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2025年06月05日 イイね!

フルブレーキングできますか?(2)


自分は免許を取って約37年、その間30万キロ以上は走ってきましたが、実は一度もフルブレーキングを経験したことがありません。

そういう人は意外と多い、というよりは、フルブレーキングを経験したことのある人の方が、圧倒的に少ないのではないでしょうか?


さて、前回の最初の質問である(走ったり止まったりに欠かせないモノ)の答えですが、
摩擦力が正解です。

摩擦力があるからこそ、その反力として駆動力や制動力が得られる訳です。


で、次の質問である(制動距離を短くするにはどうしたら良いか?)ですが、力学に詳しい人は勿論、勘の良い人ならもう気付いたと思いますが、答えは、
3の「タイヤのグリップ力を上げる」が正解です。

つまり、制動距離は、道路構造令にあるように「車両速度、運転手の反応時間、すべり摩擦係数」の3要素で決まるのですが、反応時間を無視すれば、
L= v0^2 /(2×g×f)となります。
※道路構造令の解説と運用より
L:制動距離(m)
v0:制動開始時の速度(m/s)
g:重力加速度(9.8m/s^2)
f:すべり摩擦係数

ここで重要なのは、fはタイヤと路面間のすべり摩擦係数なので(制動力=路面との摩擦力の反力)、フルブレーキでタイヤがロックする(あるいはABSでロック寸前)までブレーキを踏めば、欧州製のスーパーカーだろうが軽自動車だろうが、タイヤが一緒なら同じ値になります。

つまり、ブレーキ性能を上げたところで制動距離は縮まらないが、タイヤのグリップ力を上げれば縮められるという事です。


また、質量の影響についても、高校で習ったエネルギー保存の法則から「運動エネルギーが熱エネルギー等に変換されたから車が止まるのであって、運動エネルギーとは質量×速さの二乗÷2なのだから、質量に比例して制動距離が延びるはず」と安直に考える人も多いですが、それも誤りです。
※教習所や免許更新の際に、「制動距離は速度の二乗に比例して延びる」と習いますが、質量はどこにも出てこない事を思い出してください。

この運動エネルギーに関して言うと、ブレーキが運動エネルギーと同じ大きさで反対向きの仕事(=質量×加速度×距離)をしたから、運動エネルギーが減少して熱エネルギー等となり、車が止まるのです。

ですから、運動エネルギー=(負の)仕事となるため、質量は相殺されて、速さの二乗÷2=加速度×距離、つまりV^2×1/2=α×Xとなり、V=v0、α=g×f、X=Lを当てはめれば、上記の式L= v0^2 /(2×g×f)が得られます。
※ここでは空気抵抗などは考慮しない。

従って、質量は制動距離には影響しません。
つまり、車体を軽量化したところで、同様に制動距離は縮まらないのです。
※荷重移動による影響については、別掲します。


この件については、下記のサイトで実例を基に非常に解りやすく説明されていますので、「難しい数式を示されてもよく理解できないよ」という方も、下記リンク先を参照いただければ、目から鱗が落ちること請け合いです。

(また続く)


【リンク】
クルマが重くなっても制動距離は変わらない
(常識を覆す車両重量と制動距離の関係)
https://vehicle-cafeteria.com/braking.html

Posted at 2025/06/05 07:43:51 | トラックバック(0) | 日記

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