2011年04月05日
こんにちは。かたのくりこです。
今日は、とても大事な事を書き込みしようと思います。
最近、携帯やPCなどにこのようなダイレクトメールがよく届きます。
「【緊急連絡】万が一に備え ヨウ素を子ども達に!」
メールを開いてみると、要は原発で放射能がたくさん出ている。人体に影響があり、甲状腺にたまると将来的に影響が出る可能性が高いので、自ら予防しましょうといった内容。
それで、明記されたアドレスを開いてみると「安定化ヨウ素剤」の通販のサイトに繋がります。
これ、とても怖い内容だと思い、書き込みしています。
確かに、放射能事故の際、放射線にヨウ素の一部が含まれるのは、ニュースでも報道されているのでご存知のことと思います。
そして、ヨウ素自体が甲状腺という組織に蓄積されるのも事実です。
これらは、がんの治療や甲状腺の病気の際に用いられる治療や検査の一つではあります。
誰もが見えない放射線には恐怖を覚えますし、お子さんをお持ちの親御さんにとっても気が気ではないことだと思います。
そして、何か予防できる方法はないかということを模索している方が多いのも事実でしょう。
ただ、このダイレクトメールで販売されている「安定化ヨウ素剤」を素人判断で内服することは非常に危険です。使用を誤ると放射線被害を予防するどころか、逆に健康を害する危険が高い薬品です。
テレビで何μシーベルトだのなんだのと毎日報道されていますが、それがどれだけの数値をさしているのかをきちんと理解されている人たちはほんの少数でしょう。自分も医療者ですが良く分かりません。
実際は、基準値の○○倍というところに目がいくのではないでしょうか。
かといって、ご自宅で放射線量を測定している人は、殆どいないですよね。
日本で定められているこのような危険性の高いものの基準値は、世界レベルで見てもかなり厳しく定められています。
日常生活でも放射線は宇宙から降り注いでいるので浴びています。また、飛行機に乗られる方は、実際知らされていないだけで、結構な放射線を浴びています。
もっと言えば、病院でレントゲン写真やCTなどを撮る際も放射線を浴びています。
でも、病院などでレントゲンやCTを使用して診断をしているのは、それだけ有用な身体情報が得られることと、被爆量自体は人体へ大きな影響を与える数値ではないからです。
テレビで色々な学者が解説をしたりしていますが、表現として「人体に今すぐ影響を与えることはない」という言い方を良くしています。
今すぐにないということは、将来どうにかなるのか?という疑問に行き着くのは当然のことでしょう。
これは、考え方の問題なのかもしれませんが、実際に放射線は浴びて良いものではないのは事実です。浴びない=暴露しないほうが良いに決まっています。そういう性質のものなので、「絶対に大丈夫です」という表現を使うことは、社会的な側面を考えると使用できないということになっているのだと思います。
ごく最近の記憶では(最近でもないかもしれませんが)、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が記憶に新しいところです。あの原発事故では、一度に大量の放射線が放出されてしまい、近隣の住民が短時間で大量の放射線を浴びてしまいました。結果、小児がんが多発してしまった経緯があります。
現在の福島第1原発では、様々な自体が起こり予断を許さない状況であることは確かですが、作業に当たっている人たちや専門家は色々な知恵を振り絞り、なんとかこの事態の収束を図ろうとしています。
しかし、現時点では過剰な反応をする自体ではないと思いますし、とにかく正確な情報を政府や東電に託すしかないのだろうと思います。
少々話がそれましたが、そこで「安定化ヨウ素剤」ですが、この薬品は放射能の人体被害を阻止する働きをする薬であることは確かです。
でも、この薬は医師それもかなり専門的な知識を持った医師の処方の元に服用しなければいけないものです。
普通の病院に行って「安定化ヨウ素剤ください」といって処方してもらえるものではありません。
それこそ、原発で活動している作業員の皆さんが内服するというなら話は分かります。
でも、少なくとも日常生活で浴びる放射線より若干高い濃度になっているレベルで内服する薬ではないことは確かです。
どうか、こういう「風評」を利用した通信販売にだまされないでください。もし、身近にそのような薬を使用しようとしている人たちがいたら、ぜひ止めてあげてください。
風邪薬を飲むのとは訳が違います。小さなお子さんにも飲ませる量などが詳しく説明してあったりしますが、本当に危険な事なんです。
一般の人が買える薬なら、薬局で売ります。でも、通販で輸入品です。
説明書きには「内服には自己責任でお願いします」と書いてあります。
この一文が全てをそれを物語っているわけです。
かたのくりこ
Posted at 2011/04/05 03:03:38 | |
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東日本大震災 | 日記