2021年03月17日
旧車の部品再販はメーカーよりも部品製造会社が嫌がる
ここ最近、良く目にする記事の一つ・・・
伊藤かずえさんのシーマの話。
娘さんと乗っているとか、快調!とか。
その中で気になったのが、日産がやる気だしてフルレストアするべ!と。
良い事だし、自身も日産党でキムタクを使用するCMより伊藤かずえさん使ってよ!なんて強く思う次第です。
日産、このまま有名人の長く使用してくれている方だけで良いからフルレストアでいっちゃえ!って思う程です(笑
なんですが、その記事のコメント見てちょっと思う所が。
昨今、ヘリテージとか旧車復活とか多くの媒体で目にする事が増えてきました。
日本には13年経過車の増税が重くのしかかっている中、それでもそれら旧車を
維持しようとする方には頭が下がる思いです。
維持するにも部品が無ければそれは無理な話でワンオフされている方も多々
いるのもすごいなぁと思う所です。
が、コメントの中には無責任にもメーカー(日産)にはそれら旧車等の部品再販を安く・・とか。なぜに高い価格で再販するのか。ふざけるな!とか。
個人的な話になるのですが、自身が勤務している会社はバイクや車部品製造関係なんですが、
やはり同様の旧車等の部品の発注は時折入ってきます。
納期など部品の性質からするとかなりタイトですね。
そんな中、何時でるとも限らない部品や金型、必要な資材一式を限られた物理的スペースに押し込み、それでもなんとかそれら部品を維持しています。
本当に何時でるとも限らない訳で、中には錆が酷くどうにもならない物もあり、
かといって再度金型から製造するのは一体どれだけの時間とお金を掛ければ良いのか、
また再度金型から製造するのはOKとしてもそれを逆にメーカーに品質確認して貰い、OKを貰うまでどれだけの時間とお金以下略。
そもそもメーカーがOKを出す前に新作金型や新作部品でOKを出すかどうか。
変更申請自体が中々通らない昨今、期間をどれだけ見れば良いのか・・・。
物理的スペースは年々新作の部品がでてくる以上、非常に厳しくなってきており
雨ざらしにせざるを得ない古い物も中には多々あります。
初代カタナの一部金型なんて雨さらしてますしおすし(笑
それら生産する際に必要な手順や標準類も無い場合は再製造する際に実際にOBに聞いて新たに作成する事もあり、OBが存在しないさらに古い部品だともう手探りです。
これが日々の時間が無い中でさらに重くのしかかってきます。
普通に協定なんて現場には以下略。
旧車は自身も好きですし実際にもう一度この手に・・・と思う車もありますが
声高に叫んでまで・・・と思う所が強くあります。
製造の現場では勿論、復活に向けて!とか再販に向けて!なんて熱い情熱と行動で
動く事が出来る方が多くいらっしゃると思いますが
中には常にメーカーからの新車や量産車からの発注に振り回されその先に
これら旧車の部品が降りかかってくると、真面目に思います。
7年経過したら廃番にしてくれ!金型廃棄か買い取りしてくれ!
自分だけなんだろうか、そう思うのは。
会社が増員しない、投資しないからだろ!なんて言うのは無く、
メーカーがコストを非常にシビアに、こちらの足元見てくる中、
昔の製品は結局昔のコストのまま。今のコストと比較してあからさまに不釣り合いです。
逆に、良くウチの会社持っているなぁ・・・と感心する所も。
旧車部品だからメーカーが再生産するにコスト上げるのか?と聞かれると
上げる所はほとんど無いんじゃないでしょうか。
或いはコスト増をするにしても一部の人気車種、良くヘリテージ話で出てくる
本当に人気のある車だけ。ちゃんと回収が可能な物だけ。もう一度言います。
ちゃんと回収が可能な物だけ。
旧部品の再販を願う自分もいれば、このまま永久に廃番で頼む!と願う自分もいます。気持ちが少し複雑になってしまいますね。
部品を作っている会社ではどうやってそれら古い部品を維持しているんだろうか。
ちょっとだけ考えてみて貰えると助かります。
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Posted at
2021/03/17 23:02:54
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