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2025年08月27日 イイね!

貼るだけで節電?【怪しい業者の見分け方】


車業界って、オーディオ界と並んで、やたらとオカルトが多い気がするんですが、SEVのような永久機関モドキは、一般社会でも多く存在します。

↓たとえばこれ

エネコンのHPより


原理は全く不明ですが、貼るだけで節電できちゃう魔法のカード(笑)

更に、類似商品の中には、ただのステッカーというのもあるようで、魔除け?の効果はともかく、力学的には何の仕事もしていないのは明白ですが、それでも仕事をしていると言い張るのならば、これも永久機関モドキです。
※過去には、同様の商品を商材に用いた150億円規模の巨額詐欺事件も発生しているようです。


ところで、物理や化学に疎く「仕組みは良く解らないけど効くんじゃない?」と考えがちな文系、あるいは妙に自分に自信を持っているせいで泥沼に嵌りがちな、一部の理系の人のために、この手の業者に共通するポイントを挙げておきます。
※2つ以上当てはまったら、要注意。

(1)例えば、開発に苦節25年とか書いておいて、会社は1年前に設立されたばかり。
※個人で研究していたと言えなくもないが、99%嘘。更に「前職である〇〇業界での長年に渡る開発の経験を活かし云々」とあれば、100%嘘決定(笑)

(2)同じような商品が多数あり、どこも「類似品にはご注意ください」と書いている。
※真似したのは、あなたの方では?というか、同じ詐欺グループかも。

(3)○○Japan.co.ltdのように、何となく外資系を連想させる社名。
※あるいは有名企業に似た社名(例えば、昔の豊田商事など)

(4)「あのトヨタも認めたように」などと、信憑性を増すために他者の権威を借りる。
※虎の威を借る狐(そのトヨタも放電索の権威を借りていましたが)

(5)「あの有名人(車ならレーサー)も使っている」事をCMしている。
※単にCM契約あるいはスポンサー契約しているだけ・・・よく健康食品を「私も毎日飲用しています」とCMしているが、普通は商品も無償で〇年分とか提供される契約が入ってるのだろうが、その人が本当に飲んでいるかどうか定かではない。

(6)「〇〇大学(多くはあまり有名でない私大)との共同研究」などと謳う。
※これも上記と一緒(慢性的に研究資金が足りない研究室は多いので)

もっとも、6の場合、逆に有名大学に騙される企業(団体)もありますが・・・

ヤフーニュースより↓
東大教授が高額接待を強要か~共同研究団体が東大を提訴へ
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/97722e2b35d2b8c7b7cb3682ad0320633f05ecdb


あとは、国や地方自治体のスタートアップ支援企業なんかに認定されている業者もあったりしますが、あのウォーターエネルギーシステムがそうだったように、
詐欺師は、制度を悪用して信用あるいは補助金を得よう
とするので、「スタートアップ支援企業に選ばれました!」なんてHPに堂々と書いてあったりすると、個人的にはむしろ胡散臭いと感じる。
※騙される公務員も悪いですが、元々制度設計自体がユルい(甘い汁を吸いたい議員が多い?)

以上、ご参考までに

Posted at 2025/08/27 11:33:36 | トラックバック(0) | 日記
2025年08月26日 イイね!

実は永久機関だった!? 【SEVの謎】


前に永久機関について書いたとき、特許を取ってる永久機関らしきものがあったとしても、100%オカルトだと書きました。


ところで、あの有名なSEVですが、その仕組みについて以下のように説明しています。

『SEVは、微弱なエネルギーを発する「天然鉱石」と「数十種類以上の金属」を組み合わせて、電子を発生させています。』

リアクターを売る業者も似たような話をしていますが、下の図を見ると、発生した(とされる)電子を有線で供給するのではなく、空気中に放出している点が、リアクターとの主な違いのようです。

また、リアクターもそうですが、「効果は半永久的」と謳っているのも特徴です。


SEV-YAのHPより


原理はともかく、その結果「物質を活性化」させるというのは非常に抽象的ですが、一時期流行したマイナスイオン効果みたいなものを消費者に連想させたいのでしょうか?

