セーム・シュルトという武人。

長いけど引用。
Ｑ『昔からそのように物欲はあまりない方だったのですか？
　自分にとって本当に必要なものがあればいい、というような。』
Ａ『私が欲しかったのはこのベルトだけです。
　あるいは昔なら、優勝することでもらえるトロフィーであったり。
　プロのファイターなのでもちろんお金は大事ですが、何か物質的なものより、
　試合や大会で勝って満足感を得ることの方が私にとっては価値が高いんです。
　物的なものより、精神的に満たされている方が自分にはしっくり来る気がします。』

Ｑ『では、シュルト選手は「何かが足りない」と思うより、
　現在の自分の在り方に満足を覚える方ではないですか？』
Ａ『そうですね、今の状態に満足してるし幸せだと思っています。
　あまり悲観的に考えたりすることはないし、
　こうなりたい、これだけお金を稼ぎたいという考えもありません。』

Ｑ『シュルト選手は小さい頃から体が大きかったとお聞きします。
　日本では現在いじめが深刻な問題になっているのですが、
　周りと異なる容姿を持つことでいじめを受けることはありませんでしたか？』
Ａ『私は極端に大きかったので、そのせいで恐れられいじめがなかったのかもしれません。
　日本でいじめが問題になっていることは、とても悲しく思います。
　日本の社会システムは特殊で、私も理解が十分でないところがあります。

　ただ、大人も子どもも真面目に過ぎるあまり、自分の属しているグループが世界の全てのような気になり、
　すごく狭い社会の中で生きているのではないかと思います。
　そして、もしその中でいじめにあったとしたら、それはとてもツラいことです。
　他の世界を知っていれば逃げようもあるでしょうが、狭い中でしか生きてないと逃げ道がないと思ってしまう。

　ですから生真面目に過ぎずリラックスすべきだし、
　視野を広げ行動範囲を広げることで新しい方向性が見つかるんじゃないかと思います。』

Ｑ『２連覇を達成したシュルト選手はこれからＫ－１を担っていく存在です。
　そんなシュルト選手から何かアドバイス・メッセージはありますか。』

Ａ『もしグループの中でいじめを受けたら、そこから抜け出す勇気を持つべきです。
　いじめを加える人たちはあなたを好きでないのだから、こちらも無理して好きになる必要はありません。
　違うグループ、違う場所へ抜け出す勇気を持ってもらいたいと思います。』
（引用終わり）

・・・いや～参りました。
『デカいだけの人』だと思ってたらば、金の亡者のプロの中じゃ
今時珍しいぐらいの武人じゃないですか。
まだ若いと思ったら33だしｗ

「ストイック」ってのはこういう人の事を言うんじゃないかな？
（髪の毛染めたり肌を焼くのに忙しい日本人選手たちは見習って欲しいもんだｗ）

お金が欲しい、客に見せるルックス、試合をしなくてはいけない、とにかく勝ちたい。
それらはまぁ「プロ」だから当たり前。
でもシュルトは「プロ」である前にまず「空手家」なんですね(^^)
日本社会の特殊性といじめの分析、アドバイスも完璧だと思います。
いやーカッコいい。


背の高さが災いしてPRIDEでは転がされるとアウト、という印象でしたが
今のK-1ルールでは彼を倒すのは難しそう。
最近のK-1は若手が余り出てこなくてイマイチな感じですが
ルスラン・カラエフを筆頭に若い世代が
「打倒シュルト」で盛り上がると面白くなるかな？
（とりあえず谷川のおっさんは抜きの方向でよろしく頼むｗ）