いつかは、クラウン。
歴代クラウンのキャッチコピーの中で、一番心に残る名コピーだと思っています。
そんな憧れのクラウンを手に入れた父。
今から17年前。
11代目のクラウン。
クラウン最後の直列6気筒エンジンは、スムーズかつ静か。
パワーもありながら、走りはジェントル。
乗り心地もよく、フワフワした感じ。
当時、20代最後の年を迎えていた私にとっては、「オジサンのクルマ」でしかなかった。
いや、高嶺の花。でしかなかった。
それだけに、魅力的でありながら自分には縁のないクルマと思っていた。
今もそうかもしれない。
そんなクラウンを手に入れた父は、とても嬉しそうだったのを覚えている。
長距離を運転したことがあったが、まさに雲の上に乗っているような感じ。
時は流れ、17年。
数年前から、免許更新をしないと宣言していた父。
車検を迎える前に、免許返納を迎えたため今日、クラウンが旅立った。
歴代の父の愛車の中で一番長く乗ったクルマ。
それだけに、数日前も記念写真を撮った。
今日も最後に撮ったらしい。
きっと、寂しい気持ちもあったことだろうと思う。
クルマ好きな父であったから。
でも、最後の車歴に自分が一番乗りたかったクルマを加え、しかもそれを最後まで乗り続けられたことはもしかしたら、一番幸せなことなのかもしれない。
私はまだまだクルマに乗りたいと思っているが、果たして、最後のクルマは自分が乗りたいクルマを選ぶことができるのだろうか。
いや、実は今所有している2台のクルマはすでに、私が乗りたいクルマであるので、既にすごく幸せなことなのかもしれない。
新しいクルマには惹かれたことが何度となくあった。
しかし、気付けば2台とも所有してからそれぞれ、10年、14年を迎える。
きっとこの先、もう数台は車歴に加わることだろう。
しかし、今現在、この2台は私にとって最高のクルマであることは事実。
これが最後の車歴となっても悔いはないかもしれない。
そう思えるのは、そんな父の姿があったからだと思う。
帰宅したとき、いつもはそこにあった父のクルマは無かった。
そしてそこに、14年の月日を経て、ようやく屋根付きの車庫に居を構えたスマートの姿を見ていると、嬉しいような、そして、少し寂しいような複雑な気持ちがした。
今の私は、少しだけ「いつかは、クラウン」に乗ってみたい気持ちが生まれた気がした。
Posted at 2020/02/19 21:04:43 | |
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