そういえば、最近はTVCMでも、アーモンド効果とかR1とか具体的な効能を謳わない商品が増えましたが、これは普段から消費者庁が良い仕事をしているという証拠なのかも?


明治のHPより・・・「人々の健康や前向きな想い」を支える商品だそうです(まあR1に限らず、ヨーグルト自体は悪くないと思いますが、自分だったら128円のイオンPBヨーグルトで十分)


さて、話をSEVに戻しますが、図のように金属から電子を放出させるとなると、鉱石から非常に強い放射線が出ていて、その電離作用により金属原子から電子が放出されるって事でしょうか?
※ちなみに、放射線は広義には電離放射線(α,β,γ線など)だけでなく非電離放射線(紫外線や可視光線など)も含まれますが、狭義には電離放射線を指します。

なぜ(狭義の)放射線が怖いのかと言うと、被爆量が多いと人体内部で起きる電離作用により多くの細胞が損傷し、修復不可能となるからで、例えばウランやトリウムなどは少量の売買であっても届出が必要であるなど厳格に管理されており、そのような原料を使った商品でないことは明らか。

逆に言うと、電離させるには高いエネルギーが必要なので、販売元が「微弱なエネルギー」と自ら認めているような、普通の鉱石から出ている非常に低い線量(エネルギー)によって、金属から電子を放出させる事が出来るかと言えば、どだい無理でしょう。


他にも、金属が高温に熱せられることで運動エネルギーを得て放出される熱電子(例:蛍光灯)や、金属の表面に強い電界を印加し、トンネル効果によって電子が障壁をすり抜け放出される電界放出などもありますが、SEVの場合、外部から電気エネルギーを得ている気配はないので、どちらも当てはまりません。
※いずれにせよ、仮に電子を放出させることが出来たとしても、電子は空気中をフラフラと彷徨う訳ではなく、すぐに周りの原子と結合しマイナスイオン化するか、陽イオンと再結合するはず。


(閑話休題)

まあ、ここで話が終わってもつまらないので、電子を空中放出するかはともかく、何らかの化学反応を用いた装置なら、全ての物質が反応すればそれで終わりなので、半永久的ではない。

百歩譲って、イオナイザーのようなコロナ放電で(電子ではなく)マイナスイオンを発生させる装置だとして、光エネルギーを使っているのかと思いきや、エンジンヘッドに貼る商品もあるみたいだから、これも違う。

↓こういう車なら別だが・・・

電ホビのHPより


という訳で、外部からエネルギーを得ていない以上、電子なり何なりを放出し続ける事は不可能。

にも拘らず、SEVが本当に電子を放出し続けられると言うのであれば、
もはやソレ、永久機関になっちゃいますが?(笑)

Posted at 2025/08/26 12:30:28 | トラックバック(0) | 日記
2025年08月14日 イイね!

エアコンの仕組み【どうやって冷えるの?編】


では、具体的にエアコン(ここではカーエアコン)の冷却の仕組みを見てみます。
※ネット上によくある形だけの説明ではなく、なるべく物理・化学的な理屈を踏まえて説明します。


(5)冷媒は気体と液体の変化を繰り返す

作動流体である冷媒のことを、エアコンガスと呼ぶのが一般的なため、常に気体のまま循環していると考える人もいますが、実は気化と液化を繰り返すことで熱を運んでいます。



このサイクルに外部から仕事、つまりコンプレッサーに動力を与えるのはエンジンです。

①コンプレッサーによって冷媒(気体)は圧縮されますが、これによって分子間の衝突が増えるので温度が上がり、高温高圧になります(70~80℃)

②次に、コンデンサーで冷やされて(50~60℃)、冷媒は液化します。
※電子部品であるコンデンサと同じ綴りですが、ここでは復水器の意味です。冷媒の沸点は-26.5°C(R134a)ですが、加圧されているので高くなっている(冷却水と同じで圧力が高いと沸点は上がるため)

