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LGtouringのブログ一覧

2025年05月31日 イイね!

草ヒロ起こしで思い出した、タイヤのユニフォーミティ


先日、「北海道で会社の敷地から勝手に時価20万相当の車を運び出した」としてロシア人が逮捕されたというニュースが流れました。

最初に聞いたときは、てっきり中古の営業車(バンとか)でも盗んだのかと思いましたが、



映像見たら草ヒロじゃん(笑)

しかも会社の敷地って、ただの荒地・・・さすが北海道はスケールが違う。

これも旧車ブーム(?)に乗っかった犯罪でしょうか?


さて、最近はこういう草ヒロを起こしてヤフオクとかで売る人がいますが、中には大手中古車情報サイトに出している販売業者も・・・


ボディに堆積した緑コケ(カビ?)が落としきれてないようです


ここも・・・


ボンネットにはよくわからない汚れも


極めつけはコレ

って、タイヤにも緑コケが付いていることを言いたいんじゃなくて、銘柄に注目して欲しいんですよ。

オーツエクノバEX-711!

自分と同じかそれ以上の世代の方なら、もしかしてご存じかもしれませんが、80年代後半~90年代初頭に売られていた、今は亡きオーツタイヤの中級モデルです。


自分が学生の時(バブル期)、タイヤ&ホイールをドレスアップしたくて、でもお金がなくて、このエクノバのEX-651(711の65版)にしました。

ですが、交換早々強烈なシミーに悩まされることに・・・
ホイールの問題もあったんですが、それを解決してもなお振動は残りました。
(タイヤのユニフォーミティがまるでダメ)

そのせいで、誰よりも振動に敏感になって・・・
おかげで今では、僅か0.1ミリのナットの緩みでも気付けるようになりました(笑)


個人的に言わせてもらえば、トーヨーやヨコハマもユニフォーミティはダメです。
昔新車で買った17クラウンに付いてきたのがトーヨーJ20でしたが、100キロ前後で細かいシミー(の一歩手前、ハンドルが浮くような感じ)が・・・
我慢できないレベルではなかったのですが、結局2年ほどで新しいレグノ(GR8000)が出たので、すぐに履き替えました。


一方、ヨコハマはフラッグシップのアドバンデシベル、中級モデルのブルーアースAのどちらもダメでした。
いずれも程度の差はあれど、90キロ前後での微少なシミー、それ以上の速度域ではシェイク(車体振動)にも悩まされました。
※いつもはBSかDLだったのですが、ほぼ同時期に4セット買う必要があり(出費を抑えるため)「ヨコハマなら大丈夫だろう」と買いましたが、マトモだったのは1セット(ブルーアースRV)だけでした。

ヨコハマはなぜかバルジデントが目立つタイヤが多く、そのせいだったのでしょう(バルジデント→固い部分→たわまない→振動発生)

実はタイヤの製造(原料の調整)って酒造り(麹の仕込み)と一緒で、その日の気温や湿度にも影響される微妙な物なんです。
昔は熟練工がやっていましたが、BSなどはAI化しています。

(参考)
ブリヂストン独自のモノづくりICTを搭載 最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入
https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2016052502.html


このバルジデント(凹)については、「(凸と違って)内部構造上のもので安全上問題はなく、不良品ではありません」というのがタイヤメーカーおよび業界団体の公式見解ですが、酷い場合はユニフォーミティ(RFV)不良で振動が出ます。
安全上問題はなくても、振動が出るのは立派な不良品では?


これらの経験から、今では年数百キロしか走らない趣味車にもレグノを履かせています。


さて、さきほどの車はいくらで売りに出ていると思いますか?
タイヤからして、少なくとも20年以上は放置されていたように思いますが・・・

なんと、本体価格198万です。

あ~びっくりした。


なお、同じ中古車情報サイトには支払総額75万円の極上と思える前期ロイヤルが出ています(それでも、なかなか売れないようですが・・・)

Posted at 2025/05/31 09:53:04 | トラックバック(0) | 日記
2025年05月30日 イイね!

タイヤは何故飛ぶのか?(本編)


では、本題です。


1 ナット(ボルト)が緩んだ状態で走行した

軸力の低下によって、走行中のタイヤ&ホイールに掛かる荷重(垂直荷重+せん断荷重、曲げ荷重)>摩擦力となり、接合面に相対滑り(フレッティング)が生じますが、その結果、支圧接合のようにハブボルトにも(軸力以外に)せん断荷重、曲げ荷重が掛かるようになります。

緩みに気付かずに走行を続けると、緩みは更に進展し、摩擦力の低下→荷重の増加となり、やがて疲労破断します。
そのため1本が折れると、残りも一気に折れてタイヤが飛びます。

自分も過去に低速で波状路を通過した際、若干の違和感を感じたので、念のため点検したらナットが少し緩んでいた事がありました。
※仮に増し締めの角度を15度だったとすると、ピッチ1.5×15/360≒0.06ミリ、つまり僅かに髪の毛1本分ですが、これでもフレッティングが起こります(なお、この段階ですぐに破断する訳ではない)

