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2020年10月25日 イイね!

ブレーキホースのフルードの垂れを防止する方法(実験編)


では、実験です。

まず、完全な密閉(気密)状態を再現します。
先(口)の細くなった瓶に、水を満杯にして逆さにします。


水は流れ落ちない


なぜでしょう?

大まかな説明になりますが、「口に掛かる大気圧(+水の表面張力)≧水に掛かる重力」だからです。
簡単に言えば、(口が小さいと)そこに掛かる大気圧に押されて水が落ちてこない訳です。


次に、液面に大気圧(1気圧)がかかった状態を再現します。
水の量を減らして(空気を入れて)、逆さにしてみます。


見事に流れ落ちる


今度は「口に掛かる大気圧(+水の表面張力)<水に掛かる重力+水面に掛かる大気圧」になるからです(注)


次に、オートメカニックが言うように、フルードを満杯に補充して中の空気を追い出してから、ラップをして蓋を戻せば(蓋には空気穴があるが、ラップで穴が塞がれるので)、密閉されるのかどうか実験しました。
で、実際に満杯にする方法にTRYしてみました(画像なし)


ところが満杯にしてラップをするのが中々難しく(ラップを伝って溢れてしまう)、なんとか蓋をしてみたものの、ホースからの垂れは気持ち程度しか変わらず(プラシーボレベル)、止めるには至りませんでした。

よく考えれば、ラップだとバイクなどで使われているダイヤフラム(ゴム製の蓋)と同様、自由に変形してしまうので、キャップの穴をコーキングで完全に塞がない限り、結局は大気圧が掛かってしまう訳です(ちなみに、完全に穴を塞ぐと最悪ブレーキが効かなくなるので、実行しないでください)


・・・という訳で、ブレーキホースのフルードの垂れを防止するには、(1)でないとダメで、(2)では垂れます。
しかしながら、ネット上には(2)のラップ説が多くみられます。


いまいち写真がはっきりしませんが、文章からはラップを被せて蓋をしただけのようです


こちらは写真が大きいので、ラップと蓋を被せただけなのが一目でわかります



ネットは便利な情報入手の手段ですが、簡単に情報を得やすい分だけ(読み手側が)安易に理解した気になりやすい・・・という欠点があります。
で、今度はそれが誤った情報として、あっという間に拡散されてしまいます。


また、かつては「既存のTV・マスコミはウソ(=忖度)だらけ、ネットにこそ真実がある」などと言う人もいましたが、今やTVではなく、ネットが人々の娯楽の主力となり、ネット広告をメインにする企業も少なくありません。
歯に衣着せぬ物言いが受けている個人インフルエンサーのブログが、実は全てステマだったなんて珍しくもありません。


今の時代、ネットで得た情報をすぐに鵜呑みにせず、自分で「それが本当に正しいのか?」を常に考える必要があると思います。
もちろん、それは既存媒体の場合も同じですが・・・(事実、オートメカニックはこのように平然とラップ説を掲載していたので)



(注)
なお、この場合でも、口を水に浸けるなどして口から空気が入る余地がない気密状態だと、(瓶の中の空気が負圧になるので)水を吸い上げる力が働き、両者が均衡して流れ落ちません(ブレーキフルード補給機だとか、ペットの水やり補給機などは、この理屈を利用しています)

Posted at 2020/10/25 11:55:01 | トラックバック(0) | 日記

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「やっちまった日産!(ハブ固定方法の雑学) http://cvw.jp/b/2036415/48570740/
何シテル?   07/30 09:19
ネット上には、車の情報に関する様々な誤解やデマ、更にはオカルトチューン (疑似科学)が大手を振ってまかり通っているので、本音で書きます 皮肉屋なので...
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