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2015年10月06日 イイね!

VW社の今後

 日経ビジネスオンラインより

以下コピペ

VW不正の莫大なコスト~リコール、訴訟、販売の減退

1100万台。欧州最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)が、世界各国の排ガス規制をかいくぐるために、不正なソフトウエアを搭載していた車の台数である。ドイツの政界、産業界、そして市民たちは、ドイツ経済のシンボルともいうべき巨大企業が行った「犯罪」に強い衝撃を受けている。

不正によって大気汚染を野放し
 しかもそれは、設計ミスなどの過失ではない。現段階では、誰が不正ソフトを組み込んだのかはわかっていない。しかし一部の技術者たちが、排ガス規制が最も厳しい国の1つである米国でのテストに合格するために、故意に詐欺的行為を行った可能性が強い。

 この容疑者たちは、消費者に対して売る製品に本来は使ってはならないソフトウエアを、あえてエンジンに組み込んだ。市民やVWの告発を受けて、ドイツの検察庁も被疑者不詳のまま、詐欺の疑いで捜査を始めている。

 この容疑者たちは少なくとも1100万台の車に、英語でdefeat device、ドイツ語で Abschalteinrichtung(停止機構)と呼ばれるソフトウエアを組み込んだ。このソフトウエアは、車が規制当局の検査場などのテスト台の上に載せられると、前後4本のタイヤが全て同時に動いていないことを検知して、窒素酸化物の排出量を自動的に減らす。これらの車は、ソフトウエアの助けによって排ガスに関するテストを通過したものの、路上では検査場での測定結果を数十倍上回る量の窒素酸化物を排出していた。大気汚染を野放しにしていたのだ。

 ドイツの政財界は、今、茫然自失の状態にある。この国は今100万人の難民流入という、未曽有の事態に臨み、厳しい局面を迎えつつある。これに加えて、同国の産業界を代表する「優良企業」の不正という、戦後最悪の経済スキャンダルに襲われた。いわばダブルパンチである。ドイツが駆け足で冬に向かいつつある今、この国には重苦しい空気が漂っている。

トヨタ打倒の夢が崩壊
 VWは、あと一歩で「世界一」の栄冠を手にするところだった。同社の全世界での販売台数は、今年上半期に約504万台に達し、一時的にではあるがトヨタ(502万台)を追い抜いた。通年でもトヨタを抜いて世界一になるかと思われた矢先に、この不正が発覚した。すでにいくつかの欧州諸国が、問題のソフトウエアが組み込まれた車の販売を禁止しているので、VWの販売台数と売上高は今後伸び悩むだろう。VWの株価は、約2週間で40%下落。約250億ユーロ(約3兆5000億円)の株式価値が吹き飛んだ。

 ドイツ政府と経済界にとって特に大きな打撃となったのは、このスキャンダルの核心が、環境保護である点だ。VWは、少なくとも1100万台の車に関し、違法ソフトによって、排ガス規制を骨抜きにした。ドイツは、「環境保護の先進国」を標榜し、「環境保護技術を世界に拡大する」ことをめざしてきた。今回の不正は「ディーゼル・エンジンによって環境保護に貢献する」というドイツの自動車業界の企図に、大きな疑問符が投げかけることになるかもしれない。

 ドイツの環境団体からは、「現在明らかになっているのは、氷山の一角」という声も出ている。事態の今後の展開によっては、ドイツ自動車業界が誇りとするディーゼル・エンジン技術、さらには高品質の代名詞とされてきた「メイド・イン・ジャーマニー」に深い傷がつく可能性がある。

 ドイツの政治家たちも、強いショックを受けている。メルケル政権の副首相で、連邦経済エネルギー大臣でもあるジグマー・ガブリエルは「フォルクスワーゲンの排気ガス不正は、全く許すことができない問題であり、真相の徹底的な究明が必要だ」と指摘。同時に「一部の人間の不正のために、VWの全ての社員、ドイツの自動車業界全体が疑惑の目で見られるようなことはあってはならない」と述べ、「メイド・イン・ジャーマニー」そのものに被害が及ぶことについて、警戒感を示した。