一般のユーザーだと、もっと緩みが進行しないとまず気付かないと思いますが、逆に言うと少しでも異変を感じたなら、面倒くさがらずに降りて点検すべきでしょう。


2 塑性域まで伸びたボルトを更に締め付けた

ボルトの引張強度を超えると、最後は破断します。


↑画像は土木LIBRARYより

装着時に破断しなくても、ボルトが伸びて永久変形が残っている場合、適正トルクで締め付けたつもりでも必要な軸力が出ていない事も多く、1のナットが緩んだ状態と同じになりますが、強度が落ちている分、早い時点で破断します。


3 ハブボルトが強度不足だった(品質不良、金属疲労など)

ネットで売られている社外ハブボルトを見ると、強度区分はまず記載されていませんが、割と有名なアフターパーツメーカーの物でも、材質がS45C(高炭素鋼)だったりします。
これに対し純正ハブボルト(強度区分10.9)は、ハイテン鋼であるSCM435(クロモリ鋼)を使用しています。
※S45Cだと、強度区分で言えばせいぜい8.8まで。


↑中には、S45Cをクロモリ鋼だと表記している商品もある(拾い画像)

値段が安い場合は、まずS45Cで間違いないでしょう。
※上記のような怪しい商品もありますので、「日本製=安心」という幻想は捨ててください。

そもそもロングハブボルトを使うという事はスペーサーを入れるという事なので、本来そんな物を使用すべきではありませんが、どうしても使うなら高くても高精度のスペーサーと、純正品(他車種用のハブボルト)の流用に留めるべきかと。

【参考】
その社外アフターパーツ、保安基準に適合していますか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47590722/


他にも、過去にはハブフランジの強度不足(三菱の大型)のような事案もありましたが、あまり一般的ではないので省略します。

Posted at 2025/05/30 09:41:46 | トラックバック(0) | 日記
2025年05月29日 イイね!

タイヤは何故飛ぶのか?(基礎理論編)


既に夏タイヤへの履き替えシーズンも過ぎたのに、相変わらずタイヤが飛んだというニュースが後を絶たないですが、改めて「タイヤは何故飛ぶ(ボルトは何故折れる)のか?」を力学的に考察します。


1 摩擦接合とは?

高力ボルトにより部材を締結した際に、接合面に生じる摩擦力によって(部材間の)応力を伝達する方法。
車のタイヤ&ホイールがまさにそれ。

※高力ボルト:強度区分8.8以上のハイテンボルト(純正ハブボルトは10.9)
※応力:物体に外部から力が作用したとき(外力)、物体内部に発生する反力を内力というが、その内力を断面積で割ったものが応力(N/㎟)
応力には、垂直応力(圧縮応力、引張応力)と、せん断応力がある。


2 タイヤ&ホイールに掛かる力

(1)停止中
圧縮荷重、即ち質量分の重さが掛かる。
(2)走行中
上記に加え、主として慣性モーメントによるせん断荷重、曲げ荷重が掛かる(回転軸を中心に振り回す力が掛かる)

※いずれの場合も、車全体を一つの物体として捉えると、応力はホイールとハブの接触面に生じる摩擦力によって伝達されるため、ハブボルトにはせん断荷重、曲げ荷重は掛からず、引張荷重(軸力)のみが掛かっている。


3 慣性モーメントとは?

慣性モーメント(I)は、
I=M×R^2
ここで、M:質量、R:回転半径

※同じ質量の場合、重さの中心が軸から離れるほど回転半径は大きくなる。
つまり、同じ質量のタイヤ&ホイールの場合、より軽量なアルミと重いタイヤを組み合わせた方が回転半径は大きく(=慣性モーメントは大きく)なるが、一般的には大径タイヤほど慣性モーメントは大きくなると理解してください。

なお、日常的によく使うトルク(T)とは何かと言うと、
T=I×α
ここで、α:角加速度
よって、T=M×R^2×α
言葉で言うと、回転軸の周りに働く力のうち、回転方向の成分です。


続いて、本題です。

Posted at 2025/05/29 16:52:50 | トラックバック(0) | 日記
2025年05月23日 イイね!

【ハブボルト】どのくらいの力で締めると伸びてしまうのか?【降伏点】


ホイール&タイヤについては、「ハブボルトで支えているのではなく、接触面の摩擦力で支えている」事については過去にもしつこく書いたので省略しますが、では、どのくらいの力で締めるとボルトが伸びてしまうのでしょうか?

