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2024年07月28日 イイね!

【雑学】バッテリーテスターの種類(後編)



最後に、一番ポピュラーな方式の物を紹介します。


(3)内部抵抗測定方式(CCAテスター)

一般的にはインピーダンス測定方式と言われていますが、バッテリーは直流なので、正確には内部抵抗測定方式です。

ミドトロニクス社製(或いはそのOEMやライセンス許諾品)以外の、一般にネットなどで売られているDIY向けのCCAテスターは、100%この方式です。
ミドトロ社の特許に引っかからずに、かつ安価でCCAを計算表示するテスターです。

4端子(ケルビン接続)法によってバッテリーの内部抵抗を測定しますが、具体的には、Force線と呼ばれるリード線に(直流)電流を流して、Sense線と呼ばれるもう片方のリード線で電圧(降下)を測定し、そこからバッテリーの内部抵抗を計算し、更にはCCAを導き出します。
※一般的なテスターが用いる2端子法では、リード線の抵抗と接触抵抗を排除できないため、バッテリーのような極小の内部抵抗を測るのは困難。


CCAを導き出す方法は各社様々なようですが、そもそも交流で電気伝導率を測定する(2)に比べると若干精度は低くなりますし、また温度や充電状況でも結構差が出ます(ミドトロ社のは温度センサーも付いており、温度補正もしているが、これらには温度センサーの類は付いていない)

よく、数社のバッテリーのCCAを比較測定して、ネットに上げてる人がいますが、ミドトロ社製ので計測したのならまだしも、これらで計測しても(条件が違えば)正確な比較にはなりませんので、参考までに・・・




自分は、左のDHC-DS社製(恐らく台湾企業のOEM)と、右の中華製の2つのCCAテスターを持っていますが、前者はSLDR(シングルロードダイナミックレジスタンス)というアルゴリズムに関する特許を北米などの4か国で持っているようで、一応聞いた話だと、通常の常温域においてはミドトロ社のテスターと比較しても、さほど差はないそうです。

因みに、中華製の方だとDHC-DS製より基本的に数%高めに出る傾向があり、また充電後1時間ごとに測定したところ、測定するたびに数%の誤差(ブレ)もあったため、信頼性という点ではやや劣ります。

もっとも、値段と使用頻度を考えれば、DIY用途なら中華製の安物で十分だとは思いますが・・・(温度補正もないので夏場は高く出ますから、各種の条件を揃えて測定することの方が重要)


Posted at 2024/07/28 20:43:54 | トラックバック(0) | 日記
2024年07月27日 イイね!

【雑学】バッテリーテスターの種類(中編)



そのバッテリーテスターですが、大まかに分けると前回書いたように2つですが、正確には3つの方式があります。


(1)負荷測定方式(ロードテスター)

これは、負荷をかけて始動(放電)時の最低電圧と回復電圧を測り、劣化判定する方式で、従来型のロードテスターのことです。
既に廃盤になってますが、業者向けのGSユアサのバッテリーアナライザーMBA-500などがそうです(画像は取説より引用)



あとは、ライフウインクもこれと同じ原理のものです。


訳知り顔の人は「バッテリーへの負荷が大きいので、測定することで却って劣化を早める(場合によってはトドメを刺す)」とか言いますが、以前にまとめた〈「アイドリングでは殆ど充電されない」は嘘?〉にもあるとおり、大電流が流れると言っても一瞬の話なので、大した負荷ではありません。
逆に、一発でトドメを刺されるようなら、そもそもご臨終(よくぞ限界まで使ったな)というだけです。

ただ、個人的にはこの手のアナライザーを今も使っている整備工場などは、ちょっと時代遅れな印象も受けます。


(2)コンダクタンス測定方式(CCAテスター)

よくCCAテスターの説明で出てくる「コンダクタンス(電気伝導率)を測定して、CCAを導き出す」方式です。
そのアルゴリズムについては、ミドトロニクス社が特許を持っています。