 与党・キリスト教民主同盟(CDU)で、連邦議会議員団の院内総務を務めるフォルカー・カウダーは、VWの不正について「重大な信用失墜であり、我が国の経済にとって大きな問題をもたらすだろう」と語っている。

「全容解明には少なくとも数カ月かかる」
 VWの監査役会(取締役会を監督する、ドイツ企業における最高の意思決定機関)は2007年からCEO(最高経営責任者)だったマルティン・ヴィンターコルンを事実上「解任」し、ポルシェの社長だったマティアス・ミュラーを新CEOに任命。新体制で疑惑の全面的な解明をめざす。しかし、VW再生への道は、極めて険しいものになる。

 VW監査役会は9月30日に、社内の調査委員会と並行して、外部の第三者による調査も実施することを決め、米国のジョーンズディー法律事務所に調査を依頼した。VW監査役会は「調査が終了するまで、少なくとも数カ月後かかるだろう」と述べ、不正の実態の解明に時間がかかるという見方を明らかにした。このため、11月9日に予定していた株主総会もキャンセルしている。

 今回の不正が最初に発覚したのは米国だった。データ捏造が発覚する端緒を作ったのは、環境NGO「国際クリーン交通協議会(ICCT)」の委託を受けた、米国バージニア大学の助教授だった。彼は資金不足のために、知人からVWの車を2台借りて、2013年に米国大陸を横断して排ガスを測定し、道路を走行中の窒素酸化物の排出量が、テスト台の上での値を大きく上回る事実を発見した。

 ICCTは、2014年5月にこのデータを公表したが、自動車の専門家以外にこの情報に注目する者はほとんどいなかった。ICCTは、米国の規制官庁である環境保護局(EPA)とカリフォルニア大気資源委員会(CARB)にデータを提出。これが、VWを揺るがす不祥事の引き金となった。

 VWは、草の根の市民団体が実測すれば簡単に化けの皮が剥がれるようなトリックを、なぜあえて試みたのだろうか。今回のスキャンダルの大きな謎の一つだ。

 もう一つ不可解なのは、VWがこの問題を9カ月にわたって放置していたことだ。ICCTの通報を受けたEPAとCARBは独自のテストによって、環境保護団体の指摘が正しいことを確認。EPAはVWに対して、走行時の窒素酸化物の排出量と排ガス検査時の排出量の値が食い違うことについて説明を求めた。これを受けてVWは2014年12月に48万台の車を米国で自主的にリコールした。

 ただしこの問題は本社上層部の耳には入らず、VWは根本的な改善措置を取らなかった。同社はEPAに対し、「ソフトウエアの誤作動であり、修正する」と弁解していた。

 CARBが今年5月に再度VWのディーゼル車の窒素酸化物の排出量を点検したところ、改善は見られなかった。EPAが7月8日にテスト結果をVWに示したところ、同社は納得のいく説明ができなかった。このため、EPAはVWに対し、「対策を取らなければ、2016年にディーゼル・エンジンを積んだVWの新車の米国での販売を全く認可しない」と通告。この時点で初めて、排ガス問題がヴィンターコルンの耳に入ったと見られている。

 VWは、今年9月3日に、EPAとCARBに対して、ソフトウエアによって検査時の窒素酸化物の排出量を抑える不正行為を行っていたことを告白した。だが、ヴィンターコルンはこの時点で排ガス不正の事実を直ちに公表しなかった。その理由は、フランクフルトの国際自動車見本市(IAA)の開会が9月17日に迫っていたことや、ニューヨークで新型パサートの発表を控えていたためかもしれない。

