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2025年12月16日 イイね!

バッテリー交換時、スパークさせないためには?


前回、バッテリー交換時のスパークなど恐れるに足らずと書きましたが、そうは言っても実際にパチッと来るのはあまり気分の良い物じゃないでしょうから、今回はどうしたらそのスパークを防げるか?について書きます。
※道具なしで誰でも出来る簡単な方法なので、知っておいて損はないかと。


という訳で火花放電(接点アーク)の発生メカニズムから。

解りやすい例として、機械式のスイッチをOFFにしたケースを考えてみます。

(1)電流密度の増加

いきなり回路がオープンになるのではなく、接点が離れる過程で接触面積が逓減していきます。
そうして、電流密度は最終的にMAXになります。
※電流密度(J)=電流(I)/断面積(A)。単位はA/㎡。


(2)電界(電場)の強さ及び電圧の上昇

電流密度が上がることで、電界及び電圧も上がります。
※電界(E)=電圧(V)/距離(L)。単位はV/m。

ここで電界(電場)とは、電荷の周りに存在する電気的な力が働いている空間の事ですが、イメージとしては、子供の頃に砂鉄遊びで学んだ(?)磁界の電気バージョンだと思ってください。
※磁界⇔電界、磁力線⇔電気力線。

そして、電流密度と電界の関係式は次の通りになります。

・J=σE(σは電気伝導率)
これは本来の意味でのオームの法則を表現したものであり、高校で習うV=IRの微分形です。

↓興味のある方は、こちらもどうぞ
オームの法則とその微分形の導出(物理メモドットコムより)
https://butsurimemo.com/ohms-law/


(3)火花放電が起こる

非接触空間で空気の絶縁破壊が起きて、スパークが飛びます。
※空気の絶縁破壊は、一般に約30kV/cm(波高値。実効値:21.1kV/cm)で起きると言われている。


以上を文章で表現すれば、「接触面積の逓減に伴い電流密度が高まり、電場が強くなり、電圧も高くなる。よって、(非接触の)僅かな空間で絶縁破壊が起きて、スパークが飛ぶ」という事になります。


一方、電源をONにするケースでは、コンデンサなどに起因する所謂突入電流があり、それが初期接触段階で一気に流れるため、OFF時に比べて火花放電が起こりやすくなります。

車のバッテリー脱着の場合、ターミナルを外す時には暗電流しか流れていませんので、10~30mA程度ですが、装着時には突入電流があるので数倍~数十倍になります。

なので、外す時よりも装着する時の方が火花放電が発生しやすい訳です。


では、表題のように火花放電を起こさせないためには、どうすれば良いでしょうか?

上記の発生メカニズムが理解できれば、自ずと答えは出ると思いますが、一番悪いのは、「スパークさんスパークさん、どうか起きないで下さい」などと念じながら(?)、屁っ放り腰で恐る恐る端子を繋ぐ方法で、この場合に一番スパークが起こりやすく、かつ持続時間も長くなります。

逆に、「スパークなど怖くない」と開き直って、ターミナルの根元(被膜部分)を持って端子に一気に被せれば、スパークは発生しません。

自分は、5~6回に1回ぐらいで軽くパチッとする程度ですね。

Posted at 2025/12/16 09:31:20 | トラックバック(0) | 日記
2025年12月12日 イイね!

バッテリーサージプロテクターは必要か?


前回はトルクレンチの話をしましたが、次にブームが来そうな(?)ツールを紹介します。

その名は、(バッテリー)サージプロテクター。


(画像は、JTCのHPより)


他だと、サージサプレッサー、サージショックアブソーバーだとか呼ばれる類の商品です。

どういう目的のための物かというと、要はバッテリー交換時等、ターミナルの脱着をする際にパチッと来る火花放電(俗にいう接点アーク)から、車載電装品を保護するという商品です。

中はバリスタ入れてるだけな気がしますが(インジケーターらしき物が見えるので、他はLEDと抵抗、ダイオードぐらい?)、値段は結構お高くて、画像のJTCの物で実売価格が1万円前後、大陸性の安物でも4千円位はするので、明らかなボッタクリ価格・・・っていうか、クリップの方が原価は高そう。

