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2025年02月25日 イイね!

80年代のカーライフ2


前回の続きで

お次はシンクロスパークなる、やはり点火系の商品(画像は全てモーターファンより)
販売元は、一部にコアなファンも多かった三田無線研究所です。


どういう構造かは詳しく書いていないので不明ですが、CDIにトランジスタイグナイター「シンクロパルス(PAT.)」を組み合わせ、スーパーチャージ回路(PAT.)でエンジン始動中から15,000回転を超える超高速まで、高エネルギースパークを供給する点火増強装置だそうです(※1)

まあそもそも、CDI(Capacitor Discharge Igniter)とTCI(Transistor Controlled Igniter)って昇圧回路が違うだけなのですが、昇圧回路にトランジスタを組んだら、それはTCI=フルトラじゃないの?(笑)

仮に両方の昇圧回路を持つハイブリッド型だったとしても、回転数によって両者を切り替えるなんて高度な事はやっていないだろうし、画像で見えるスイッチで手動で(街乗りと高速とで)切り替えをしていたのか何なのか不明ですが、いずれにしても前回書いたように、スパークを強化してもパワーアップはしないので、つまりはゴミ無意味な商品です(だいいち2STバイクじゃあるまいし、市販車で15,000回転も回るエンジンの車なんて聞いたことがない)

当時はCDIってフルトラより進んでいて高性能みたいな勝手なイメージがあったので、ハイブリッド型にすれば最強だと思ったのでしょうが、シンクロスパークにしても、あるいは有名処の永井のウルトラCDIにしても、これらに置き換えて本当に効果があったのは、失火するのが当たり前だったポイント式のポンコツ車絶版車ぐらいです(当時は旧車の事を絶版車と呼んだ)


後は大手であるローヤル(イエローハット)が売っていた燃料改質?装置のパワーZ。
取付図にあるエアクリが時代を感じさせますが・・・(まだキャブ車の方が多かった時代のため)


この手の「粒子レベルで云々」という商品は21世紀に入っても百花繚乱状態ですが、確か似たような商品が排除命令を受けていたと思います(※2)

粒子レベルでとか、量子力学的にどうとか言って煙に巻くのは、昔からオカルト業者の常套手段ですから、もしメカに強くなくても、これらの言葉が出てきたらオカルトだと思ってまず間違いないです。
なにせ、量子力学という学問自体がまだ未解決の問題を多く含んでいるので。

それにしても、こうしたグッズを売るアフターパーツ業界、手を替え品を変え、何十年も同じものを造って消費者を騙し続けて、全く懲りない連中ですね。


また、市販のグッズでは飽き足らず、自作チューンをする人がいたのも現代と全く同じです。


文面からしてオーディオオカルトにも嵌っている方のようですが、この方によれば、デスビにビニール被膜の銅線を這わせるだけでパワーアップするそうです。
因みにこの方、御年42だそうで(84年当時)、今でもご存命ならその理屈を是非伺ってみたいです。
もしかして、トヨタみたいに「帯電ガー」とか言ったら笑えます。

で、この方は自作以外に定番グッズも一通り試しているらしく、「パワーエキサイターは効果があるが、ガンスパークは効果がない」などのウンチクも書いていますが、面白いのはネットを見ると「どこぞのリアクターは効果がないインチキだが、これは効果がある」と言う人が(現代にも)いること。
所詮理論がイカサマなんだから、インチキなのはどれも一緒のはずですが・・・


注釈
(※1)
宣伝文句中にPAT.を乱発していることからも解るように、昔から特許を逆手に取って宣伝する業者は結構いました(特許=「効果があるという国のお墨付き」あるいは「効果が科学的に実証された」と考える消費者が一定数要るので)
一方、もし仮に本気で開発したのだとすれば、専門バカ木を見て森を見ない類です(無線研究所だけに、電波君だった?)