1.
まず、標準的な締め付けトルクについては、T系列という規定がありますが、それぞれ用いられるボルトの用途によって標準トルクが規定されています。

・一般=T系列[N・m]
・電子部品=0.5系列[N・m]
・自動車(車両・エンジン)=1.8系列[N・m]
・建設=2.4系列[N・m]

例えば、M12のボルトだとT系列では42[N・m]、0.5系列では21[N・m]、1.8系列では76[N・m]、2.4系列では100[N・m]になります。

2.
さて、殆どの日本車のハブボルトにはM12が用いられますが、指定トルクは100[N・m]前後が多いようです。

ここで、「あれ?自動車なら76[N・m]じゃないの?締めすぎでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、実はハブボルトには2.4系列が用いられているのです。
従って、使用されるボルトは強度区分10.9の高力ボルトになります。

強度区分10.9とは、引張強度が1000[ N/mm²]、降伏強度はその0.9倍なので[900 N/mm²]です。

3.
では、次に締付トルクと軸力の関係についてですが、
T=k×d×F
となります。

T=締付トルク(N・m)
k=トルク係数
d=呼び径(m)
F=軸力(N)

トルク係数はトルクから軸力への変換効率を表す係数で、主に摩擦の影響により、0.2前後が一般的な値となります。

4.
で、この式を変形すると、
F=T/(k×d)
になります。

つまり、軸力=締付トルク/(トルク係数×呼び径)になるので、M12のハブボルトを100[N・m]で締め付けた場合、k=0.2と設定した場合の軸力は、
100[N・m]/(0.2×0.012[m])≒41,667 [N]です。

5.
さて、では表題の「限界はどこか?」と言うと、ハブボルトの強度区分は10.9なので、降伏強度をベースに考えると、
900[N/mm²]×88.1 [mm²]=79,290 [N] 
※M12×1.5の場合の有効断面積(JIS規格)=88.1mm²のため

つまり、軸力が79,290 [N]を超えると降伏点を超えて伸びきってしまいますが、一方で、JISには保証荷重(弾性限度)が定められており、M12の10.9では70,000[N]とされています。
※保証荷重=これ以下の使用であれば、締めたり緩めたりを繰り返しても問題が起きないとされている(降伏強度の概ね90%)

軸力が79,290 [N]、70,000[N]の時の締付トルクは、T=k×d×Fより、
0.2×0.012[m]×79,290[N]≒190[N・m]
0.2×0.012[m]×70,000[N]≒168[N・m]
※k=0.2と設定した場合

よって、概ね168[N・m]なら安全圏、190[N・m]を超えると危険
(もっとも、手締めでここまでトルクを掛けられる人は滅多にいないと思いますが・・・)


P.S.
なお、これはあくまで純正のハブボルトの話であって、社外品のハブボルトがどの程度の強度を有しているのかは不明です(「競技用ですので一般公道での走行はお避け下さい」と言うのは、「保安基準に適合していません」と同義)

過去にも書きましたが、こうした社外品は設計段階や品質の面で怪しい商品も多いので、足回りなどの重要な部位での使用は避けるべきと考えます。

Posted at 2025/05/23 10:14:03 | トラックバック(0) | 日記
2025年05月14日 イイね!

電制スロットルなのに冷却水が・・・?


前回書いたようにアイシングとは元来キャブレター、それも殆どは剥き出しで冷風に晒されるバイクの世界の話なんですが、よく見たら自分が乗ってるトヨタ車(2016年式)にも、なぜかスロットルボディに冷却水が回っていた。

気になったので、メーカーに何の為かメールで聞いたところ、「温水通路を設けて、極寒時の作動の安定化をはかっています。(原文ママ)」とのこと。
それってつまり、アイシング防止って事だよね?

2016年式だから当然電スロだし、おまけにエンジンルームの狭いコンパクトなFF車で前方排気なんですが・・・
そもそも流路の狭いバイパス経路(ISCV)が付いていたワイスロならまだしも、
電スロで凍るか?

百歩譲って、世界中で売るのだから、冬場はマイナス50℃にもなる極寒のロシア辺りの事も考えないといけないのかもしれないが、こんな構造にしてるのはトヨタぐらいでは?(良く調べたら、日産も初代ティアナのVQエンジンなど初期にはやっていたようですが、今はやめているようです)


確かにコンピューターシミュレーション全盛の今でも、車の設計における安全率とかって実は経験則に基づくものが多いようなので、これも石橋を叩いて渡るって事かもしれないけど、経年劣化の事は考えないんだろうか?

それとも「帯電によりクーロン力で空気の剥離が起こり云々(※)」とか本気で言うトヨタの事だから、
まさか帯電で空気が剥離して凍るとか本気で思ってるのかも・・・


(※)
何言ってるか解らない方は、こちらをどうぞ↓
GRエアロスタビライジングボディコートと三段論法【改訂版】
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47666987/

Posted at 2025/05/14 15:47:33 | トラックバック(0) | 日記

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「荷重移動を考えて走ろう(EBDの誤解) http://cvw.jp/b/2036415/48479188/
何シテル?   06/10 16:44
ネットを見てると、車の情報に関する様々な誤解やデマ、更には疑似科学であるオカルト チューンが大手を振ってまかり通っているので、本音で書きます 皮肉屋...
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