前回の続きで
お次はシンクロスパークなる、やはり点火系の商品(画像は全てモーターファンより)
販売元は、一部にコアなファンも多かった三田無線研究所です。
どういう構造かは詳しく書いていないので不明ですが、CDIにトランジスタイグナイター「シンクロパルス(PAT.)」を組み合わせ、スーパーチャージ回路(PAT.)でエンジン始動中から15,000回転を超える超高速まで、高エネルギースパークを供給する点火増強装置だそうです(※1)
まあそもそも、CDI(Capacitor Discharge Igniter)とTCI(Transistor Controlled Igniter)って昇圧回路が違うだけなのですが、昇圧回路にトランジスタを組んだら、それはTCI=フルトラじゃないの?(笑)
仮に両方の昇圧回路を持つハイブリッド型だったとしても、回転数によって両者を切り替えるなんて高度な事はやっていないだろうし、画像で見えるスイッチで手動で(街乗りと高速とで)切り替えをしていたのか何なのか不明ですが、いずれにしても前回書いたように、スパークを強化してもパワーアップはしないので、つまりは
ゴミ無意味な商品です(だいいち2STバイクじゃあるまいし、市販車で15,000回転も回るエンジンの車なんて聞いたことがない)
当時はCDIってフルトラより進んでいて高性能みたいな勝手なイメージがあったので、ハイブリッド型にすれば最強だと思ったのでしょうが、シンクロスパークにしても、あるいは有名処の永井のウルトラCDIにしても、これらに置き換えて本当に効果があったのは、失火するのが当たり前だったポイント式の
ポンコツ車絶版車ぐらいです(当時は旧車の事を絶版車と呼んだ)
後は大手であるローヤル(イエローハット)が売っていた燃料改質?装置のパワーZ。
取付図にあるエアクリが時代を感じさせますが・・・(まだキャブ車の方が多かった時代のため)
この手の「粒子レベルで云々」という商品は21世紀に入っても百花繚乱状態ですが、確か似たような商品が排除命令を受けていたと思います(※2)
粒子レベルでとか、量子力学的にどうとか言って煙に巻くのは、昔からオカルト業者の常套手段ですから、もしメカに強くなくても、これらの言葉が出てきたらオカルトだと思ってまず間違いないです。
なにせ、量子力学という学問自体がまだ未解決の問題を多く含んでいるので。
それにしても、こうしたグッズを売るアフターパーツ業界、手を替え品を変え、何十年も同じものを造って消費者を騙し続けて、全く懲りない連中ですね。
また、市販のグッズでは飽き足らず、自作チューンをする人がいたのも現代と全く同じです。
文面からしてオーディオオカルトにも嵌っている方のようですが、この方によれば、デスビにビニール被膜の銅線を這わせるだけでパワーアップするそうです。
因みにこの方、御年42だそうで(84年当時)、今でもご存命ならその理屈を是非伺ってみたいです。
もしかして、トヨタみたいに「帯電ガー」とか言ったら笑えます。
で、この方は自作以外に定番グッズも一通り試しているらしく、「パワーエキサイターは効果があるが、ガンスパークは効果がない」などのウンチクも書いていますが、面白いのはネットを見ると「どこぞのリアクターは効果がないインチキだが、これは効果がある」と言う人が(現代にも)いること。
所詮理論がイカサマなんだから、インチキなのはどれも一緒のはずですが・・・
注釈
(※1)
宣伝文句中にPAT.を乱発していることからも解るように、昔から特許を逆手に取って宣伝する業者は結構いました(特許=「効果があるという国のお墨付き」あるいは「効果が科学的に実証された」と考える消費者が一定数要るので)
一方、もし仮に本気で開発したのだとすれば、
専門バカ木を見て森を見ない類です(無線研究所だけに、電波君だった?)
(※2)
2008年2月8日付で行われた公正取引委員会による排除命令の一覧
(ソフト99などは排除命令を受けて販売休止や自主回収などの真摯な対応をしましたが、コムテックを始め今でも販売継続している信じられない企業も見受けられるため、今更ですが改めて注意喚起のために掲載します)
●ソフト99コーポレーション『ギガスマルチパワータブレット』
●奈良健康堂『ランナップ』
●ル・モンド『エコストラップ』
●ニッポンエミール『ハイオクくん』
●ニューイング『燃良太郎』
●オージーシステム『ハイパーグローブ』
●コムテック『マグチューン』
●ZERO-1000『パワーネオプロフェッショナル』
●すばるメディア『起爆水』
●ピエラス(卸売)『起爆水』
●高野自動車用品『サイクロン3』
●インテークマジック『インテークマジック』及び『アウターマジック』(セット販売)
●バッファロー『フューエルバンクEVO. II』
●コアーズインターナショナル(卸売)『フューエルバンクEVO. II』
●リッツコーポレーション『リッツパワーシフトMS-001』
●リッツソリューション(卸売)『リッツパワーシフトMS-001』
●サン自動車工業『ホットイナズマポケット』
●スカイフィールド『ネオソケットエコ』
●レミックス『エコサンダー』
以上
Posted at 2025/02/25 12:13:51 |
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