
50年近く前の車を再生することはある意味で大変だが楽しい作業ではある。パーツは意外にもネットを徘徊すると簡単に手に入いるのは驚いた。
フェンダーやボンネット、ウィンドウ・ガラスまで手に入るし細かなパッキンやブッシュも然りである。
便利な世の中になったもんだ。こいつが生まれた時代を考えると信じられない事象ではある。
作業は仕事が終わった後や土日の休みを利用してコツコツと会社の倉庫でやる。
特殊工具だけは持っていないためこれも会社から拝借。(公私混同のオンパレードである)
ついでに力仕事は若い衆に飯をご馳走するからと手伝ってもらう。いっぱい貸しができたww
ご存知も方も多いと思うが、K111は空冷の2ストロークエンジンである。
その昔、二輪レースで2ストロークエンジンの分解や組み付けはしょっちゅうやっていた。
メンテなどは自分でやるのが金のないプライベーターとしては当たり前の話。
死んだエンジンを降ろす作業は少々難航した。
補機類などを含め取り外すボルトなどが腐食し力まかせとはいかなかった。
CRCなどをたっぷりと含ませ慎重に、かつ徐々に緩めるといった具合だ。難儀した。
強烈だったのはシリンダーヘッドのスタッドボルト。もう泣きたいくらい。
8年間動かさなかった割にはシリンダー、ピストン、リングは綺麗だった。
きっとオーナーが大事に乗っていたのだろう。シリンダーの壁にはキズひとつなかった。
ついでにミッションもバラし洗い油で丁寧に清掃、これも歯欠けはない。
クラッチはディスクとスプリング、ベアリングなどを新品交換。ヤフオクはありがたいね。
クラッチの組み立ては同じく会社の職人さんにお願いした。私にはムリ。
腐食が激しいフロアは錆びた部分を切り取って鉄板を当て溶接した。
タイヤを探すのは苦労した。2プラ10インチなんてなかなかあるもんじゃない。
ホイールはまだ使えるけどタイヤはすっかりひび割れて劣化が著しい。
ひょんなことから近所の修理屋さんが見つけてくれた。助かったねぇ。
中古だが十分に使用可能。ブリヂストン480-10-2PR、専用タイヤである。
マフラーも腐食が激しいので自作となった。
2ストの場合はエキゾーストと言うよりもチャンバー (熱膨張管) が正しい名称。
いうなれば「焼イモ」と呼ばれるもので形状によってエンジンの性格ががらりと変わる。
消音器は二輪車用のものを流用。相当の高周波ノイズが予想される。
少しずつ形になっていくと珍しいこともあっていつの間にか人だかりになった。
で、頼みもしないのに我先にと手伝ってくれたりして・・・
バッテリー、プラグを交換しガス、オイルを補給、エンジンが目覚めると拍手喝さい。
狭いながら会社の敷地を行ったり来たり。2ストのバイブレーションが気持ちいい。
残りは電装系とブレーキ、足回りといったところ。
K111は軽いから (385Kg)人間の手で持ち上げてウマに乗せる。
さて、これからまたパーツを工面しなくては。
無いものは会社の設備を拝借して作れるという環境があるので気分的には楽か。
こいつと付き合って約2ヶ月。
毎日顔を拝んでいるうちに少しずつ愛着が湧いてくる。
よくよく見ればキュートで可愛いじゃないか>
360
ブログ一覧 |
360 | クルマ
Posted at
2007/08/23 20:39:26