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イイね!
2024年12月19日

過充電による鉛バッテリーの爆発!?


稀に過充電による爆発事故とかありますが、ネット上では原因について変な事を書いているサイトも散見されます。


では、なぜ爆発するのか?ですが、満充電になっても高い電圧を掛け充電電流を流し続けると、酸化還元反応ではなく(=もはやその余地がないので)、電解液に含まれる水の電気分解に使われるからです。
つまり、電解液中の水が電気分解され、水素が大量に出る
(なので、電解液が急激に減る)


なお、オルタは定電圧(14V台)なので、満充電になると微小電流しか流れず、過充電にはなりませんから、爆発を誘因するほどの水素は発生しません(レギュレーターに異常がある場合は別)

また、一般消費者向けに市販されている充電器でも、過充電にはなりません。
なぜなら、これも定電圧-定電流型で、殆どの機種は定格電圧がオルタと同じ14V台だからです(電流値を設定できる機種が多いことから、定電流で充電していると思っている人が多いが、間違い)

更に言えば、大抵の機種には終止電流値が設定してあり、充電電流の減少を検知して自動で電源OFFになります。

なので、通常は過充電によって爆発するかも?などと気にしなくても良いかと。


ただ、ネット上には「死にかけたバッテリーをパルス充電器で復活!」なんて動画を意気揚々と上げてる人も多いので、安易に影響されて原理などを知らずに充電すると、爆発する場合があります。

つまり、過充電にはならなくとも長期の使用により電解液は少しずつ減っていくので、電解液不足に気付かずに使い続けたり、補充電すると・・・


電池工業会の資料より

パンフにあるように、引火・爆発する危険性があるので注意が必要です。


もっとも、これはトラックなどの業務用車両向けのパンフであり、昨今のMFバッテリー(カルシウムバッテリー)を自家用車で適正に使う分には、寿命末期でもLOWレベル以下にまで減ったりすることは滅多にありませんが、寿命末期というか、死にかけたバッテリーを充電する場合には色々と注意が必要です(※)

そもそも、バッテリーの劣化原因はサルフェーションだけじゃないのに、「サルフェーションさえ除去すれば復活できる」などと、1か0かのデジタル思考で安易に考える人(≒ネットで真実な人)が多い昨今の風潮は、困ったものです。


注釈
(※)
最悪の場合(過充電等で高比重と高温が重なった場合)、電解液中の硫酸イオンと水素イオンと極板の電子が反応し、硫化水素が発生することもあります(SO42⁻+10H⁺+8e⁻ → 4H2O+H2S)

硫化水素は「卵の腐ったような」臭いがありますので大抵は気付くはずですが、知らない人はいないと思いますが、高濃度の硫化水素だと死に至ります(草津白根山の殺生河原とか箱根大涌谷とかが有名ですが、必ず立ち入り禁止エリアがあります)

BOSCHなど、バッテリーメーカーでも注意喚起を出しています。
https://ap.boschaftermarket.com/jp/ja/news/latest-news/regular-battery-checks

こちらは、硫化水素が発生する具体的状況についても記載しています。
https://naturalsky.net/wp-content/uploads/2022/06/dee9b6c36bdc8fec8c0ff4ba5a045373.pdf
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Posted at 2024/12/19 16:12:56

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