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2024年04月05日 イイね!

トルクレンチで締めれば完璧?(3)


続き

(4)タイヤ装着時に重要なのは何か?

というわけで、重要なのは一流ブランドあるいは校正直後のトルクレンチを使うことよりも、いかに摩擦係数を揃えるかということ(もちろん、その上で正しい姿勢で作業を行うことも重要です)

仮にホイールのボルトであれば、そこに潤滑剤を使うわけにはいかないので、一部そのような指定がある大型車、あるいはその分の力加減を正確に調整できるプロ中のプロは除いて、ワイヤーブラシ等によるネジ山などの清掃がカギになります(ナットの初期緩み防止も含めて、接触面も一緒に清掃しておく)

よく見ると、ネジ山にはホイールを嵌め込むときの削りカスとかのゴミが結構溜まっているので、これを綺麗にしてから装着する。
また、タイヤを嵌める際も、なるべくボルトに当たらないように気をつける(社外ホイールにおけるハブリングの重要性は、実はこんな所にもあるのだと思う)
そういう視点からは、タイヤショップなどでよく見かける「タイヤを斜め掛けしてインパクトで締め上げ、最後だけトルクレンチを使う」のは論外ですね。


更には、50~100キロ走行後に、必ず緩んでいないかチェック、いわゆる増し締めをすれば、トルクレンチなど使わずとも十字レンチで十分です(むしろ、作業に不慣れな人は支点を意識しないので、十字の方がいいと思う)


・・・と偉そうに書いていますが、実は自分も「形から入る」典型的な人物で、その昔(摩擦接合を知らずに、ホイールを支えているのはボルトやハブ穴であると勘違いしていた頃)、主にホイール用のラチェット型のトルクレンチを購入したし、少し車弄りをするようになってからは、もう少し下のトルクで使えるKTCのデジラチェを購入したりもしました。

ですが、はっきり言って、小型のデジラチェでもエンジンルームなどでは狭くて入らないケースが多く、入ってもまともな姿勢では使えないし、変な姿勢で締めると(ラチェット特有のガタのせいで)「本当に締まってるのか」と不安になる、という事で結局はお蔵入りし、今では専らテルクレンチです(※)

肝心なのは(自戒を込めて)、
道具に拘ることではなく、理屈を考えながら作業をすることだと思う。


(※)注釈
「俺のテルクレンチは正確だぜ」と言っているのではなく、そもそもトルクレンチの使用を指定しているということは、それほどシビアな軸力管理が求められている場所ではないということです(本当にシビアならば、今頃あちこちでタイヤが飛んでいるはず・・・)

弾性域を超えない範囲で、必要な摩擦力が得られナットが緩んでこない状態ならば良い訳ですし、そもそも通常のレンチは、一般成人男性が強く締め付けた場合に、概ねヘッドサイズに応じた標準的なトルクが掛かるように柄の長さが設定されているのだと思う。
Posted at 2024/04/05 17:23:01 | トラックバック(0) | 日記
2024年04月04日 イイね!

トルクレンチで締めれば完璧?(2)


続き

(3)締め付け力のうち、軸力に向かうのは僅か1割

では、なぜ倍近い差が出たのかというと、実は締付力のうちの殆どは摩擦で消え、軸力に向かうのは僅か1割程度だからです。

下記に引用する文章内に、その理由や答えは全て出ているので、そのまま載せます。
(以下は、株式会社ノルトロックジャパンのHPからの引用)

『トルクと軸力に対する摩擦の影響

摩擦は、回転するパーツと被締結材の間(殆どの場合、ボルトまたはナットの座部)と、ねじ部の2つの摩擦面で発生します。
これは、軸力に転化されるトルクの量は非常に少ないということを意味します。トルク/軸力試験は上記2箇所での摩擦係数の特性を見極める上で非常に有効で、締結体に伝達されるトルクを解析すると、通常は伝達されたトルクのうち、たった10%程度しか軸力には転化されません。残りは全て摩擦に奪われてしまうのです。
例えば、ボルトまたはナット座部に伝わるトルクのうち50%、そしてねじ部に伝わるトルクの40%は摩擦によって奪われます。
そのため、トルク法による締付はそれほど効果的なものとは言えません。しかし、潤滑油等によって摩擦係数を下げてやれば、軸力に転化されるトルクの量を高め、効率化することができます。潤滑油を使用すれば、摩擦を低減し、狙った軸力を得るための必要トルク値を下げ、尚且つボルト・ナットへのダメージも低減できるため、再使用時の更なる摩擦のばらつきも最小限に抑えることが可能となります。

