台湾時間の18時すぎ、日本時間の19時すぎから
立法院からの撤退がはじまり、そして1時間後、中継も終わりました。
ニコ生の中継は527時間、最終的に累計閲覧者は880万人を超えました。
議場を出る時にはひまわりの花を渡され、それを外にいる市民に手渡して
民主化運動の種を撒いていく、というコンセプトでしたが
出迎えた市民は何と2万人!道路の真ん中にカーペット?が敷かれ
占拠していた人たちが歩いている間、左右の人の波からは
絶え間ない拍手と大歓声・・・。素晴らしい。
スリッパおじさん(ベテラン活動家)や通訳さんたちも感極まっていましたが、
明日からは
Facebookで情報を順次伝えていくようです。
昨晩の事からちょっと振り返ります。
昨日は立法院占拠、最後の夜という事で、
基本的に議場内の中継を行っていたチーム全員が
夕食後に立法院の外の様子を23時ごろまで歩き回ってレポートしてくれました。
議場から外に出るまでの細くて長い通路の両側は
黄色いチョッキのゴツい警官隊で埋め尽くされ
仮に武装したマフィア集団が来たとしても入るのは不可能だと思いましたw
立法院の入口は2カ所ありますが、入場にはパスが必要で
片方の入り口しか有効でないパスもあるとか。
相当厳しいセキュリティーです。
外に出るとそこは夜市か学園祭の後夜祭の趣き。
(視聴していた台湾人高校生によると「夜市は本当にこんな感じ(笑)」だそうな)
最後の夜だから、という事もあるでしょうが人だらけ。
はぐれないように中国語、日本語、英語の3つの言語の担当者が
ダンゴ状態でレポートしてくれます。
私は日本語(ニコ生)と英語(U-STREAM)を左右に並べて見ていました。
議場出入り口のすぐ側にはソーセージを焼いている
60代ぐらいのおじさんがいました。
この方、インタビューは固辞されていましたが、
占拠開始直後ぐらいから連日、ただひたすらソーセージを
焼き続けているそうです。
敷地の外?の道路はホコ天の状態で、
左右にTV局の大型バンがずらっと止まっています。
さらに歩くとテントだらけのゾーンになり、明るい特設ステージに
アイルランド人のノーベル平和賞受賞者?や228事件
(中国の文革に相当する知識層の虐殺)を生き延びた方の
スピーチなどに皆が聞き入っています。
さらに歩きながら市民にインタビューしながら、ブースの説明が続きます。
・外で座り込みを続ける学生たちの休憩所
⇒物流倉庫で使う様な樹脂製パレットの上に段ボールを敷き、その上に布団を敷く
・コーヒーの配布
⇒本職のバリスタさんたちが集まって一杯ずつ丁寧に淹れています
・カウンセリング
⇒ストレスを感じたら来て相談を、との事
・お弁当の支給
⇒ホームレスの方にも配っているとか。近所のお弁当屋さん製らしい。
・シャワーの受付
⇒受付をすると近所の旅館などでシャワーを貸してくれる仕組み
・美大の生徒による文字入れサービス
⇒バッグなどにステンシル+スプレーで「退回服貿」などの文字を入れてくれます
・馬(総統)をいれるための檻
⇒オブジェですが、中には既に鹿のぬいぐるみが入っています。
※つまり馬+鹿、とw
・支援物資の分別と保管
⇒市民から多くの物資を受け入れたが雨の日は大変だったとか
・学生のバス代支援
⇒企業がボランティア活動に対して報酬を払う事で
地方から活動に参加している人の交通費負担を軽減
・ごみの分別
⇒議場でも総統府前の大規模デモでも立法院の外でも
ごみの分別が徹底されています。
・議場解放反対派のステージ
⇒何か小さなステージを作ってみんな踊りまくってましたw
・掃除をしているおじいさん
⇒「これぐらいしかできないからね」
・壁にスプレーで書かれた落書きを消す女性
⇒「きれいにして返さないとね」
・練り歩くミュージシャン
⇒かなり有名なバンドのメンバーらしく人だかりができていました。
・協定に反対するTシャツを配る人
⇒ある企業がポン!と3000枚作ってくれたそうです。
・現政権への不満をぶつける
⇒閣僚の顔写真などにメッセージを書くブースでした
他にもひまわりグッズの物販をされている方とか、ほえほえくまーのコーナーとか
キャンドルと子供たちの書いた絵葉書で作ったひまわりのオブジェとか
・・・あまりにも多すぎて忘れましたw
ちなみに最初のおじさんが焼いているソーセージからTシャツ配布まで
全て無料。
全ては学生と市民、企業によるボランティアです。
掃除しているおじいさんが
「私はこれぐらいしかできないから」
と言っていましたがバリスタさんやカウンセラーさん、
ごみの分別の方も含め皆さんが全員
「自分の得意とする分野や、役に立つ事で抗議活動を支えたい」
と口をそろえて言います。
通訳さんの中にも学生さん以外に普通に会社勤めしている方が複数いらして
残業後に来て通訳してる、なんて方もいました。
それもこれもすべて
”今の台湾が好きで、今回の不平等なサービス貿易協定には絶対に反対!”
という気持ちから出ている事が画面越しではありますがよく判りました。
以前のエントリーでも書きましたが
「逮捕されても構わないから抗議活動を一人でも多くの人に知ってもらいたい」
というOLさん
「警官隊が突入してくるなら仲間を置いて自分だけ逃げるわけにはいかない」
という大学生が議場内に大勢いました。
今までは政治に全く興味がなかった層までもが急激に目覚め、
国難にあたって己を捨てて公に尽くす、滅私奉公の精神が
今回の台湾にはありました。
昨晩インタビューを受けていた方、全員がそうです。
全員が全員、マイクを向けられても何ら戸惑う事も臆する事も無く
自分の考えをしっかりとした口調で主張されていました。
※昨晩も今日も「すげぇ」連呼するしか能の無い自分の情けない事w
それはさておき、今回は台湾についてダイレクトに勉強させて頂きました。
初の海外旅行は台湾にしたいわんw、と思った次第ですが
・・・同じ事が日本で起きたら・・・
我々は彼らの様に立派な行動を取れるでしょうか?