(※2)
2008年2月8日付で行われた公正取引委員会による排除命令の一覧
(ソフト99などは排除命令を受けて販売休止や自主回収などの真摯な対応をしましたが、コムテックを始め今でも販売継続している信じられない企業も見受けられるため、今更ですが改めて注意喚起のために掲載します)
●ソフト99コーポレーション『ギガスマルチパワータブレット』
●奈良健康堂『ランナップ』
●ル・モンド『エコストラップ』
●ニッポンエミール『ハイオクくん』
●ニューイング『燃良太郎』
●オージーシステム『ハイパーグローブ』
●コムテック『マグチューン』
●ZERO-1000『パワーネオプロフェッショナル』
●すばるメディア『起爆水』
●ピエラス(卸売)『起爆水』
●高野自動車用品『サイクロン3』
●インテークマジック『インテークマジック』及び『アウターマジック』(セット販売)
●バッファロー『フューエルバンクEVO. II』
●コアーズインターナショナル(卸売)『フューエルバンクEVO. II』
●リッツコーポレーション『リッツパワーシフトMS-001』
●リッツソリューション(卸売)『リッツパワーシフトMS-001』
●サン自動車工業『ホットイナズマポケット』
●スカイフィールド『ネオソケットエコ』
●レミックス『エコサンダー』
以上

Posted at 2025/02/25 12:13:51 | トラックバック(0) | 日記
2025年02月24日 イイね!

80年代のカーライフ(オカルトチューニング?)


家の片付けをしていたら、中高生の頃(80年代中頃)に買ったカー雑誌が何冊か出てきました
片付けそっちのけで(笑)中身を見てみると・・・

ネットのなかった当時は、カー雑誌の投稿欄が今でいうSNSみたいなもので、愛車レポートから意見欄、個人売買、更には雑誌によっては恋人募集コーナーまであり、後者だと氏名や細かい住所だけでなく、電話番号まで載っていたりして。
物騒な事件の多い昨今に比べ、昭和は今思えば平和な時代だったんですね・・・


で、ついつい興味を持ったのが、オカルトチューン(笑)
実はこの手のチューンって、80年代当時は今よりも流行っていたように思う。

というのも、自分もこの時代の車が好きでハチマルやキューマルを所有していますが、キューマルは今乗ってもそれほど違和感がないけど、ハチマルはブレーキや加速性能が明らかに低く、イマドキはおばちゃんの乗った普通の軽にも煽られるぐらいなので(笑)
裏を返せば、まだ日本車が発展途上だった時代であり、それゆえに少しでも性能UPしたいというユーザー心理があったのだと思う。


まず定番なのは、ハスコーのガンスパーク(画像はカーアンドドライバーより)


「ノーマル比3倍のスパーク」がウリですが、多くの人が誤解していますが、そもそもスパークが強くなってもパワーアップなどしません。

というのも、スパークの強さと火炎核の成長過程に因果関係はなく、火炎伝播速度は専らシリンダー内の渦(乱流)に依存するため、スパークが強くなったからと言って火炎伝播が速くなることはないからです。
つまり、正常に引火さえすれば、その後の燃え広がる早さは一緒だということ。

また、百歩譲ってスパーク強化で火炎伝播が早まったとしても、優秀なメーカーの技術者が設計した最適バランスを崩し、かえってノッキング等を起こすだけで、何も良い事はありません。
もしノッキングが起これば、ノックセンサー(振動センサー)の信号により点火時期を遅らせることになるので、むしろパワーダウンします。
(教訓:下らないチューニングをするより、ハイオクでも入れた方が良い)


但しコレ、完全なオカルトパーツではなくて、失火が当たり前だった60年代以前のポイント式の車にはそれなりの恩恵があった商品でした・・・(接点式だとアークにより1次コイルの電流を完全に遮断できず、2次コイルの電圧が昇圧しきらない状態で放電が始まって失火する事があったため、それなりに効果があった)

しかしながら、80年代当時は10年以上経過した車に乗っている人は殆どおらず(60年代どころか70年代の車でもガタが来るのが早かったので、10年経たずに廃車されていた)、既に過去の遺物でした。
それにもかかわらず「クルマはつねに失火をしています」などと出鱈目を書いて、さも全ての車に効果がある様に謳っていたのだから、これも立派なオカルトパーツ。

おまけに各誌に毎号のように宣伝を載せるなど、大々的な販促活動を行っていたので、(理屈を知らずに)当時の現行車に装着していた人が多くいました。


この手のスパークを強化するという化石のようなパーツは、今でもしつこく売られていて、たとえばホットワイヤーなる商品は「スパークをノーマルの約330倍まで高めることができ、混合気を燃やしきる完全燃焼を実現する」とか書いてますが、こういう文言に騙されるのは「火花の強さに比例してパワーが上がる」と単純に考える人、あるいは自然発火現象を知らない人、例えばノッキングという言葉は知っているが、その意味をよく解っていない人でしょうか。