ちなみに、バリスタとは印可する電圧によって抵抗値が変化する素子のため、電圧が高くなると抵抗値が低くなり電流が流れますが、それによる電圧降下で回路を一定の電圧内に抑える、即ちサージノイズを吸収する効果があります。
※バリスタの等価回路は、2つのツェナーダイオードを逆向き接続したものにコンデンサを並列接続させた構成になっているので、極性はありません。

(閑話休題)

車いじりの上級者あるいは電気に本当に詳しい方なら、こんな商品は一蹴するでしょうが、人生初のバッテリー交換で火花を飛ばしてしまい、「車が壊れたんじゃないか」と心配して夜も眠れない(?)初心者だとか、中途半端に電気知識があるせいで「うんうん、サージ対策してないと危ないよね~」とか言っちゃう人は、喜んで飛びつくかもしれません。

まあ何を買おうが個人の勝手なので、欲しい人は止めませんが、この物価高のご時世、無駄な散財は極力防ぎたいし、せっかく買ったのに「またこんな余計な物買って!いったい何考えてるのよ?」と奥さんに怒られるのも面白くないハズ(笑)

以下はそうした節約派あるいは恐妻家の方のために、「なぜサージプロテクターが不要であるのか」についてお話します。


(1)そもそも車載の電子機器側でノイズ対策(EMS)はやっている。

オカルトチューンや車内アクセサリー系の商品だと、自作パーツ並の素人設計なので、何の対策もされていない事が多いが、純正品に限らずマトモなメーカーの製品なら、EMSを考慮して設計されています。

(参考)
EMSや、素人設計の怖さについて詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ↓
【車両火災】自作ホットイナズマの危険性
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/47705411/


(2)火花が飛ぶので驚く人もいますが、バッテリーの接点アークは電圧も低くエネルギーも小さい。

雷(直撃)サージや過大なロードダンプなら、EMSが考慮されていても壊れる事もありますが、この程度のノイズで壊れるようでは製品として成り立ちません。


実際、日本中に(トラックなども含め)約8,000万台の自動車がありますが、平均して2年に1度のペースでバッテリー交換等をすると考えれば、1日に11万台余りの車で端子の脱着をしている計算になります。

このうち、少なくとも1/3で火花放電が起こったとすれば、1日4万台ほどの車でパチパチやってる訳ですが、もしその程度で壊れるなら、身近に「バッテリー交換で車が壊れた」人がいても不思議ではないのに、そんな話は全く耳にしたことがありませんよね・・・
まあ、そういう事です。

つまり、「知らないとコワイ!」のは、サージ電圧ではなく、
このような無意味な商品を掴まされてしまう事の方です。

Posted at 2025/12/12 09:50:20 | トラックバック(0) | 日記
2025年12月11日 イイね!

手段の目的化?


よくビジネスの場で「手段の目的化を防げ」などと言われますが、自分がいた職場でも手段が目的化するケースが多々ありました。

典型的だったのは、出張計画書。
元々出張が多い職場でしたが、自分が新人の頃(平成1桁)だと、朝上司に「出張に行ってきます」と告げて出掛ければそれでよく、報告書は翌日でもOKでした。

ところが、出張に行くと称して遊んでいた職員がいたため、出張計画書なる物を事前提出するようになり、また出先で書類を紛失した職員がいたため、計画書に持ち出す書類等を書き込むように・・・

挙句の果てには、自分が管理者になる頃には、「幼稚園児じゃないんだから、ここまで必要?」って言うぐらい書類が細かくなり、その結果、書類を作るのに長々と時間を掛けて、昼前になってようやく出掛ける職員も珍しくない事態に。


で、このような「手段の目的化」ですが、車いじりにおいて典型的なのが「トルクレンチ」でしょう。

つまり、目的はあくまで軸力を極力揃える事であり、トルクレンチの使用はそのための手段の一つに過ぎないのに、普及するに従い、本来の目的を忘れて(というより最初から知らないで)トルクレンチを使う事自体が目的になってしまっているのが現状。