「温度や充電状況によって測定結果が左右されない」と謳っていますが、全く影響がないと言う訳ではなく、実際には誤差も出るようですし、そもそもアルゴリズムによって数値を導き出しているのであくまで推計値ですが、信頼性は高いと言われています(お値段の方も高いですが・・・)


なお、コンダクタンスとは、直流回路では電気抵抗の逆数、交流回路ではインピーダンスの逆数の実数部ですが、ややこしくなるので説明しません(詳しく知りたい方は検索してみてください)

簡単に言えば、後述するバッテリーの内部抵抗を計測しているタイプのものとほぼ同じですが、測定方法及び精度は異なります。
コンダクタンスの具体的な測定方法は、こちらをどうぞ(古河バッテリーの販促資料より引用)



ちなみに、このテスターを内蔵したバッテリーは、簡易なライフウインクよりも後に製品化されましたが、凝った仕組みの分だけ値段の方も高く、殆ど売れずに、すぐに廃盤になってしまったようです。

(続く)
Posted at 2024/07/27 08:36:59 | トラックバック(0) | 日記
2024年07月26日 イイね!

【雑学】バッテリーテスターの種類(前編)



「バッテリーテスター」で調べると、大抵はロードテスターとCCAテスターの2種類が出てきます。

「ロードテスターはバッテリーに負担を掛けるので古いタイプ、そうでないCCAテスターが新しいタイプ」という大まかな認識の人も多いと思います。


それぞれどのようなものか、WEB CARTOPの記事を引用してみます。







これは、ある自動車ジャーナリストが書いた記名記事ですが、毎度の事ながら技術的に正しく理解せずに書いているうえ、表現力の方も微妙なので、ツッコミ所が満載の文章になっています・・・
が、細かい指摘を抜きにすれば、他のサイトを見ても、大体似たような説明が並んでいます。

なので、冒頭に記したような認識の人が多いのだと思います。

(続く)


Posted at 2024/07/26 13:58:31 | トラックバック(0) | 日記
2024年07月12日 イイね!

相変わらずズレている自動車ジャーナリスト(3)


この件に関連して、別なニュースも見てみます(画像はヤフーニュースより引用)





ニュースコメントより、共感を集めた主要なコメントをピックアップしてみました。












このように、現場を知る人々からは、辛辣な意見が続出していました。
前々回に「民意が正しい訳ではないが」などと、解ったような事を書きましたが、今回は民意が正しかった(笑)


もっとも、最後のコメントにあるように、これはトヨタに限った話でもありません。

その昔、「マーケティング主導のトヨタに比べ、良心的な車作りの日産」などと、妙に日産の肩を持つ自動車ジャーナリストが複数いたせいか、下請けいじめに関しても、日産よりトヨタの方が酷い(曰く、乾いた雑巾を絞るような)とのイメージを持つ中高年カーマニアも多いと思いますが、実際は日産の方が更に酷かった。


その辺りの事情については、清水一行の小説「系列」に詳しく書かれていますし、日産のダメダメぶりは高杉良の「労働貴族」を読めばよく解ります(初版では登場人物が仮名でしたが、後の改訂で実名に変えたぐらいですから、よほど取材内容に自信を持っていたのでしょう)

小説とはいえ、ノンフィクションに近いこれらの企業小説で、昭和の時代に指摘されていた事柄が、下請けいじめにしても、お家騒動(権力闘争)にしても、令和の今になっても殆ど変革されていない旧態依然とした自動車業界。
お客様に向けては、トヨタイムズとか新しさを色々アピールしているが、その裏側(本質)は何も変わっていない。


自動車ジャーナリストも、ジャーナリズムを語るからには、御用記事ばかりでなくもっと切り込んだ記事を書いてほしいものですが、まあ期待薄ですね。


Posted at 2024/07/12 16:35:26 | トラックバック(0) | 日記
2024年07月12日 イイね!

