産経のコラムに面白いのがあったのでちょっと長いけど転載。
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【野口裕之の軍事情勢】
アンポ法案は「とりま廃案」 中国に利するだけのアンポ反対デモごっこ…
安全保障関連法案に反対するデモには中高生も参加しているが、女子高生の掲げるプラカードのうたい文句を読んでみたものの、2年後に還暦を迎える小欄には「???」であった。
《とりま廃案》
《とりあえず、まあ》を略した“若者言葉”だとか。小欄にとっては「とりま大収穫」となった。
法案の中身も知らない人々が、左翼やメディアの「戦争法案」レッテル貼りで、
いとも簡単に洗脳されていく…。
《とりま》の3文字は、衆愚政治の恐ろしさを図らずも証明した次第。若い世代に限らない。
70代女性にデモに加担した理由を尋ねて仰天した。
「戦争するって、法案に書いてあるんでしょ?」
プロ活動家の暗躍・扇動にもかかわらず、航空写真に映るデモは「お花畑」に見える。
「安全保障デモ」なのだから当然だ。
国家権力の弾圧がないばかりか、国家権力が「安全」を「保障」してくれる、いわば「半官半民デモ」。
従って、肩・ヘソ丸出しのブランド服で着飾る女子大生も安心して参加できる。
鐘や太鼓を打ち鳴らし、シュプレヒコールはラップ風、日本屈指のファッションタウン
表参道~原宿を練り歩く光景はもはやカーニバル。
《60/70年安保闘争》でも、日米安保条約の条文も読んだことのない学生が
「アンポ反対!」を流行病(はやりやまい)のように絶叫したが、
背後関係はともかく、今次デモは表向き、病にも至らぬ「アンポ反対ごっこ」の様相を呈する。
お気楽さは、海外の学生運動と比べれば顕著だ。
台湾では2014年、中国と調印した貿易協定に対し、中国の台湾併呑に危機感を抱く学生が
決起し、立法院を占拠する《ひまわり運動》に発展。
半年後香港では、中国共産党に圧倒的有利な選挙制度に反対する学生が核となり
《雨傘革命》が決行された。
日本・台湾・香港のデモに共通するキーワードは中国でも、対中スタンスがまるで異なる。
台湾・香港は中国支配を嫌う人々による「反中運動」的要素も含む。
一方日本のデモは、わが国の領土・領海=資源奪取を狙う中国などに備え、
安倍晋三政権が整備を目指す法律群を廃案にせんとするのだから、
中国の侵略を手助けする「利中運動」に他ならぬ。
法案に断固反対する外国が、中国と北朝鮮のみとの現実も利中運動の傍証だ。
日本の左翼は中朝と共闘していることになる。
香港の場合、参加者たちは中国共産党の残忍性を熟知しつつ命懸けで反抗した。
自由と民主主義が完全に守られているわが国で、安倍政権より「自由と民主主義を守れ!」
と連呼する珍妙な「日本市民」にはこの際、新たな活躍の場を紹介したい。中国。
何しろ、少数民族大虐殺や反体制派粛清などツッコミどころ満載。
「自由と民主主義を守る」崇高な使命を存分に発揮してほしい。
デモ隊の収容能力も完璧だ。天安門広場などは、立ちふさがる民主派人民を、
戦車が轢き殺したり迂回したりできるほど広い。
「安倍辞めろッ。バカかお前は」など、罵詈雑言の北京バージョンをぜひ聴いてみたい。
「習(近平・中国国家主席)辞めろッ。バカかお前は」などと、お下劣な言葉を叫ぶと
日本人の品位が疑われるが、全く心配ナシ。
叫ぶ前に、どこかに連れて行かれること必定です。
連行に当たり「中国憲法第35条は言論・集会・行進の自由を明記する」と抵抗しても、
大気汚染に因る“昼の夜空”に虚しく響くだけ。
わが国の安保関連法案は抑止力強化を目指す、小欄が不満に思うほど自制を効かせ過ぎの
体系で、「戦争法案」と呼びたいのなら矛先が違う。
中国が施行した《国防動員法》&《国家安全法》はヒト・モノ・カネの強制徴用を可能にする
正真正銘の戦争完遂法だ。
危機・戦争にのぞみ、需要を遅滞なく満たさなければ、徴兵はじめ車両やパソコン…など
企業や個人の資産が召し上げられる。
交通や情報の流通も全面遮断、資産・預金凍結も断行される。
外国の企業・個人も標的で、日中衝突となれば、在留邦人の出国が禁じられ
人質となる危険さえ伴う。
中国の核爆弾は「良い爆弾」で、米国の核爆弾は「悪い爆弾」だと信じるのは勝手だが、
左翼のご都合主義は見苦しい。
例えば、
左翼系政治家・法学者の多くが自衛隊や安保条約に正面切って反対を唱えなくなった。
日本を焦土化されようが友好国に助けを求めず、専守防衛の範囲内で武器を取る自衛隊は
「良い自衛隊」だと認める憲法解釈修正を、左翼が事実上行った証左である。
ところが、自らは棚に上げ、政権による集団的自衛権の限定的行使容認は
「解釈改憲」だと批判する。
絵に描いた如き鮮やかなる曲学の徒らの成れの果てではあるが、節操の無さに期待もしている。
日本防衛目的で友好国と協力、国際の安定に向けても武器を取る自衛隊が
「良い自衛隊」になる、修正第2弾も時間の問題だろう。
確かに「良い戦争」など歴史上在ったためしはない。だが「勝たねばならぬ戦争」は存在する。
侵略者より国家主権や家族の命を守る戦いだ。
主権や家族を守るにはまず戦争回避の努力が不可欠で、「戦争ができない国」では
抑止力が機能せぬ。
「戦争ができる国」にしておかないと、平和を維持できぬ悲しい現実を正視しよう。
恒久平和を望むが、残念なことに史上実現したことは皆無。
今日本が謳歌しているのは「とりま平和」なのだ。安全保障の世界では、広義の《戦間期》と呼ぶ。
左翼がわかっていながら、党利党略で国際情勢を踏まえた現実的議論を避け、
政権のイメージダウンを作戦正面に据えるのなら国家・国民の安全を損なう禁じ手ではないか。
ただ、衆議院での委員会採決時、欠席を公言したはずの民主党議員が《自民党 感じ悪いよね》
などのプラカードを掲げ、委員長席に詰め寄った「お子ちゃまブリ」を観て、
戦間期だと認識していないのでは?と不安になった。
混乱の中、辻元清美議員(55)はカメラ目線をかます余裕を披露していたが、イヤお若い。
目立とう精神や祭り好き…など、デモを楽しむ「ヘソ出し女子大生」&「とりま女子高生」と同じ
精神構造を維持しておられる。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)
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>恒久平和を望むが、残念なことに史上実現したことは皆無。
これ、
4/30の櫻井よしこさんのパネルディスカッションの時に
VTRで出演されていた満州からの帰還兵の方の発言と丸かぶりです。
「戦後70年平和だったとよく言われますが、ではこの70年間、ただの一日でも良い、
この世界で戦争の無かった日がありましたか?」
って。
>主権や家族を守るにはまず戦争回避の努力が不可欠で、「戦争ができない国」では
>抑止力が機能せぬ。
>「戦争ができる国」にしておかないと、平和を維持できぬ悲しい現実を正視しよう。
これ、ここが平和ボケした方々には決定的に欠けています。
だから耳心地の良いサヨクの嘘にだまされるんだろうけどw