 だがEPAの捜査・コンプライアンス担当官のシンシア・ジャイルスは、9月18日に記者会見を行ない、VWによる法律違反の事実を公表した。巨大企業の苦難の道がこの瞬間に始まった(ドイツのメディアは、VWが米国の規制当局に対して9月3日に不正を認めた後、15日間にわたってこの事実を公表しなかったことも、問題視している)。

巨額の罰金と損害賠償金
 VWの肩にのしかかるのは、自動車のリコール費用だけではない。同社は今後深刻な法務リスクに直面する。まず米国のEPAが科す罰金。米国のクリーン・エア法によると、EPAは法律違反のためにリコールされた車1台につき、最高3万7500ドル(約440万円)の罰金を科すことができる。VWが米国で48万台の車をリコールした場合、罰金の総額は約180億ドル(約2兆1800億円)に達する。

 VWは、今後米国で長く複雑な法廷闘争を強いられる。EPAは、法律に違反した企業に厳しい態度で臨むことで知られている。

 同社が今回のスキャンダルに関する米国での弁護を、米国の法律事務所カークランド・アンド・エリスに一任したことは、同社が今回の事態をいかに深刻に見ているかを示している。この事務所は、2010年にメキシコ湾で起きた海底油田掘削施設「ディープ・ウォーター・ホライゾン」の爆発事故をめぐり、石油会社BPが米国で訴えられた時に、弁護を担当した。環境関連訴訟では、米国で最も経験が豊富な弁護士事務所だ。BPは、米国のクリーン・ウォーター法に基づいて、55億ドル(約6600億円)の罰金の支払いを命じられた。BPが負担した環境汚染の除去費用や弁護士費用などの合計は、550億ドル(約6兆6000億円)に達すると見られている。

 さらに、市民からの民事訴訟も待っている。米国では、今回の不祥事によってマイカーの価値が下がったことをめぐり、すでに損害賠償訴訟が提起されている。米国にはクラスアクション(集団訴訟)という制度があり、1人の原告が同じ被害を受けた市民全員を代表して訴訟を起こすことができるので、賠償金や和解金の額が、日本やドイツでは想像もできない金額に達することがある。

 またVWは、2014年の末に米国で50万台のディーゼル車のリコールを行ったのに、不正を公表しなかった。このことは、同社に高いツケとなって返ってくるかもしれない。米国には、懲罰賠償(punitive damage)という制度がある。陪審員と裁判官が被告の行為を「悪意のある行為」と認定した場合、一種の制裁として、被告に対し通常の損害賠償金額を大幅に上回る賠償金の支払いを命じることができる。当局に指摘されたにもかかわらず、違法な行為を直ちに是正しなかったことは、「悪意ある行為」と見なされかねない。VWがこうした危険を承知の上で、ディーゼル車をリコールした時に、なぜ不正を公表しなかったのかは、大きな謎である。

 さらに、多くの投資家が株価の暴落によって経済損害を被った。すでに米国やドイツでは、VWの取締役たちに対して損害賠償を請求するための、株主代表訴訟が提起されつつある。

 ただしドイツの自動車専門家らの間では、「VWは多額の罰金や損害賠償金の支払いを命じられても、対応できるだけの財務力がある」という意見が強い。同社の2014年の売上高は2015億ユーロ(約28兆円)。営業利益は128億4000万ユーロ(約1兆8000億円)、自己資本の額は900億ユーロ(約12兆6000億円)に達する。

 もちろん、同社の業績が一時的に悪化する可能性は高い。最悪の場合、資金を作るために、VWグループに属する自動車メーカーを売却する可能性もある。ドイツの財務相、ヴォルフガング・ショイブレは、「この不祥事によって、数年後のVWは、今とは似ても似つかぬ企業になっているだろう」と述べている。今後の展開によっては、世界の自動車業界に大きな変化が生まれる可能性もある。


以上。

しばらくは目を離せない状況のようですね。
Posted at 2015/10/06 09:13:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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