム。
ですが、この部屋には
マッサージチェアが完備されてましたよ♪

ロングドライブで凝り固まった体に効きそうです。
でも、まずは温泉へGO!当日の一番風呂をいただきましてサッパリ。湯上り後、改めてお部屋のマッサージチェアで寛ぎましたとさ。
部屋の窓からはドーミーインより北側の街が見えてます。
奥の宗谷湾にはサハリン(樺太)が見えてました。
うーん。思ったほど景色は期待できないですね。町並みや海(宗谷湾や港)を見晴らしたいのなら
ANAクラウンプラザホテルの方が良いかもしれません。階層次第ですけどね。
マッサージチェアに全身を預けながら、今夜の食事処を検索します。
・・・思った以上にお店が少ない?
16時過ぎ稚内市街へと散歩と夕食を兼ねてくり出しました。ドーミーインがある場所は稚内(稚内駅)の飲み屋街のようです。
稚内の飲み屋街。意外と閑散そしていますね。
稚内駅ではなく、南稚内駅の周辺の方が繁華街なのかもしれません。
目ぼしいお店の位置や営業時間を確認したら、お散歩です。
防波堤ドームを見に行きました。
歩いて数分で到着。
北海道遺産の防波堤ドーム。
写真でご覧いただくより現物はかなり大きい建造物です。高さは14mで長さが427m。
この時は外国人カップルがドーム前で延々と写真を撮り合ってました(苦笑)あちらの映画で登場しているのかもしれません。

ドームの内部。
柱と天井のアーチが美しいですね。
夏は多くのライダー・チャリダーのテントが並ぶことでも有名だったのですが、
どうやら今は野営禁止になってしまったようです。そんな張り紙がありました。
防波堤ドームの後は
稚内駅へいったり、宿周辺をひたすらウロウロ。
結局今日も5kmちかく歩きまわってしまいました(苦笑)
空腹のピークが来た17時、晩御飯を食べに最初の飲み屋街へ。しかし行ってみようと思っていた居酒屋さんはまだ開店しておらず・・・営業時間が17時からなのに(T_T)
他の居酒屋さんは営業しているようなので、別のお店に行ってみる事にします。暖簾をくぐったのはこのお店。
居酒屋 いつみさん。
ガラガラと引き戸を開けるとカウンターに小上がり、
町の居酒屋さんって感じのお店でした。

夫婦二人で営まれている、こぢんまりとした居酒屋さん。
手書きのホワイトボードなんかはいい味出してますよね。本のメニューと手書きの壁メニューとにらめっこしながら適当に注文です。
お通しのおでんと生でカンパ~イ♪
外は氷点下で寒いけれど、温かい店内では冷えたビールがウマイです。

しめ鯖のサンマ版。かなり
美味しい!!
ホッケ。たまらんです(*´ェ`*)

ぶりカマ。
脂ののり具合がたまりません。
ぶりカマの脂でお腹がかなり満たされてしまいまして、満足してしまいました。
ごちそうさまです。独りでしっぽり楽しめましたよ。町の居酒屋さんもたまには良いものです。
お店を出る時、奥さんが店の外に出て見送ってくださいました。暖かいですね。
・・・
稚内駅隣接のセイコマに買い出しに歩いたら、宿に戻りました。
2度目のお風呂で温まり、マッサージチェアに座ったら
2日目の独り宴会スタート♪
今夜もサッポロクラシックで、2度目のかんぱい(^ω^)
峠越えから始まり、極低温と日の出、そしてオロロンラインに樺太・サハリンの目視などなど、今日はいろいろ体感できてとても
満足のいく1日でした。
そんな満足感にひたりながら飲むビールもまたウマシ。
さて、今回の北海道ドライブも
今日で折り返しです。過去のドライブでは考えられないくらいに時間が過ぎていくのが早く感じますね。
明日はオホーツク海を南東へ。行けるトコまで行きますか。あとは天気次第で決めよう、そう決めたら布団に潜り込むのでした。
本日の走行ルートと稚内散歩マップ。

詳細なルート。
3日目につづく。