同じハスコーからは、ラクールというのもありました(画像はモーターファンより)


こちらは加速時にエアコンのコンプレッサーをOFFにする装置で、オカルトパーツではなく実用パーツです。
ちなみに、現代の車なら廉価車でもコンプのオンオフ制御ぐらいはやっていますし、上級車では可変容量式のコンプが当たり前のように採用されています。

当時の車はカタログ性能はそこそこでも、実際にはエアコンを付けるとパワー(特に低速トルク)不足が顕著だったので、このラクールによってパワーアップ効果をかなり体感できたのではないでしょうか?

Posted at 2025/02/24 08:45:59 | トラックバック(0) | 日記
2025年02月05日 イイね!

電気はプラスからマイナスに流れる?


先日、ガラケー(ガラホ)を使っている知人から「バッテリーが3.6Vなのに、今使っている充電器(AC/DCアダプター)はよく見たら5Vだった。ネットでいくら探しても3.6Vの充電器が見つからないが、このまま使っていて燃えたりしないか?」と聞かれた。

そういえば、以前ネット上で「市販されているカーバッテリー充電器の定格電圧は、一般に14V台だ」と書いたら、素人が出鱈目をいうなと(販売関係者を名乗る、自称プロの方から)怒られた事がある。
この人も、「カーバッテリーは12Vなのだから、充電器も当然12Vだ」と思っていたのでしょう。

いずれにしろ、「電気は電位差がないと流れない(→だからオルタの発電電圧はバッテリーより高い)」ことを知っていれば、そういう発想にはならないハズですが・・・という訳で、今回は電気(電流)にまつわるウンチクを。


(1)電気はプラスからマイナスに流れる?
これは電気(電流)の正体がまだよく解っていなかった時代に、概念としてそう考えられただけで、後の時代になって、実際は電子(自由電子)がマイナスからプラスへと流れている事が解りました。

(2)自由電子が多い物質ほど、導電率が高い。
たとえば銅の場合は、最外殻にある1つの電子(価電子)が自由電子となります。
価電子は光や熱の影響で軌道を外れやすく、それが自由電子となりますが、これが多い物質ほど導電率が高くなります。
なお、金属結合とは、この自由電子が原子同士をつないでいる状態です。
一方、共有結合は価電子を手放すことがないので、不導体です。

(3)電気の流れる速さは、光速(30万km/s)と同じ?
ですが、実はその自由電子の移動速度はわずか0.1mm/s以下です(電子の動きそのものは光速の1%ぐらいと速いが、原子に衝突を繰り返しながら徐々に進むため)
ではなぜ電気の速さは光速と同じかというと、電子がトコロテン式に押し出されるからで、つまり電気が流れる速さなのではなく、伝わる速さなのです。

(4)その昔、マスコミにも持て囃された超伝導(超電導)って何?
原子は熱振動をしており、それが物体の持つ熱の正体であると同時に、そのせいで自由電子が余計に原子に衝突することで流れが妨げられますが、これが抵抗の正体です。
また、この衝突のせいで熱が発生し温度が上昇すると、更に抵抗が増えます。
一方、絶対零度(摂氏-273.15℃)では理論上は熱振動がなくなるので、電子が比較的スムーズに動けるようになりますが、これが超伝導という訳です。


・・・と、ここまで理解できれば、「製造時にマイナス196度の液体窒素で凍らせる事で、金属原子の並びが整頓されて電気の流れがスムーズになる」などと謳うアイスヒューズなりアイスワイヤーなりが、典型的な疑似科学だと解ると思います(そもそも本当に凍らせているんだか・・・)
Posted at 2025/02/05 16:27:43 | トラックバック(0) | 日記

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「荷重移動を考えて走ろう(EBDの誤解) http://cvw.jp/b/2036415/48479188/
何シテル?   06/10 16:44
ネットを見てると、車の情報に関する様々な誤解やデマ、更には疑似科学であるオカルト チューンが大手を振ってまかり通っているので、本音で書きます 皮肉屋...
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