③レシーバーを通った後、通称エキパンで霧状に噴射されます(流速が上がる→低圧になる)

④エバポレーターで気化される際に、周りの熱を奪います(気化熱。キャブレターのアイシングと同じ原理)
※気化熱により生じた冷気を、ブロアで室内に送ります。

気化された冷媒は、コンプレッサーに戻り、再び同じ行程を繰り返します。

このように、「エバポで気化する際に熱を吸収して、コンデンサーで液化する際に排出する」というサイクルを繰り返すことで、低温の熱源(室内)から高温の熱源(室外)に熱を移動させます。


(6)COP(性能係数)とは?

COPは、供給された仕事量1kWあたりで得られる熱量(kW)を示す数値で、熱量÷仕事量という形で表しますが、これは熱機関の熱効率(仕事量÷熱量)の逆数です。

つまり、熱機関の場合は、熱をいかに多く仕事に換えられるか(移す熱をいかに少なくするか)が焦点ですが、エアコンの場合は逆で、いかに少ない仕事で、より多くの熱を移せるかが焦点になります。

このCOPは、家庭用エアコンなどで省エネ性能を表示するのに用いられていますが、カタログ等に表記のある「定格COP」は冷房の場合は外気温35℃で計算しますが、外気温が上がれば当然COPは落ちるので、車の燃費と同じであくまでも目安です。
※カルノーサイクルにおいては、2つの熱源の温度差、つまり外気温と内気温の差が大きい方が、熱効率(1-Tl/Th)は上がるため。


ところで、カーエアコンの場合、家庭用に比べて振動等も多いため、経年劣化で繋ぎ目のOリングなどから少しずつガスが漏れますが、古い車などで「街中では効きが悪いが、高速に乗るとそれなりに冷える」なんて話を聞きます。

これは簡単に言うと、コンプレッサーの回転数が高くなり、圧縮比が上がるために冷媒流量が増えるからです(可変容量式はこの限りでない)
なので、修理書によっては、「ガス補充の際はエンジンを1500回転に保て」などと書かれています(流量を増やしてガスの吸い込みをよくするため)

ですが、それ以前の問題として、実際には猛暑日でも気化熱ですぐに缶が氷のように冷たくなり、その後の気化が中々進まないため、(エンジン回転云々よりも)缶をお湯につけ気化を促進させる方が早く終わります。
※お湯につけると気化しやすくなるのは何故かというと、水は空気より20倍熱を伝えやすいため(何事も「理屈を理解した上で経験を積む」ことが重要ですね)

Posted at 2025/08/14 16:33:35 | トラックバック(0) | 日記
2025年08月13日 イイね!

エアコンの仕組み【熱機関とは何か?編】


さて、永久機関が存在し得ないことが分かった上で、次は熱機関についてです。


(3)熱機関のおさらい

熱機関には内燃機関と外燃機関がありますが、内燃機関は、作動流体そのものを燃焼させて動力を得ます。
つまり、燃焼ガスが膨張する圧力で直接ピストンを押したり、タービンを回転させるなどの仕事をします。
自動車のエンジンは、言わずも知れた内燃機関の一つです。
※内燃機関は、熱エネルギーを直接運動エネルギーに変換するので効率は高い(概ね20~50%)

一方、外燃機関は、作動流体そのものを燃やすのではなく、熱交換器により熱源の熱を作動流体に与え、この作動流体がピストンを押したり、タービンを回転させるなどの仕事をします。
蒸気機関車がそうですね(石炭を燃やしてボイラーで蒸気を生成し、過熱器にあたる蒸気管で高温高圧になった過熱蒸気をシリンダーに送り込む)
※プロセスが増える分、内燃機関よりも効率が低くなる(概ね10~40%)


(4)熱機関は可逆である

全ての熱機関は高温の熱源から正の熱を受け取り低温の熱源に移すと同時に、外へ仕事をする訳ですが、これは可逆サイクルです。
よって、これとは逆に、外から仕事をされれば、低温の熱源から正の熱を受け取り高温の熱源に移すことが可能です。

つまり熱機関の逆サイクルが、エアコンの冷房原理です。


ここでようやくエアコンと話が繋がったところで、最後に【どうやって冷えるの?編】へと続く。

Posted at 2025/08/13 12:28:45 | トラックバック(0) | 日記
2025年08月12日 イイね!

