
ねこのように寝まくってダルダルのかたのくりこです。こんばんは。
今日は、久々に医学関係のお話を書こうと思います。
最近、ドラマ「コード・ブルー」でおなじみになったDrヘリ。
(まぁ、実際の現場はドラマのようではないと思いますが・・・)
Drヘリってなんでしょう?
(専門家ではないので、自己学習程度の無いようですが・・・、専門家のみなさまごめんなさい)
Drヘリは、写真のように統一したカラーリング・ロゴが施されています。
これは、どこから見てもDrヘリだと分かるようにです。
Drヘリとは、簡単に言ってしまえば、字のごとくDrを載せて現場に出向くヘリのことです。
でも、皆さんがよく目にする救急車とは、ちょっと目的が違います。
一つは、救急車では時間が掛かる地域の患者搬送、もう一つは救急車を使用するよりもDrヘリを活用した方が患者救命率が高い場合と二つに分かれます。
Drヘリは、多くの人たちが関わっています。ヘリパイロット・整備士・フライトドクター・フライトナース・CSがチームを組んで運行しています。
CSとはコミュニケーションスペシャリストの略で、ドクターヘリ運行のサポートをする重要なお仕事です。
CSはDrヘリとの無線通信や消防本部とのやり取り、ランデブーポイント(救急車と合流する場所)の検索・設定、天候状況の把握など多種にわたる仕事をしています。イメージ的には、空港の航空管制官に近いかもしれませんね。
Drヘリが、どのように活躍しているか。
まずは、救急車では時間が掛かってしまうような場所の患者搬送。山間部や場合によっては高速道路なども着陸することがあるそうです。(渋滞に巻き込まれたら救急車はアウト!)
それと、近隣では対応できない重症かつ緊急性のある患者の搬送。
例えばこんな感じです。
事故現場から救急車で5分の所に病院がある。しかし、手術の対応まで30分以上掛かる。
Drヘリで20分の病院。手術対応まで5分。
この場合は、Drヘリで搬送したほうが有効なわけです。1分でも早い処置が患者の命を救います。10分の差が患者の生命を大きく左右するわけです。
ここで誤解の無いように補足。このような患者すべてがDrヘリで搬送されるわけではありません。この例はあくまでも一例です。
今の日本では救急車は、東京で平均6分18秒で到着します。通常であれば、近隣病院へ収容されることがほとんどであり、Drヘリが活用されなくても十分に対応できる時間があります。また、現在は各救急車に救急救命士が搭乗しています。彼らは日々訓練を重ね、医学を勉強し、現場での指揮・判断に長けている現場救命のスペシャリスト集団です。彼らが居てくれるからこそ、私たち救急外来スタッフは、初療室で待機し、患者をスムーズに受け入れることが出来るのです。
その彼らが最終手段として要請するのが、Drヘリです。Drヘリが出動するということは、よほどの状況だと思ってください。
フライトドクター・フライトナースは、Drヘリで活動するための特別な研修を受けています。私のようなぼんくらナースが「ヘリ乗りたい」と言って乗れるものでは無いんです。彼らもまた、スペシャリスト。
日本では、記憶が確かなら17箇所で運行されています。
まだまだ、足りないDrヘリ。予算も莫大に掛かるそうです。
沖縄には、陸上自衛隊第101飛行隊があって、患者緊急搬送を担っています。
意外と知られていない事実。自衛隊の皆様、ご苦労様です。
と、話がそれましたがDrヘリはこれから必要となる患者搬送手段です。でも、使う側のモラルも大事。救急車が不足といわれるこの時代、Drヘリを運用しようにも予算を繰り出せない現実もあるんです。
ドラマを見て、カッコイイと思うだけでなく、今一度自分そして家族の命を守るためにに自分が何が出来るか考えてみませんか?
Posted at 2008/09/06 00:51:35 | |
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