2017年10月29日
たまには真面目に。
モノづくりにかかわる仕事をしているので、気になりますね。
一般の方々(誰?)からすると、三菱やスズキ、VWの燃費詐称のほうが、
エンドユーザーを裏切る行為として映るのかもしれないですね。
でも、無資格者検査の件は、モノづくりの立場からすると、燃費詐称より悪。
なぜなら、日産とスバルは、命に関わる製品そのものの製品検査を無資格者が実施して
いたからです。燃費は命には直接関わりません。
不具合が無かったからいいんだ、と言うかもしれませんが、それはユーザー目線。
製品を作る側・ものづくりの取り組み方として、有資格者が検査すると決めていることを
無資格者がやったことが、悪です。最悪です。
「悪意」という面では、逆かもしれませんが、今回はモノづくりの立場で書いてます。
製品品質を考えた時に、その製品に必要な資格の有資格者が作ったもの、検査したもの、
認めたもの、これは大事です。
というか、これがあるから命を預けてその製品を使えるのです。
特に「日本のものづくり」はこれがあるから「MADE IN JAPAN」だったのです。
一部の方は言うでしょう。
30年大丈夫だったのだからいいんだ、結果的には検査項目・許容範囲に
問題はなかっただろう、監視してない国が悪い、他のメーカーもやっているだろう、
資格者が足りないのが根本原因、資格者の検査だって本当に大丈夫か、などと
言う方も多いですが、それは話が別です。
何かあったら国が守ってくれるような業界で、命に直接かかわる製品を世に大量に
送り出している立場で、製品品質に関して、法律で決めたことを守らないのはダメです。
検査結果を全部ひっくり返して確認して、結果としては全部OKだったとなってもダメです。
たとえ話は論点がずれるので苦手ですが、例えば、何年も同じ店でふぐ料理を食べていて、
その後、その店の調理人の無資格調理が発覚した場合、どうでしょう。
今まで大丈夫だったから問題ない、古い資格制度がおかしい、と言って、その店の
無資格調理人のふぐ料理をその後も食べられますか?
すいません、これから資格とります、その実力はあります、と言われて、安心しますか?
日産に例えれば、無資格が発覚しても、ふぐを調理させて店で出していたことになります。
ユーザーから見ても分からないような部分こそ、ちゃんとしないといけないのです。
この規律と真面目さが、日本のものづくりを支えていたはずでしたが、今回は、
これまた日本人特有の、「慣例」「慣れ」が上回っていたのでしょうか。
本当は、ちゃんと有資格者が検査をしている環境において、この検査とこの作業は
簡略化しても問題ないから効率化のために、作業を省く・無資格者による作業を認める、
と法律を先に変えないといけなかったのです。
不正が発覚すると、本来コストカットできるようなこともできなくなり、是正のための
作業が増えます。所謂、再発防止策というやつです。
ということはコストが増える。販売価格が上がる。結局、割を食うのはユーザーです。
車が売れなくなっている昨今、とても残念です。
日産、スバルの復活と、他のメーカーは問題無いことを期待します。
Posted at 2017/10/29 11:55:50 | |
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