ばらつきとその効果

摩擦係数には、かなりのばらつき(通常±20%程度)があり、そのため締付作業の結果発生する軸力にもばらつきが生じてしまいます。また、締付工具の誤差は非常に小さなものにできる(校正されたトルクレンチで±1%程度)ものの、伝達されるトルク自体は±10%から±50%に渡って変化してしまいます。これは、締付作業を行う際の姿勢や工具の使い方によるもので、作業時の姿勢や工具の使い方が伝達されるトルク量にどれだけ影響するかを知ると、多くの作業者は困惑してしまいます。
一般論として、トルク法による締付では、得られる軸力は±30%程度ばらついてしまいます。これは、発生し得る最大の軸力は、発生し得る最小の軸力の2倍にも達することを意味するもので、かじりが起こりやすいステンレス製のボルト・ナットや、錆びたボルト・ナットではこのばらつきは更に大きくなってしまいます(以下省略)』


長くなったので、また続く
Posted at 2024/04/04 17:32:56 | トラックバック(0) | 日記
2024年04月04日 イイね!

トルクレンチで締めれば完璧?(1)


昨今はトルクレンチが普及し、更にはデジタル式の安価なものも登場しているので、持っている方も多いと思います。

自分の父は某タイヤメーカーのエンジニアだったにも関わらず、なんでもバカ力で締めるクセがあって、若い頃、親父が締めた家の車のタイヤを外すのに苦労した記憶があるので、トルクレンチが普及すること自体は良いことなのですが、それと共にトルクレンチを過信するというか、中には「トルクレンチ信者」みたいな人がいたりします。


(1)タイヤをトルクレンチで締め付ける際、3N・mの違いは重要か?

例えば、知恵袋で「タイヤを取り付ける時に100N・mで締めたが、メーカー指定が103N・mだった。締め直したほうがいいか?」みたいな質問があったり、Youtubeなどの動画でちょっとでもカチカチすると、「それじゃオーバートルクだよ」と訳知り顔で書き込む人がいたり・・・

更には、トルクレンチに関しても「一流品じゃなきゃ精度が低いのでダメ」とか、「定期的に校正しないとダメ」とか、さも解ったかのように言う人がいます。

でも、そういう人達って、果たして
本質を理解しているのか疑問です。



(2)肝心なのは、締め付け力ではなく軸力

そもそも、なぜ締め付けトルクが指定されているかというと、締め付け力そのものが重要なのではなく、ボルトの軸力が重要だからです。

以前にも「摩擦接合においては軸力が重要」だと書いたと思いますが、そもそもトルクレンチは締め付け力によって軸力を「推定」するもので、軸力管理の方法としては極めて簡便な方法です。
なので、「締め付け力=軸力」ではないのです。

実際、あるネジメーカーで校正直後のトルクレンチを使って、年齢や熟練度の違う様々な男女を選び実験して貰ったところ、軸力には実に±30%もの差が出たそうです。
±30%ということは、標準を100とすれば70~130なので、最大で倍近い差が出たということになります。

もちろん、ある程度熟練した作業者であれば、ここまでバラつくことはありませんが、一流メーカーのトルクレンチを定期的に校正して貰うなどして、締め付け力を揃えたつもりでも、肝心な軸力を揃えるのは不可能なんです。


続く
Posted at 2024/04/04 09:39:18 | トラックバック(0) | 日記
2024年04月01日 イイね!

バッテリーを補充電するなら、16Vでやろう(結論編)


続き

(5)均等充電した場合(※1)、その後に性能差は出るのか?

先に検証した2年経過のカオスは、半年前にこの方法でリフレッシュしていると書いたが、その効果の程はというと、2時間後のCCAは573なので、
573÷607✕100=94.4%
参考URL)https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47620897

一方、昔使っていたカオスは、約2年経過時のCCA(同じく2時間後)はグラフより335なので、
335÷361✕100=92.8%
参考URL)https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/43826297/

というわけで、(このケースだけで判断するのも早計ですが)15.7Vで充電してセル間のばらつきを整えると、その後半年経過した時点においても2%弱の性能改善効果が残っていたと言えます。


つまり、昔から言われている「バッテリーの寿命を伸ばしたいなら、時々外して補充電すればよい」には理由があったのです。

それが、時間の経過とともにその理由を考える人がいなくなって、言葉だけが脈々と言い継がれてきた結果、自分も含め、
14V台という車上充電と同じ電圧で、意味のない補充電をする人が増えてしまったのです(※2)


(6)そもそも補充電したほうがいいのか?