エアコンの仕組み【永久機関は可能か?編】


夏になると増える(というか顕在化する)エアコントラブルですが、そもそもエアコンがなぜ冷えるか?の仕組みについては、解っているようで解っていない人も多いのではないでしょうか?
※かく言う自分も、仕組みについては曖昧な理解のままで、エアコン修理したことがある。


(1)永久機関は可能か?

いきなりエアコンとは関係ない話のように見えますが、知っておくとどこかで役に立つと思うので書きます(ご存じの人、興味のない人は、本編は全て読み飛ばしてください)

第1種永久機関、即ち「外部から何らのエネルギーを受け取ることなく、永久に仕事を行い続ける装置」が不可能であることは誰でもすぐに解りますが、では第2種永久機関と呼ばれるもの、即ち「外部の熱源から正の熱を取り出し、その熱を捨てることなく100%仕事に換える」事は可能でしょうか?

興味のある方は色々調べてみると面白いと思いますが、長くなるので結論だけ書くと、第2種永久機関もまた不可能です。
なぜなら、熱力学第2法則に反するからです。
※本来は、第2種永久機関が存在しないと証明したことから熱力学第2法則が生まれたので、この説明は禁じ手ですが・・・


(2)熱力学第2法則

①クラウジウスの原理「低温の熱源から高温の熱源へと正の熱を移す以外に、他にどんな痕跡も残さないようにする事はできない(高温の熱源から正の熱を受け取り、低温の熱源に移す以外に何らの変化を伴わないサイクルは不可逆である)」

②ケルヴィンの原理「ある熱源から正の熱を取りだし、それをすべて仕事に変えるようなサイクルは存在しない」

③オストヴァルトの原理「第2種永久機関は存在しない」 
となります。


つまり、
①自然界においてはエネルギーは高い方から低い方へ移動するのであって、その逆は(何らかの仕事を与えない限り)起こらない。

また、
②どのような熱機関においても、最大熱効率が1.0(100%)以上になることはない(必ずいくらかの熱を捨てる)

そして、
③仕事は100%熱に換えられるが、熱を100%仕事に換える事はできないので、第2種永久機関は不可能。
となります。


過去には中松エンジンだとか、大手マスコミまでもが挙って取り上げた燃料電池「ウォーターエネルギーシステム」などもありましたが、いずれも単なるトリックで永久機関モドキです。


↑日経クロステックの記事より引用。一般紙ならともかく、技術系雑誌の専門記者が「水と空気だけで発電し続けます」とはお粗末すぎる・・・


なお、この第2種永久機関に関する特許を取ることは不可能だと言われていますが、実際、それらしき発明は殆どが取り下げられています(却下すると後々面倒なので、特許庁に限らずどこの役所も説得して取り下げさせる方向で動くため)

ちなみに、特許は前例のない技術、発明、アイデアなどに対し、政府が一定期間の独占権を保証するもので、「特許を取得している=科学的根拠がある」と認められた訳ではありませんので、仮に特許を取った永久機関らしきものがあったとしても、100%オカルトです。
※現実に、(アルミテープチューンに代表されるような)オカルトチューンでも特許を取れるのは、皆さんご承知の通り。

(続く)

Posted at 2025/08/12 13:02:10 | トラックバック(0) | 日記

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「バッテリー交換時、スパークさせないためには? http://cvw.jp/b/2036415/48812316/
何シテル?   12/16 09:31
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