
スバル新型インプレッサの運動性能は海外有名スポーツカーにも匹敵!SGPの登場でスバルは変わる!
清水 和夫
オートブログよりコピペ
http://autoc-one.jp/subaru/impreza/special-2684874/
今回のインプレッサは単なる代替わりではない!!
マンハッタンのミッドタウンにあるコンベンションセンターで毎年開催されるニューヨーク国際オートショー。スバルがここ数年、このショーに心血を注いで取り組んでいることは紛れもない事実だろう。
ニューヨークでアウトバックやWRXを積極的にアピールした甲斐あって、伸び悩む日本市場を尻目にアメリカ市場では二桁成長を続けている。
グローバルにみても第3四半期の決算で過去最高益を記録し、好調の波に乗るスバル。その躍進の本拠となるアメリカで待望の新型インプレッサを発表した。今回のインプレッサは単なる代替わりではない。
今後のスバルの中心となる新プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」の第一弾でもあるのだ。
SGPが目指すものは何なのか、インプレッサのプロジェクトゼネラルマネージャーを務める阿部一博氏にお話を伺った。
「SGPの目的は安心と楽しさというスバルブランドの価値を高めることです。安全と走りは二律背反ではなく、両方とも同時に高められるものです」
スバル 次期インプレッサ
スバル 次期インプレッサ
スバル本来の楽しさにスポーティ感覚とライトウェイト感覚をプラス
スバルといえば、日本ではアイサイトに代表される予防安全技術のイメージが強いが、北米では衝突安全などの全方位的な安全性能が高い評価を受けている。
また、AWDに代表される全天候型の運動性能は、すでにドライバーに運転の楽しさを提供しているが、今回はその“乗り味”の部分を高めたという。
「特にこのインプレッサは若い方のご購入が多いので、スバル本来の楽しさにスポーティな感覚、ライトウェイトな感覚を加えられたと思います」
なるほど、確かにこれまでにも幾度かプラットフォーム変更は施されてきた。しかし、このSGPによって、2016年登場のインプレッサを皮切りに、フォレスター、レヴォーグ、レガシィと続く、スバルの全ラインナップの品質を押し上げると期待されているのだ。
ただし、その産みの苦しみは生半可ではなかったようだ。今回のモデルは新プラットフォームを採用するとともに、インプレッサとしては初めてアメリカの工場でも製造する。
エンジンはキャリーオーバーとは言え、90%もの部品を刷新したという。丸っきり新型車製造ラインを日本と北米で同時に立ち上げるというわけだ。
それもこれも中期経営計画の達成に向けた施策なのだろう。
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)
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日米、同時に新型プラットフォームで作るのは大きなチャレンジ
吉永泰之社長は「世界的にクルマが足りていません。日本でも北米でも欧州でも3カ月待ちになってしまっている」と嬉しい悲鳴をあげ、今後は「インプレッサを北米で生産することで北米への供給量を増やし、日本の工場から日本市場や欧州市場への供給量を増やしていきたいのです」と語っている。
スバルが現在推し進めている中期経営計画「際立とう2020」とは、2020年に110万台+αの計画である。もちろん台数ありきではなく、ブランド戦略を含めた包括的な計画だが、すでに90万台を達成していると聞けば、計画の前倒しも可能に思えてくる。
しかし、この数字を達成するには、北米での生産台数を増やすことが必須の課題だ。一方でこれは変動する為替への耐性をつける意味もある。
ともあれ、北米と日本の工場で同時に新型車を新型プラットフォームで作ることは大きなチャレンジであるに違いない。
厳密に言えばパワーユニットも変えており、すべてブランニューでこのタイミングに間に合わせたのは神業ともいえるのではないだろうか。
「実は2014年末から、2016年のインプレッサまで新型車はありませんでした。その間を乗り切るのは本当に大変だったのです」。
そう言って吉永社長はホッとした表情を見せたが、前述のとおり、乗り切るどころか納車3カ月待ちの状態が続いているのである。スバルにとって、これからさらなる攻勢があると考えていいだろう。
スバル 次期インプレッサ(ニューヨーク国際オートショー2016)
新型インプレッサの開発にはふたつの大きな課題
スバルには根強いファンがいる。彼らが愛して止まない“スバルらしさ”とは、なんといっても安全性能の高さに尽きる。それと同時にドライブする楽しさも必要だ。
インプレッサは、スバルのラインナップのなかにあってはスモールセグメントに属するので、結果的に若いドライバーが多い。やはりスポーティでカジュアルな感覚、軽快感のある走りが求められるのである。
つまり、新型インプレッサの開発にはふたつの大きな課題があった。
ひとつはインプレッサ自体の代替わり。もうひとつは次世代のスバルの基礎固めだ。
新開発のSGPは“スバルらしさ”を一気に高めることが期待される。車種の少ないスバルの次世代の基礎を作ることはSGPの重大な使命なのだ。
スバル 次期インプレッサ
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新型インプレッサは並みのスポーツカーだったら勝てると思う!
具体的にはどのような進化を遂げたのか。阿部PGMに聞くと、一口には言えないが、「要となるのは低重心と高剛性」だという。
高剛性とはボディだけを指すのではなく、サスペンションの剛性アップも寄与している。サスペンションはフロントもリアも剛性をアップし、ボディは曲げ剛性、ねじり剛性とも全体的に70%~100%アップできたという。
おかげで急な操舵でもボディがゆがまず、サスペンションをしっかり動かすことができ、コントロールしやすくなるのだ。
それはもちろん運動性能の高まりを意味する。スバルの主張するところでは海外の有名スポーツカーにも匹敵するという。
走行中、突然何かが飛び出してきた時、それを避けられるか。
阿部PGMによればファミリーセダン、ハッチバックでありながら「並みのスポーツカーだったら勝てると思う」というから、相当自信があるのだろう。
そして高剛性は危険回避もさることながら、操舵応答性、結果的には乗り心地や振動・騒音にも利いてくる。
さきほどSGPがスバル全体の質感を高めると書いたが、これは動的質感の高まりとも言えるだろう。
スバル 次期インプレッサ
スバルデザインは、大きいところから小さなところまで意味を持たせたい
新型インプレッサにはスバルご自慢のアイサイト以外にも後方ブレーキ、ブラインドスポットなど全方位で危険を検知するためのセンサーが備わっている。
そして、これらのセンサーが発する警報をどのように伝えていくかが重要なのである。ドライバーが瞬時に何をしたらいいのか伝えなくてはならない。これは自動運転時代の核となる技術であろう。
また、スバルはどちらかといえば正統派の二枚目を造ってこなかった印象があるが、新型インプレッサではハッとするようなエクステリアを備えた。
たとえばそのプロポーションである。それもこれも新プラットフォームであるスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)の採用によって、トレッドが拡大したことが大きいのだろう。
デザイン部長の石井守氏は「スバルのデザインは、大きいところから小さなところまで意味を持たせたいと思っています。航空機の世界ではデザイナーはいませんよね。設計者が究極の設計をして機能美となり、非常に美しい形となっています。そこにはモノ作りのこだわりの精神があるのです」 と語った。
一つひとつの言葉にスバルの矜持が光る。一刻も早く日の光の下で新型インプレッサを眺めたいと思った。
[Text:清水和夫]