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2025年12月12日 イイね!

バッテリーサージプロテクターは必要か?


前回はトルクレンチの話をしましたが、次にブームが来そうな(?)ツールを紹介します。

その名は、(バッテリー)サージプロテクター。


(画像は、JTCのHPより)


他だと、サージサプレッサー、サージショックアブソーバーだとか呼ばれる類の商品です。

どういう目的のための物かというと、要はバッテリー交換時等、ターミナルの脱着をする際にパチッと来る火花放電(俗にいう接点アーク)から、車載電装品を保護するという商品です。

中はバリスタ入れてるだけな気がしますが(インジケーターらしき物が見えるので、他はLEDと抵抗、ダイオードぐらい?)、値段は結構お高くて、画像のJTCの物で実売価格が1万円前後、大陸性の安物でも4千円位はするので、明らかなボッタクリ価格・・・っていうか、クリップの方が原価は高そう。

ちなみに、バリスタとは印可する電圧によって抵抗値が変化する素子のため、電圧が高くなると抵抗値が低くなり電流が流れますが、それによる電圧降下で回路を一定の電圧内に抑える、即ちサージノイズを吸収する効果があります。
※バリスタの等価回路は、2つのツェナーダイオードを逆向き接続したものにコンデンサを並列接続させた構成になっているので、極性はありません。

(閑話休題)

車いじりの上級者あるいは電気に本当に詳しい方なら、こんな商品は一蹴するでしょうが、人生初のバッテリー交換で火花を飛ばしてしまい、「車が壊れたんじゃないか」と心配して夜も眠れない(?)初心者だとか、中途半端に電気知識があるせいで「うんうん、サージ対策してないと危ないよね~」とか言っちゃう人は、喜んで飛びつくかもしれません。

まあ何を買おうが個人の勝手なので、欲しい人は止めませんが、この物価高のご時世、無駄な散財は極力防ぎたいし、せっかく買ったのに「またこんな余計な物買って!いったい何考えてるのよ?」と奥さんに怒られるのも面白くないハズ(笑)

以下はそうした節約派あるいは恐妻家の方のために、「なぜサージプロテクターが不要であるのか」についてお話します。


(1)そもそも車載の電子機器側でノイズ対策(EMS)はやっている。

オカルトチューンや車内アクセサリー系の商品だと、自作パーツ並の素人設計なので、何の対策もされていない事が多いが、純正品に限らずマトモなメーカーの製品なら、EMSを考慮して設計されています。

(参考)
EMSや、素人設計の怖さについて詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ↓
【車両火災】自作ホットイナズマの危険性
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47705411/


(2)火花が飛ぶので驚く人もいますが、バッテリーの接点アークは電圧も低くエネルギーも小さい。

雷(直撃)サージや過大なロードダンプなら、EMSが考慮されていても壊れる事もありますが、この程度のノイズで壊れるようでは製品として成り立ちません。


実際、日本中に(トラックなども含め)約8,000万台の自動車がありますが、平均して2年に1度のペースでバッテリー交換等をすると考えれば、1日に11万台余りの車で端子の脱着をしている計算になります。

このうち、少なくとも1/3で火花放電が起こったとすれば、1日4万台ほどの車でパチパチやってる訳ですが、もしその程度で壊れるなら、身近に「バッテリー交換で車が壊れた」人がいても不思議ではないのに、そんな話は全く耳にしたことがありませんよね・・・
まあ、そういう事です。

つまり、「知らないとコワイ!」のは、サージ電圧ではなく、
このような無意味な商品を掴まされてしまう事の方です。

Posted at 2025/12/12 09:50:20 | トラックバック(0) | 日記

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「バッテリー交換時、スパークさせないためには? http://cvw.jp/b/2036415/48812316/
何シテル?   12/16 09:31
ネット上には、車の情報に関する様々な誤解やデマ、更にはオカルトチューン (疑似科学)が大手を振ってまかり通っているので、本音で書きます 皮肉屋なので...
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