なので、タイヤの脱着だけのため(中には増し締めだけのため)にトルクレンチを購入する人がいたり、しかもその際に精度に拘って、無駄に高い高級品を選ぶ人がいたり(宝の持ち腐れ)




更には、上の画像のようなホイールナット締付の専用品まで商品化されています。
※他に潰しは効きませんが、それでも欲しいという方はどうぞ(画像はモノタロウより)


また、量販店ではインパクトでホイールナットを締め付けたにも拘らず、引き渡し時にわざわざ客の立会いの下でトルクレンチでカチカチしてみせる・・・という儀式を行う店すら珍しくない。


このような背景になったのは、「(訳知り顔で)トルクレンチがー」という消費者が増えたのが原因だと思いますが、そうした消費者の無知や不安感に付け込んで、商品を売りつけようとするメーカーにも責任の一端があるのではないでしょうか。

Posted at 2025/12/11 10:09:10 | トラックバック(0) | 日記
2025年12月04日 イイね!

【バッテリー】日本製と海外製、実は容量が違う【ホント?】


さて、前回売ったバッテリーですが、持ち込む前に体重計で質量を測ったところ、同じD23サイズにもかかわらず、結構バラバラで・・・なんで、ちょっとした実験をしてみました。


まずは、測定条件を同じにするため、電解液の量をUPPERで揃えました。
そこで、計測してみたところ、以下のような具合に。

(1)アトラスBX(生きている方) 14.8kg


(2)アトラスBX(死んでいる方) 14.5kg


(3)カオス 15.7kg



まず、同じバッテリー(アトラスBX)同士の差の0.3kgですが、電解液の比重の差かと思い、計算してみました。

・電解液の体積:21×15.5×14.5cm×0.8≒3,770㏄
※電解液と極板(鉛含む)の比率を8:2とした。

比重1.23だと質量は約4,640g、比重1.12だと約4,220gで約0.4kgの差となり、体重計は0.1kg未満が四捨五入される事を考えれば、まあ妥当な線かと。


次に、アトラスBXとカオスの差の0.9kgですが、ご存じの方も多いと思いますが、海外製はハンドル付です。
つまり、その分液面が低くなっているのでは?と思い、測ってみたところ、アトラスBXは上面~液面の間が約45.5㎜、カオスは36.0㎜でした。

なので、電解液の差は次の通り。
・体積の差:21×15.5×0.95cm×0.8≒250㏄
電解液を比重1.23とすると、質量は約310g。

一方、極板(鉛含む)の体積差は、21×15.5×0.95cm×0.2≒62cm2
比重は、鉛が約11.4で合金は不明ですが7ぐらいと推測し、大雑把に加重平均で10とすると、質量は約620g。

よって合計で約0.9kgとなり、概ね合致します。


【結論】
という訳で、日本製バッテリーの方が、同じサイズでも実質容量(電解液と極板物質)が約7%多い計算になります。

言い換えると、D23とD26の容量差が約14%ありますが、これは同じ日本製あるいは海外製同士を比較した場合の話であって、例えば日本製のD23から海外製のD26に交換しても、実質容量は半分の約7%しか増えないという事です。
※容量差は高さの差、横幅の差より計算。


確かにハンドル付の方が扱いが便利ですが、キャリーハンドル(別名バッテリーキャッチャー)を一度買ってしまえば日本製でも問題ないので、個人的には、製品の当たり外れ具合を考慮しても、バッテリーは日本製がオススメですね。
※バルタの各種レビューを見る限り、最大手のクラリオス製でも品質管理は微妙なため。






Posted at 2025/12/04 10:01:39 | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「バッテリー交換時、スパークさせないためには? http://cvw.jp/b/2036415/48812316/
何シテル?   12/16 09:31
ネット上には、車の情報に関する様々な誤解やデマ、更にはオカルトチューン (疑似科学)が大手を振ってまかり通っているので、本音で書きます 皮肉屋なので...
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