バッテリーの内部抵抗ですが、専用のテスターを使えば(ある程度正確に)測ることが出来ます。
また、車好きならご存じの方も多いCCAテスターも、内部抵抗を測定してCCAに換算しているので、併せて紹介します。
(1)インピーダンス法を採用した一般的なテスター
電池に交流を印加して(≒充放電反応が追いつかないほど速く電流を変化させて)、その時の電圧変化と、電流と電圧の位相のずれを見れば内部抵抗が判ります。
電池の内部抵抗は周波数に対する応答速度がそれぞれ異なるので、周波数を変えながら測定すると全てを把握できますが、一般的には1KHz程度の交流を印加して測定します。
※但し1KHzでは反応抵抗は測定できないので、インピーダンス法は周辺温度の変化によって測定値が変わりやすいと言われている。
交流電流は電池にとっては充電方向と放電方向の電流が入れ替わっているため、この方法で得られる電池の内部抵抗は、充電側の抵抗と放電側の抵抗のそれぞれを含んだ平均値となります。
この方式は直流電源装置から切り離さずに測定ができるので、非常用電源装置などでは、このインピーダンス法を利用したテスターが劣化診断に使われます。
(2)コンダクタンス法を採用したCCAテスター
コンダクタンスは電流の流れやすさ(導電率)を表しますが、直流回路においてはコンダクタンス(G)は抵抗(R)の逆数なので、抵抗を測っているのと同じです。
コンダクタンス法では放電電流を断続的にON/OFF制御して内部抵抗を計測しますが、具体的には、負荷の断続をインピーダンス法よりも低周波(約10ms毎=交流100Hz相当)で行います。
また、インピーダンス法で大きな電流を流すとなると、大きな電源が必要になりますが、この方法では測定装置内部の負荷抵抗の大きさを変えることで測定電流を制御するため、測定装置を小型化できるという利点があります。
なお、この方式はインピーダンス法と違い、電源装置から切り離さないと測定できません。
※車の場合、エンジン稼働中は電源から電圧が印加されているため、バッテリーではなくオルタからの負荷電流を測定してしまうので、エンジンを停止してから測定する必要がある。
ちなみに、この方式はミドトロニクス社がCCAテスターとして開発し特許も取得しているもので、同社製品ではCCAに換算する際に温度補正なども行うアルゴリズムを採用しているようですが、数千円程度で買える中華製テスターには温度センサーなどは装着されておらず、どうやらこれを簡易にした代物のようです。
※中身が特許に抵触しているかどうかまでは不明。
(3)その他の方式によるCCAテスター
・ダイナミックロードレジスタンス方式
一方で、DHC-DS社のように負荷を断続的に掛けるのではなく、一瞬だけ高負荷を掛けて抵抗を求めるという独自方式(コンダクタンス法の変則バージョン)で特許を取っているメーカーもあります。
・ダブルディファレンシャルパルス方式
日立(現:Astemo)やカイセが出しているCCAテスターは、「ダブルディファレンシャルパルス方式」を採用して、反応抵抗等も含めて測定しているので、より高いレベルでの劣化判定が可能なのだそうです(特許取得済)
※日立製品も製造元はカイセだが、日立のカタログに特許取得済と書かれているので、製造委託と思われる。
詳細は解りませんが、取説にエンジンを停止してから測定するように書かれていることから、これも負荷を掛けて測定するコンダクタンス法の一種(亜種)ですね。

日立のカタログより
画像を見る限り、その名の通り化学反応の前後2回に分けて測定しているのが特徴のようです。
※もっとも、それでどの程度まで正確に劣化判断できるのかは、よく解りませんが。
【おまけ】4端子法について
デジタルテスターで抵抗を測定する場合、内部に定電流源と電圧計とが並列接続されていますが、2端子法ではプローブ(ケーブル)等の抵抗値も含まれてしまうので、僅かな抵抗しか持たない場合、正確に測ることは出来ません。
一方、4端子法は電流と電圧を個別のケーブルで繋ぎますが、電圧計の内部抵抗が極めて高いため、定電流源から出た電流は電圧計のケーブルには殆ど分流しないので、結果としてケーブル等の抵抗値は無視できます。
※定電流源なので、電流ケーブルの抵抗値がいくつであっても既定の電流を流すことができる。
CCAテスターの場合は、定電流源から電流を流す代わりに、抵抗等を組み合わせて負荷電流を流させる回路になっていますが、この場合も理屈は同じで、必ず4端子法と組み合わされています。

廉価な中華製CCAテスターも、ちゃんと4端子ある。
Posted at 2026/03/11 11:47:59 |
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