
再びF1ネタ。
来年度のF1レギュレーションに「KERS」というシステムの装着が義務化される予定です。
KERSとは、Kinetic Energy Recovery Systemの略称で、運動エネルギー回生システムと言います。
簡単に言えば、ブレーキエネルギーを蓄えて、利用しようというもの。
ドライバーがボタンを押すと、約6.7秒間に80馬力のパワーアップが見込まれると言うものです。
KERSのエネルギー貯蔵システムとしては、バッテリー(電気式)とフライホイール(機械式)の2つがあり、選択はチームにゆだねられています。
電気式は、ブレーキエネルギーをモーターに伝え、電気エネルギーとして蓄える方法。機械式は、ブレーキエネルギーをフライホイールと言う重りのついた円盤に伝え、その回転エネルギーを伝えると言うものです。
しかし、この開発が大問題になっているんですね。
電気式の場合、バッテリー(コンデンサのようなもの)に電気を蓄積するわけですが、F1マシーンはボディーアースのとり方が通常の車と違います。結果、メカニックがマシーンに触れて感電なんて事故が起きているんです。
そして、機械式。フライホイールという円盤に運動エネルギーを伝えるわけですが、19000回転近くのエンジン回転数に匹敵する回転数でフライホイールをまわすわけで、メカニカル的にフライホイールが破損し、マシーン(エンジン)を破壊なんてことも起きています。(負傷者も多数出ているとか・・・)
トヨタのスープラ(レース仕様)やプジョーのレーシングマシーンが開発しているいわゆる「ハイブリッド」よりは、原始的な構造なのですが、その危険性は大きいと言われています。
F1は、今後エンジンの新規開発は封印されます。そう考えると、チームはこのKERSを利用して、エンジン性能の向上を図ろうとしているわけで、来年のF1はこのKERSのトラブルを最小限に抑え、効率よくエネルギーを利用できたチームに勝因があると言っても過言ではないのかも知れません。
ただ、メカニックやオフィシャルを含めた人間に危害を及ぼすようなシステムになるのはどうかなぁと思うわけでして、今後FIAがこのKERSをどう考えていくのか。動向が気になるところです。
Posted at 2008/10/15 06:05:43 | |
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モータースポーツ | 日記