
第三日曜日の大黒PAには沢山のヒストリックカーが集まってきます。
クルマには色々と課題がありましたが、1つの区切りを付けようと2か月ほど前から11月のその日を目指して整備を進めました。
手に入れたオーナメントやダッシュボードに交換したり、
フロアマットを新調したり、
BBSホイールと
サスペンションを交換してローダウンさせたりと。
他にも細かなところで手を入れたところがあります。
もちろん、課題の中には、整備が間に合わなかったり未着手のところもありますが、何とか走らせることができる状況で11月19日の第三日曜日を迎えることができました。
当日は朝から首都高湾岸線下りが工事で渋滞していたので、ゆっくり目に出発して横羽線から大黒PAを目指すことにしました。
11時ごろに大黒PAのループを降りると、CoupeとRoadsterのE-Typeが並んで止まっているのが目に入りました。
いずれもシリーズ1と呼ばれる初期のモデルにあたるのでしょうか。
こんな貴重なショットはなかなかお目にかかれませんね。
史上最も美しいクーペといわれれば、E-Typeは最上位の争いをすると思いますが、真横から見ると史上最も優雅なクーペというほうがぴったりくるような気がします。
ノーズの長さは特筆すべきですが、連続性のあるラインでシンプルなデザインながら独特のバランスで均衡が保たれています。
ホイールアーチやリアバンパーの位置・形状も巧妙なデザインに一役買っています。
向かって左側のロードスターは幌が閉じられていましたが、クーペとは異なり筋肉質なボディ形状で造り上げられています。
オープンの状態で見たら、さらに格好良いのだと思います。
同じクルマでも、やはりクーペは美しさを求めてデザインされたとのだと認識できます。
このように2台を同時に見る機会がなければ気付かなかったでしょう。
3連装のワイパーもこのクルマを惹き立てる装置になっている気がします。
実用性も考慮した造りなのでしょうが、普通のクルマとは違う何かがありますね。
他に旧車は目に入りませんでしたが、近くに美しいカラーを纏った初代Vanquishが止まっていたので思わずシャッターを切ってしまいました。
こういうAston Martinらしい濃い目のグリーンが標準的なカラーとして現行モデルの中にラインナップされていないので、余計に目を惹きます。
ちょっと太めの2本のテールパイプが力強さを象徴しているようにも見えます。
Aston MartinのV12エンジン搭載のクルマの中で、このクルマが一番美しいエキゾーストを奏でるのではないでしょうか。
後継モデルのDBSになって、迫力ある音に舵を切りすぎてしまった感があります。
さらに、現行Vanquishは獰猛な感じを強調しています。
残念なのは、昨年11月にVanquish Sが発表されたかと思ったら、わずか1年でUltimateを175台生産して終了するというニュースです。
次のフラグシップモデルからDB11でも採用されているAMG製のV12ターボエンジンを搭載するようですが、大いなる魅力の一つを失ってしまう気がしてなりません。
駐車場内をウロウロしていると、時代の近い旧車が117クーペの向かいに現れました。
オーバーフェンダーやGノーズといったパーツでドレスアップして楽しむ方法がありますが、このオーナーさんはオリジナルに近い状態で乗られているのでしょう。
現行モデルはかなりふっくらとしていますが、2代目Zはシャープな印象。
均整の取れたデザインです。
ホイールはRSワタナベでしょうか。
117クーペに履かせている方もいらっしゃいますが、このエイトスポークホイールはZに良くマッチングしていると思います。
タイヤは14インチ、幅185の扁平率70ですので、13インチが標準の117クーペよりワンサイズ大きいものを履いています。
近くで撮影するとフェンダーとのクリアランスが大きいようにも見えますが、この時代のスポーツカーを撮影するとこれくらいに写り込みます。
振り返えると、こちらは15インチにアップさせて扁平率55を履かせた117クーペ。
ローダウンも奏功してこの角度からみると満足いく仕上がりです。
真横からみるとローダウンとインチアップでかなりシャープな印象になりました。
敢えていえば、ホイルアーチがもう少し大きく、サイズアップしたタイヤが入ったら良かったかなと。
ところが、こういう角度からみると元々のイメージもあるのでペタペタな印象を与えます。
極太に見えるタイヤもフェンダーに干渉しないように純正の幅185から変えていません。
ハコスカにタイヤ幅205や215を履かせてローダウンさせるとこんな感じにみえます。
グランツーリスモの117クーペのイメージに合わないなあと。
純正のセッティングだとこんな見栄えです。
この角度からであれば、先ほどのフェアレディZに近い印象でしょうか。
純正の足回りはかなり柔らかく、ペースを落とさずにカーブに突入すると車体がとても大きくロールします。
純正シートはフカフカでホールド性は全くありませんので、ハイペースでカーブを曲がるときはロールしてズレた目線のまま遠心力と闘いながら重いハンドルを内側に切り込んでいくという運転が求められます。
とはいえ、重ステで拳1つ近くある遊びと柔らかい足回りのマッチングは見事という表現がぴったりで、鈍い反応がかえって運転を疲れさせないという不思議なセッティングを実現させています。
インチアップだけさせるとフロントタイヤが少し浮いて写ります。
この状態で300kmほど走りましたが、走行中に段差を乗り越えるとスーパーボールのような跳ね返りを感じました。
扁平率が70から55になった影響というのは大きいなあと。
高速道路での安心感は鈍い感じの純正に分があります。
ステアリングを通じて拾う情報が増えるので安心感があるという話はもう少し煮詰めたセッティングがなされている現代のスポーツカーの場合ですかね。
ローダウンさせるとさらに顕著に感じます。
小刻みに調整したはずのステアリング操作が無視されてクルマが違う方向に走ってしまいます。
ちょうど、ハイドロプレーニング現象が起きたときにステアリング操作が効かずに自分が思った方向にクルマが向いてくれないときの運転感覚に似ています。
タイヤは交換して500kmほどしか走っていないので、もう少し食いつきが良くなれば印象も良くなるとの期待もありますが、純正のセッティングのときにこれほどの違和感を感じたことはありません。
ロールは明らかに小さくなりました。
だからといって攻めたりすればフロントが抜けるのが関の山なので、117クーペらしく大人の走りをするつもりです!
久しぶりに辰巳PAに立ち寄って撮影をしていると、先ほど大黒PAで見かけたと思われる赤いNSXが隣のスペースに入ってきました。
大黒PAでは初対面で長々とお話ししていただいた方がいらっしゃったのですが、こちらでは会話は生まれず・・・
ローダウンさせて床下が下がったので触媒を擦らないか新たな心配があるのですが、NSXの最低地上高はもっと低そうです。
2017年も残り1か月と1週間で終わります。
ブログは今年に入って2回目ですが、そのうち絵になる場所に117クーペを連れ出してブログにしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。