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2019年06月26日

最終回 時流に乗り遅れた?最終型ルーチェ


さて、シリーズで続けたブログですが、そろそろお開きに・・・
トリを飾るのは、私の最初のマイカーでもあった、最終型ルーチェ(HC)です。


最終型ルーチェは、従来型よりサイズアップし、ボディだけで4,620ミリ(セダンは4,640ミリ)という中型車クラスのボディを得ました。
また、発売当初は5ナンバーのみながら、ロイヤルクラシック(以下、RYC)という、ロイヤルサルーンやブロアムに相当する、リヤパワーシート&デュアルエアコンが標準のショーファーグレードも設定されました。

しかしながら、当時のメーカー広報の説明では、ルーチェの車格はあくまで従来と同じハイオーナーカー(=上級小型車)であるという話でした。
事実、カタログも別仕立てだったRYCを除けば、リミテッド(以下、LTD)系を実質的なトップグレードとして、マークⅡやローレルと競合するグレード展開&価格帯でした。


↑ カタログも、RYCは前期・後期とも別扱いになっていた(後期最終の'90モデルで、ようやく統合)

また、TVCMや新聞・雑誌広告には、(高級車の場合は特に)最上級グレードが登場しますが、ルーチェの場合は全てLTDでした。
それゆえ、カー雑誌の発売日を毎号楽しみにしているようなカーキチ(←死語)はともかく、一般ユーザーは、RYCの存在自体を知らなかったのではないでしょうか。

そのせいか、街中を走っているルーチェは9割方がLTDであり、RYCは数台見掛けただけでした(後期で廃止されたXV-Xは1台見ただけでしたので、それよりは売れていましたが・・・)


↑ 前期CM 車は最量販機種のV6(NA)LTD それにしても、なんて綺麗なお嬢様なのでしょう(でも、今ではもう50代半ば?)


また、海外向け929よりも更に遅れて、発売1年後にようやく登場した3000RYCについても、一切広告等を打ちませんでした。
そのため、'88年1月~8月の累計登録台数は、3ナンバー(つまり3000RYC)は399台、5ナンバーは17,264台の計17,663台で、3000RYCの販売比率は僅か2.3%でした(因みに、私は前期3000RYCの実車を一度も見たことがありません)

クラウン(13前期)は、同時期の3ナンバー比率が28.3%、更にデボネアV(前期)でも23.0%なので、広告すら打たなかったルーチェの3ナンバーの販売比率が、いかに低かったかがわかります。


↑ 後期&後期最終ではCMでも3000モデルが登場しますが、グレードはあくまでLTD&同グランツーリスモ なお、「グランツーリスモ」はY31のパクリではなく、Bigルーチェがオリジナル(丸4テールも、実はスカGではなくファミリアやカペラの方が早い)


一方、'88年9月のマイナーチェンジでDOHC化&3000LTDを追加し、更に4月の税制改正も影響した'89年1月~9月になると、3ナンバー3,379台、5ナンバー15,803台の計19,182台で、3ナンバー比率はようやく17.6%に上昇します。

それでも、クラウンの同時期の比率は35.3%なので、その半分でした。
おまけに、街中で見掛ける3ナンバーの殆どがLTDだったので、これもRYCに限定すれば、前期同様に数%止まりだったのではないでしょうか。


↑ よく広島ベンツと言われたが・・・むしろ当時のSクラスより、先々代に似たデザイン まあ、先々代もベンツマスクルーチェと呼ばれていましたが


当時の日本では、'84~'90年にかけて、実質年率4~6%台の経済成長が続き('87年のみ一時的な円高不況で2.9%)、高級車&高級グレードの市場が大きく伸びていた時代でした(俗に言うハイソカーブーム)

このように市場が拡大している時は、クラスアップした事を全面的にアピールし、新規顧客の取り込みを狙うのが王道のはずですが、マツダは従来のお客様(旧型ルーチェのユーザー)に配慮したのか、それとも元々(RYCを)自社系列と住友関連以外には売る気がなかったのかは不明ですが、このようにRYCを前面には出さず、ひっそり「裏メニュー」として扱うという販売政策を取りました。