ただし、均等充電による効果がどれぐらいかを考えると、仮に100%充電できたとしてもいずれは元に戻るし、通常の80%の充電を繰り返していて何か支障が出る訳でもありません。
また、寿命に関しても、半年後に2%程度の性能向上では、誤差の範囲内と言われればそれまでだし、それを半期毎に繰り返したとしても、最終的に大して影響はなさそうです(もちろん、繰り返すことにより効果が累積される場合もあるので、継続監視しようとは思っている)

特に、昨今の日本製バッテリー、それもカオスならば、経験上ほぼ乗りっ放しでも(仮に滅多に乗らなかったとしても)最低6年間はCCAが7割を切ることはないので、バッテリーの性能や品質の低かった昭和の時代ならともかく、
現代においては「時々外して補充電すること」自体に意味がないと思います(自分のような暇な趣味人は別として・・・)

ですから、表題の通り「バッテリーを補充電するなら、16Vでやる」方がいいけれども、「バッテリーあがりを起こした時でもない限り、あえて補充電する必要もない」というのが結論です。

ここまで引っ張って最後はそのオチかよという声が聞こえてきそうですが・・・


※注釈
(※1)GSユアサへ別件で質問した際の回答によれば、同社では自動車用鉛蓄電池に16Vで充電することを均等充電とは言わないそうですが、考え方としては合致していると思うのであえて使用した。
なお、公益社団法人日本電気技術者協会のHPには、均等充電について、以下のように書かれている。
『(3)均等充電
 蓄電池は多数個直列にして使用されるが、長期間浮動充電で使用すると、各セル間の電圧や比重のバラツキが生じてしまう。このバラツキをなくすために、3〜6ヵ月に1回均等充電を行う。均等充電は回復充電のときと同様に充電装置の出力電圧を上げて過充電を行う。』

(※2)「乗らずに放っておくのがバッテリーにとって一番良くないので、その場合は例え14V台でも補充電する意味はあるんじゃないか?」と考える方もいると思いますが、少なくともカオスに関しては「乗る頻度による耐久性に、違いは殆ど見られない」というのが、経験上得た結論です(参考:https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/43826297/)

Posted at 2024/04/01 16:35:09 | トラックバック(0) | 日記
2024年04月01日 イイね!

バッテリーを補充電するなら、16Vでやろう(実践編)


続き

(3)16V出せる充電器はあるのか?

自分は当時2台の充電器を持っていましたが、片方は定格14.8V、もう片方は明示されていないものの、14.4Vのようでした。
いずれも安全性(例えば、車載したまま端子を外さずに充電する場合の電装品保護や、過充電になって電解液が減って最悪爆発等すること)を見込んでの設定のようです。

ただ、メルテックのRC50という昔ながらのトランス式の機種なら、唯一16V出せるようでした。

ただ、トランス式なので重いし、スイッチもなく、コンセントを差すと充電開始という昭和の体育会系な充電器だったので(笑)、結局買ったのはBALのNo.2704という機種。
これだと、アイドリングストップ車に対応しているため最高15.7Vで充電できるうえ、2時間で安全機構が働き自動停止するので、うっかり防止の観点からもオススメです。


↑ 電圧と充電電流と充電率を交互に表示してくれるスグレモノ


(4)車上(=オルタ)充電では、満充電になっていない?

BALのNo.2704で15.7VのISHモードを選択すると、最初は通常モードの14.4もしくは14.7Vで充電し、満充電となった時点で昇圧して更に充電されます(安全装置が働くので2時間が限度)

15.7Vモードに突入すると、ほぼ満充電だったはずのバッテリーにもガンガン充電されていきます。
最終的には、全てのセルから均等に泡が上がってくるので、目論見通りセル間の比重のばらつきは解消されているようです。

そもそも満充電と言っても絶対的なものではなく相対的なものであって、オルタの電圧が14Vと14.5Vの車では当然充電量は異なりますが、一般的な充電器による充電あるいは車上充電では、使用劣化したバッテリーのセル間のばらつきは解消されず、そのため新品時の7~8割程度までしか充電できないと考えるのが妥当のようです(※)


更に続く

※注釈
これも先の16Vの情報をくれたHPからですが、GSユアサで、使用劣化品を想定し新品バッテリーをわざと一度上げてからジャンプスタートさせ、その後数回に渡り走行するなどして充電したところ、新品時の7割程度までしか充電されなかったというレポート(Info-Mate vol.44)があるそうです。

ちなみに、カーメディアの中には「今時の車は充電制御が入っているから、常に満充電にはならず、通常バッテリーは8割程度までしか充電できない」などと解かったような事を書いている媒体もあるが、上記の実験は充電制御と非制御でそれぞれ検証したが同じ結果だったとの事から、充電制御が原因でないのは明白で、カーメディアがいかに当てにならない伝聞記事(炬燵記事)、あるいは脳内妄想記事を量産しているか・・・という一例だと思う。
Posted at 2024/04/01 12:33:44 | トラックバック(0) | 日記

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