相変わらずズレている自動車ジャーナリスト(2)


前回のブログで書いた自動車ジャーナリストのMさん、エキスパートとして寄せたヤフーコメントに殆ど共感が得られなかった事が気に入らなかったのか、あるいは他に理由があるのかは解りませんが、わざわざ自前で記事を書いて出版サイトへ持ち込んだようです(画像はヤフーニュースより引用)




これがヤフーニュース上で取り上げられると、しかしというか、案の定コメント欄は荒れまくり・・・


下に書かれたコメントが「自動車ジャーナリストが、いかに世間とズレているか(井の中の蛙であるか)」を如実に表しているように思う。




中には、「部外者のド素人は黙っとけと読んでて腹が立ちました。」と書いている人もいました。
そりゃ、自動車ジャーナリストなんて自動車メーカーからは接待される側、つまり大事なお客様ですから、製造現場の内情なんて裏側の話は知らないのでしょう。
なので、こういう脳天気な記事を書いてしまう・・・

ですが本来「ジャーナリスト」を名乗るなら、その程度の内情くらいは知っていて然るべきであって、これでは試乗記などの広告記事を書いてお金を貰うだけの単なる商業ライターで、お金を貰わずに趣味で車を語る我々素人のほうが、自由に語れるだけマシです。


以下は、大手ジャーナリズムによる記事です(6日付の読売の社説を引用します)

「日本最大のメーカーであるトヨタ自動車の子会社で、下請法に違反する行為が発覚した。グループを挙げ、下請け企業との取引の適正化を進め、再発防止を徹底するべきだ。

公正取引委員会は、トヨタ自動車の子会社「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」が、下請け企業に無償で金型を長期間保管させたことなどは下請法違反にあたると認定し、再発防止を求める勧告を行った。
この会社は、一般車両向けのパーツや救急車など特装車両の製造を手がけている。バンパーの製造に使う金型などを、長期間発注を行う予定がないにもかかわらず、49社に無償で保管させていた。
下請け業者側の損害は、合計で数千万円に上る可能性がある。
さらに、この会社は、取引先の計65社に対し、品質検査を実施していないのに、不良品だったとして不当に返品していたという。

下請法は、大手企業が優位な立場を利用して、下請け企業に対し、金銭やサービスの提供を強制することを禁じている。今回の違反は、一方的に負担を押しつける行為であり、看過できない。
金型を巡る取引の不透明さは、これまでも製造業全体で問題視されてきた。政府は2019年に、大手が下請けに金型の保管を指示した際には、その費用を負担する基本原則をまとめている。
なかでも自動車産業では、金型が多く使われていることから、無償で保管させる問題点は、業界全体で自覚していたはずだ。
それにもかかわらず、業界の盟主であるトヨタグループで違反が発覚したのは残念である。

トヨタは、この会社に9割超を出資している親会社だ。グループの取引を再点検し、不正を根絶しなければならない。
公取委は、下請けいじめの是正を積極的に進めている。下請法による勧告は、23年度に13件に上り、前年度から7件も増えた。
今年3月には日産自動車に対し、下請け企業への納入代金を発注後に引き下げたとして下請法違反にあたるとも認定している。引き続き監視を強化してほしい。

下請け企業との取引適正化は、日本経済の重い課題である。政府が目指す経済の好循環を実現するには、企業がコスト削減ばかりに励む経営を改め、賃上げを広げることが不可欠なためだ。
自動車産業は、関連企業を含めて約550万人の雇用を抱え、影響力が大きい。率先して範を示していってもらいたい。」


前回の不正認証問題の際の会見では、トヨタ会長自ら謝罪しつつも、国の認証制度に対する恨み節?も口にしておられたようですが、今回の件について、グループ総帥として何か語る日が来るのでしょうか?

Posted at 2024/07/12 16:06:24 | トラックバック(0) | 日記

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「荷重移動を考えて走ろう(EBDの誤解) http://cvw.jp/b/2036415/48479188/
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