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2018年07月06日 イイね!

デボネアVのナゾ


 かつて(70年代前半)、いすゞに「ステーツマン・デ・ビル」というナゾの高級車がありました。

 84年頃に、ドライバー誌の「メチャクチャサーキット¥40」というページの「たずねグルマ」というコーナーで取り上げられ、一瞬だけカルトカーマニアの間で話題?になりましたが、当時は販売から10年余りしか経っていないにも関わらず、殆ど知る人もいない超マイナー車でした。
(因みに、40円というのは当時のハガキ代←読者投稿のページのため)


↑俺たちは天使だ!より

↑大激闘マッドポリス’80より

 九州の「ない物はない(車も売っている)」と言われる某ホームセンターに、1台現存しているらしい。三菱の販売店が取り扱っていたクライスラー318などとの違いは、自社ブランドで売っていたこと(実質的には輸入車だが)

 で、今回はそのステーツマンの話ではありません。
 メチャクチャサーキットといえば、初代のデボネア(シーラカンス)がよく読者からコケにされていたのを思い出しますが、今回は、その繋がりで「デボネアV」をネタにしてみたいと思います(強引)

 さて、シーラカンスとまで言われたデボネアが、なんでモデルチェンジできたか、という話ですが、これはモーターファンの毒舌兼坂(←懐かしい)によれば、詳細は忘れたが、まずは肝となるV6エンジンが、クライスラーのライトトラック用に供給が決まって、開発資金を回収できる目途が立ったから、という話だったと思う。

 更に、'88年のソウル五輪までに、新しい自社製高級車が欲しいというヒュンダイ側の事情も、「渡りに舟」だった。
 実際、社史を見ると、「韓国、現代自動車とデボネア共同開発契約締結(85年)」、「クライスラー社向V6エンジン出荷開始(86年)」とある。

 もっとも、当時のヒュンダイは、エンジンやシャーシーは全て三菱製のKDで、三菱から見たら技術提携先ではなく供与先(つまり見返りの資金が目当て)だったので、共同開発といっても、実際の開発は三菱側で進められた。
 これは、ヒュンダイとの契約締結が85年だったことからも明らかである。
※デボネアVは85年秋の東京モーターショウでほぼ完成形の状態でお披露目されており、提携時点で開発は終了していたため。



↑MM、88年10月号より 因みに、グランジャーのエンジンは4気筒2L&2.4L
 
 なお、同時期にFMCしたレジェンドやルーチェもV6エンジンを投入したが、いずれにしても、乗用車用6気筒エンジンを持たなかったトヨタ・日産以外の第三メーカーにとっては、もし売れなかった場合の影響も大きく、ハイソカー市場が拡大しているとはいえ、6気筒を積む新型高級車の開発は、一種の賭けでもあった。
 そういう意味では、資金回収の目途が立っているだけ、三菱は恵まれていたと言えよう。

 こうして、三菱も当時急速に拡大していたハイソカー市場に、無事に本格参入することができた。なにせ、シグマHTだけでは明らかに戦力不足だったから(笑)
 もっとも、こうして誕生した(三菱にとって)待望のデボネアVであったが、売れ行きの方は・・・バブル絶頂期にかけて販売されたにも関わらず、みなさんご存じのとおりですね。


↑ギャラン/エテルナ∑HT、V6・3000デューク(借用画像) 3Lの∑(なにげに大型バンパーで、4.7M超)を知ってる人、何人いますかね?

 因みに、VはV6のほか、VIP,VICTORY,VANTAGE(優越),VERTEX(頂点)の意味が込められているそうです。
 MCは89年9月に行われ(テール周り変更、3000DOHC追加、SOHCも吸気系を中心に改良)、一般的には前期/後期の区分ですが、当時の三菱はモデルイヤー制をとっていたため、小変更はしょっちゅうでした(大まかに分けて、前期が3モデル、後期が2モデル)

 グレードは、後のクラウンで廉価版として登場した「ロイヤルエクストラ」が最上級モデルで、前期途中で加わった「ロイヤルカスタム」は「ロイヤル」をベースにベンチシートにした廉価版、「ロイヤルスペシャル(2000SC)」は88年末に販売された特別仕様車、最高価格車の「ロイヤルAMG」は最終モデル(後期の後半)では消滅しました。
※ロイヤル以外のグレードを書き始めるときりがないので、省略します。


ロイヤルスペシャル

 なお、この車、特異性からか(ロイヤル)AMGがよく話題になりますが、個人的に一番レアなグレードは、89/4の税制改正後に「パーソナルシリーズ」の一員として追加され、それから僅か半年後の10月のマイナーで消滅した3000ツーリング、同スーパーツーリングじゃないでしょうか。
 そもそも、89年1~8月の3ナンバーモデルの月平均登録台数が168台で、うち9割は主力のロイヤル系と思われるため、累計台数は両グレードでも100台ないかもしれません(もちろん、現車は一度も見たことがありません)


↑ネットで1台だけ見た(借用画像)

 あと、内装では「ススキ柄」というジャガード織(※ちなみに西陣織は、産地限定のジャガード織の事で、言うなればコシヒカリの中でも最上級の、魚沼産コシヒカリのようなもの)のオプションがレアアイテムですが、これはスーパーサルーンエクストラ以上で選べたオプションで、最終モデルまで残っていました(但し、後期ではグレーのみに縮小)。


↑前期のすすき柄シート(ベージュ) これぞ和風総本家?

【年表】
86.7 デボネアV発売(ロイヤルAMGのみ、翌月から発売)※87モデル
87.2 スーパーチャージドエンジン追加(スーパーサルーンエクストラ)
87.6 年次改良(3000ロイヤルカスタム、SCスーパーサルーンを追加)※88モデル
88.5 年次改良(SCアクアスキュータムを追加)※89モデル
88.8 車種追加(2000エクシード、同SCスーパーエクシード)
89.4 車種追加(3000ツーリング、同スーパーツーリング)
89.10 マイナーチェンジ(3.0DOHCエンジン搭載車を追加)※90モデル
91.5 年次改良(ロイヤルAMG、DOHCエクシードを廃止)※91モデル
91.10 年次改良 ※92モデル
92.10 モデルチェンジ


P.S.
 昨今のサイトには、誤った記事が多く見受けられる。

 たとえば、「先代末期で消滅した5ナンバーを復活させたのは、三菱グループ内の上級幹部と下級幹部で格差をつける必要があったため」などという、勝手な思い込みによる出鱈目な記事があったり・・・(出処はwikiだと思われたので、後日書き直しておいたが、また書き直されるかも?笑)
 挙句に、一番笑ったのは「(V6エンジンを持たない三菱が)クライスラーからエンジンの供給を受けることが決まり・・・」という記事。話が逆になってる辺り、もはや子供の伝言ゲーム以下である。

 どうも、昨今のネットライターなるコドモ(笑)は、自分で調べもせず、wikiやら何やらの怪しげなHPからコピペして小銭稼ぎする連中ばかりのようだ。
Posted at 2018/07/06 13:57:13 | トラックバック(0) | 日記

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