↑ シーマやディアマンテの大ヒットは、新規顧客の取り込みに成功した側面が大きい もっとも、それ故にバブル崩壊後は瞬く間に「シーマ減少」してしまいましたが(笑)


タラレバですが、もしマツダが最初からRYCを前面に出して(しかも最初から3000ccを用意して)販売していたら、クラウンやセドグロなどの中型車クラスの顧客層も一定数取り込めたでしょうし、LTDを買う客に対しても、マークⅡやローレルよりクラスが上なのに安い、というお買い得感を与えることが出来るので、全体として、もう少し販売は伸びていたのではないかと思います。


そんなマツダも、その後ようやく「高価格車でも売れる」と気付いたようで、'91年には従来のルーチェユーザーを完全に見捨て、一気に大型化&高価格化したセンティアを発売。
その流麗なスタイルとともに、バブルの余韻もあって、当初は月5千台ペースで売れましたが・・・


↑ この頃のマツダデザイン(田中デザイン)は秀逸だった アラフィフのおっさんには、今のがいいとは思えない(新しいマツダ3のFBは「眠いのに叩き起こされた、不機嫌なカピバラ」みたいだし・・・)


そして、'89年デビューのLS400やQ45に対抗して(あやかろうとして?)、'93年には北米でV12・4Lのアマティ1000(日本ではユーノス1000)を発売する予定でしたが、バブル崩壊後の経営不振で、それどころではなくなってしまいました。

マツダの場合、イノベーション計画と称して、北米アマティだけでなく、国内5チャンネル化、クロノス9兄弟(プローブや後のカペラを含む)、デザインスタジオM2、ルマン関連への巨費投入etc.を行いましたが、そもそもイノベーション計画の発表が'88年と後手後手で、世間がバブルになってから慌てて「うちも乗り遅れるな」と始めた感が丸出しでした。

そして、それらが製品として具体化した頃には、バブルが崩壊していたという、最悪のパターンでした(完全にバブルに踊らされたクチ)


↑ アマティ1000&800について伝える外誌 DR誌でも'92年の秋頃にスクープされていた 写真を見る限り、ほぼ市販可能レベルまで開発作業は進行していた模様 なお、リヤテール周りのデザインは、後にトヨタ(クラウン17)にパクられる


それに比べると、トヨタなんぞは、まだ第二次石油ショックの影響が残っていた'82~'83年に、早くも次の時代を見越して、グランデツインカム24やらロイヤルサルーンGやらを次々に投入し、その後の市場をリードしていったのですから、三河商人は、昔から商売に対する目の付け所が違いましたね。


さて、話をルーチェに戻しますが、今回紹介するのは、中古車サイトからではなくオークションからです。


↑ 本革シート+CDオーディオなので、スペシャルエディションGでしょう


↑ ボディカラーは、'90モデルで加わったシャドーシルバーマイカ


↑ 本革シートはスレもないようです

グリルだけでなく、痛みやすいバンパーのメッキモールも綺麗なので、かなりの極上車には違いありませんが、落札価額はせいぜい20~30万ぐらいでしょうか。

一応売切りとありますが、過去に「ヤ○オクの不思議出品?」でも取り上げたスカGパサージュと同じ業者のようなので、即決に近い価額でないと流すと思います。
なので、興味のある方は、直接問い合わせてみたら如何でしょう?

P.S.

↑ 案の定、流されてました 予想より低かったですが、これが不人気旧車の現実?

まあ、この手の車はいくら極上車でも(中古外車に手を出すのと一緒で)買って終わりではないので、入札する側としては慎重な金額にはなりますね。
でも、何故最落設定しないのでしょう?
例えば、入札価額500千円で本気入札した人がいたとしても(競合者がいないと)131千円のままですし、こういうのを繰り返すと確実に信頼を失いますよ・・・


【おまけ】
前に紹介したHBルーチェ、28万円(総額43万円)に値下げされていました。
この機会に、どなたか救っていただけませんか??



※画像は一部借用。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2019/06/26 16:34:08

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