ネパールその10(SVって知ってますか?)
投稿日 : 2008年02月05日
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今日はここへ行きました。
高い土塀に囲まれ、
重そうな鉄の扉の入口ゲートは
警備員にしっかり守られています。
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緊張しながら塀の中へ入った私達が見たものは!
おいおい、子供が自転車で遊んでるよ。
警備員さん、仕事してるの?(笑)
しかも犬が一杯いるし・・・(ガクブル)
ネパールの人は犬がいても平然としていますが、私達はそうはいきません。ネパールの犬は狂犬病に感染している心配があるので、万一咬まれたら大変です。すぐに治療の為のワクチン接種プログラムを受けに病院へ行き、最悪予定を切り上げて日本へ送還です。
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そして、この大きな建物の中で私達が見たものは、
何を作っている工場か分かります?
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じゃーん、教科書でした♪
え?紙幣かと思ったって?(ソレハナイ)
ここはネパールの公立学校で使う全ての教科書を印刷する工場でした。たった一ヶ所で全国の教科書を印刷するなんて、信じられません。
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ここでは、ひと昔も、ふた昔も前の印刷機が現役でした。
名機ハイデベルグは、さすがに古くなりすぎて稼動していませんでしたが、切羽詰るとコレも動かすことがあるそうです。
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バリバリ現役で活躍しているのは、日本製の印刷機でした。
これらの印刷機が、普通にネパールで手に入るはずありません。画像の左上にある銘板から分かるように、これらは日本から国際援助活動の一環として送られたものでした。
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これらの印刷機、製本機、裁断機器が1年間フル稼動して、教科書を作っています。
ここで疑問が…
メンテナンスは一体誰が?故障したらメーカーの人が来てくれる?まさかねぇ。
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そしてその疑問の答えがこの画像の右側の方、Sさんです。(ご本人に画像掲載の許可を得ていませんでしたので、左の私の画像と共にぼかし処理をご容赦下さい。)
Sさんは日本の印刷会社を退職された後、国際協力機構(JICA)が募集するシニアボランティア(略称SV)に応募され、ボランティアとして単身ネパールへ技術指導に来られ、この印刷工場が問題なく稼動する様に頑張っておられました。
Sさんによりますと、1世代か2世代前の印刷機がネパールの国情には合っているとのこと。最新型を持って来ても、故障したときに対応できない、国に合った適正な技術が大切であるとのことでした。さらに、ネパールの方々の技術は実は凄いと。歯車が割れても溶接肉盛りして歯を切り直して歯車を再生してしまうし、モーターが壊れても分解してコイルを巻き直して修理してしまうんだそうです。もしかしたら、日本が失いかけている大切なものを、ネパールの人々は持っているのかもしれません。
今回のネパール訪問中、一番素敵に輝いて見えた日本人は、間違いなくSさんでした。お会いできて、お話を聞けて光栄でした。
私もいつの日か、Sさんのようにシニアボランティアに申込む日が来るような来ないような…。平穏平凡な日々にも憧れますが、でも。私にできることを求めている人が世界のどこかにいれば、体が動く限り、それに応えて行動を起こしてしまいそうな、そんな気がします。
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