日本向け(JIS規格)のボッシュやACデルコは韓国製ですが、筐体が同じであることからもわかる通り、製造元はVARTAで知られるクラリオス・デルコアコーポレーション(元々はジョンソンコントロールズの一部門、事業売却で分社独立)です。
ですが、各社の「松」クラスのアイスト対応バッテリー同士を比較すると、VARTAだけかなり安い。
(前に紹介したアイシンのゴールドレーベルよりも安い)
「そりゃ、ブランド力の差でしょ?」とか、「同じならVARTAが得じゃない?」と言った意見が聞こえてきそうですが、果たして中身も一緒なのでしょうか?
まず、VARTAのシルバーダイナミックから(画像はいずれもアマゾンより)

公称CCAは660、5時間率容量は60Ah(Q-90)
次は、ボッシュのハイテックプレミアム。

公称CCAは660、5時間率容量は60AhでVARTAと同じなのに、なぜかQ-85。
最後にACデルコのプレミアムEFB。

公称CCAは660、5時間率容量は60AhでこれもVARTAと同じ(なのにQ-85)
なお、公称RCは125分(※1)
各社のHP等を見比べると、筐体が同じなだけに、「2重カバー構造と防爆フィルター」は一緒でした。
また、「EFBバッテリー」というのも一緒。
ちなみに、EFBバッテリーとは、「クラリオス・デルコア社独自の特許技術グリッドを組み込んだトップパフォーマンスバッテリー」とのこと。
日本のメーカー(商社)でも、EFBバッテリーをオリジナルブランドで販売している会社が数社ありますが、要はクラリオス・デルコア製ということです。
なお、このEFBバッテリーは従来品比で寿命200%、充電受入れ性能130%を謳うが、FBのエクノISウルトラはこれをさらに上回る210%、160%を実現している(詳しくは、前回ブログをご参照ください)
(閑話休題)
さて、ではどこが違うかというと、極板(グリッド)の形状と素材ですね。
BOSCHのハイテックプレミアムは、「高性能ファインメッシュハイティングリッド」という目の細かいグリッドを採用して、化学反応の促進=充電受入れ性能が高い事を謳っています。
また、素材にもスズを配合するなどし、耐久性の高さも謳っています。

ファインメッシュハイティングリッド
なお、ACデルコのプレミアムEFBのグリッドは不明です。
格下のプレミアムゴールドでは「フレーム格子」の記載があるも、プレミアムEFBではなぜか未記載ですが(製造委託契約の縛りで書けないのかも?)、価格から察するに、BOSCHのハイテックプレミアムと同じではないかと思われます。
一方、VARTAのシルバーダイナミックは、一般的な「フレーム格子グリッド」を採用していますが、画像で確認する限り、格下のACデルコのプレミアムゴールド、つまりは充電制御車用=「竹」クラスと同じ物のようです。

シルバーダイナミックのフレーム格子グリッド

参考)ACデルコのプレミアムゴールドのフレーム格子グリッド
以上より、VARTAのシルバーダイナミックは、グリッド構造などを「竹」クラスのバッテリーと同じにして、その分リーズナブルな価格設定を実現した商品のようです(・・・ですが、性能ランクはQ-90で一番高いという不思議)
言い換えると、VARTAの性能主張が正しければ、BOSCHやACデルコは無駄に高いだけで、穿った見方をすれば、そもそも性能ランクもそうですが、EFBバッテリーの「従来品比で寿命200%、充電受入れ性能130%」って本当かよ?という事になります。
もっとも、この価格なら文句なしで
VARTA一推しですが・・・(※2)
(※1)
なお、公称RCから性能ランクを計算すると、約102.6なので100相当(Q-75)であり、同じRCであろう他2社の製品も含めて、Q-85~90(115相当)を謳っているのは、明らかにJISに準拠していないのでは?(これについては、国内メーカーにも同じ事が言えるが・・・)
(※2)
アマゾンのレビューを見ると、やはり国産メーカーに比べて不良品比率が若干高いようで、もしハズレ品を掴まされた場合、アトラスと同様に保証を受けたくても受けられない可能性があるため、個人的にはアマゾンで買うのはちょっと・・・
因みに、アマゾン以外だとWEBいち(カインズグループのオートアールズが運営するネットショップ)が14,380円で最安のようですが、価格面でのメリットは薄れます。
(画像はアマゾン、各社のHP等から引用)
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2025/04/04 09:42:36