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2018年07月30日 イイね!

グレードの考察


 新型クラウンから、長年その代名詞的なグレードであったロイヤルサルーンが無くなったらしいですが、販売戦略上はともかく、昔のクラウンを知る人間からすれば、いっその事フーガのように、車名も変えてしまった方が良かったように思います。

 という訳で、今回はモータリゼーションの浸透と共に進化した「グレード」についての考察です(無理やり)

(1)創生期・・・昭和30年代
 初代クラウンが発売された当初(昭和30年1月)、そもそもグレードは存在しませんでした(同年末にデラックスが追加され、それまでのクラウンは「スタンダード」となる)
 一方、翌年4月に発売された、クラウンの対抗馬である初代スカイライン(≒グロリア※)は、当初よりデラックスとスタンダードの2本立てでした。
 二代目になったグロリアは、6気筒を加えた昭和38年6月の時点で、スーパー6、デラックスと、ただのグロリア(スタンダード)の3機種でした。

(2)拡大期・・・昭和40~50年代
 昭和40年代に入ると、モータリゼーションの浸透と共に、各車とも販売拡張を目指して、更にグレードが増えていくようになります。
 例えば、クラウンの例でいえば、発売10年後にあたる昭和40年1月の時点では、初代と同じデラックスとスタンダードの2機種であったのが(セダンの場合)、2代目末期の41年10月にはスーパーデラックス、S、デラックス、オーナースペシャル、スタンダードと倍以上に増え、更に4代目でスーパーサルーン、5代目でロイヤルサルーンというように、ほぼモデルチェンジ毎に上級グレードが積み増しされていきました。

 そのため、デラックスは当初は名前の通りデラックス仕様だったのに、80年代を迎える頃(昭和55年頃)には、既にデラックスとは名ばかりの廉価版であるという珍現象が起きていました。

・昭和55年の例(グロリア)
 上から、ブロアム、SGLエクストラ、SGL、GL、カスタムDX、デラックス、スタンダード。
 因みに、GLは本来「グランドラグジュアリ」の略で、HA30末期に登場したトップグレードでしたが、10年後のこの時点では、既に中堅グレードになっています。




 なお、この頃はまだ高級車も大衆車も売れ筋は中堅グレードあたりで、実際、近所で見かけた430(前期)は、SGLエクストラが1台、カスタムDXが1台(以上セダン)、カスタムS(HT)が1台の計3台というように、比較的分散していました。

(3)成熟期・・・昭和60年代以降
 その後は、いわゆる80年代の景気拡大に伴い、売れ筋が高級グレードに集中するようになっていきますが、その境は、初回車検が3年に延長され、それに伴い60回ローンが登場した昭和58年だったと思います。
 つまり、この頃を境にしてハイソカーブームが広がりを見せはじめ、より高額な車が売れる一方で、同じ車種の中でもマークⅡではグランデに、やや遅れて大衆車のカローラでも(90系以降)SEサルーンに売れ筋が移っていくようになりました。

 そのため、各車とも高級グレードが更に拡充されますが、このグレードの命名方法にも限界が生じます。
 日産はY30の時代、僅か1年の間にトップグレードを2回も入れ替えるという荒芸当を行い、その都度得意客から顰蹙を買いましたが、V30Eブロアムの次はV30EブロアムVIP、その次はV30EターボブロアムVIPといった具合に、グレード名も「寿限無」化を余儀なくされました。

↑寿限無化したグレード名の例(借用画像) エンブレムだけで車幅の1/3近くを占めていた。

 そして、昭和60年代になると、売れ筋の高級グレードが拡充される一方で、今度は売れない下級グレードを整理する動きも出始め、昭和末期には、シーマのように寿限無ネームではなく、タイプⅠとかⅡとかのように単純化させたうえ、それを示すエンブレムを持たない車も登場します。

 もはや、バブル景気により日本も成熟期に入ったため、これ見よがしなエンブレムで威張る時代ではなくなったのかもしれませんが、長いグレード名(と派手なエンブレム)に一番拘っていた日産が、いち早くそれを否定するような行動に出たところは、少し笑えます。
 もっとも、当時の日産は、川又&塩路コンビによる悪政からようやく開放され、久米社長の下で社内改革を行っていましたので、これもその一例でしょうか。

・昭和62年の例(セドリック)
 上から、ブロアムVIP、ブロアム、クラシックSV(旧SGL)、クラシック(旧GL)、スーパーカスタム(旧カスタムDX)
 ついに、デラックス以下のビニールシートのグレードがカタログ落ちした(タクシー、教習車向けを除く)


 因みに、バブル期には前出のSGLエクストラに乗っていた家はシーマに、カスタムSの家はV20ツインカムターボのブロアムになっていました。

※注)初代グロリアは、戦後初の3ナンバー車であるスカイライン1900の発売に当たり、皇太子殿下のご成婚を記念して命名されたもので、独立車種ではなく、あくまでスカイラインの1グレード(スーパーデラックス版)であったため。

P.S.
当面の間、ブログを含めて更新はお休みします。
今まで御覧頂き、ありがとうございました。
Posted at 2018/07/30 19:08:37 | トラックバック(0) | 日記

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