
360の足回りについて事前に調べたがよく分からない。特にリアはスイングアクセル方式というあまり聞いたことがないサスペンションだが、早い話がトーションバーにダンパーを組み合わせたものだ。
負荷がかかると中央に配置したセンターコイルが働きダンピングを発生させている。何となく二輪車のスイングアーム方式に似ていないでもない。
フロントはトレーディングアーム方式で、リア同様に独立懸架方式である。
ともあれ車重が400キロに満たないクルマに大人4人も乗ると相当な荷重がサスにかかる。
それでも十分な乗り心地を確保しているのは驚嘆すべきことだ。
アーム類に腐食はなく十分な強度があると判断し塗装だけをやり直した。
スプリングとダンパーはヤフオクにて調達。
取り付け部には鉄板を溶接して強度を確保することにした。
電装系は難航した。
ワイヤーハーネスは新たに引き起こしたといっても過言じゃない。
解体屋で車名が分からないワイヤーハーネスをゲット。なんとなるだろう。
テスターで通電を確認してからマニュアルどおりに組み込む。
ハーネスの各コードは色別になっているので作業性はいい。
とはいえ引き回しには苦労させられた。
長いところは途中でちょん切り短いところは半田で付け足す。
ギボシや端子を相手に合わせて取り付けるがかなり間違えた。
アクロバティックな体勢を強要され5日も費やした。体が痛い。
デスビキャップとポイントは何と新品をディーラーで購入できたのだ。
富士重工が360の新品パーツを供給してくれるのはうれしいことだ。
ついでにホワイトボディも供給してくれるとありがたいのだが・・・
ポイントの調整はフラッシュライトが必須。
近所の修理屋の親父に格安でやってもらうことにした。
親父も360を珍しがって喜んで引き受けてもらったわけだ。
2スト2気筒なので爆発間隔は90度、進角ガバナーは13度、固定進角は17度。
古い車なので適当に調整しても動くことは動くが、やっぱり正確が大切。
修理屋の親父はいとも簡単に調整してくれた。感謝。
ちゃんと点火タイミングを取ると音も激変した。調子よさそうだ。
ワイパーモーターもヤフオクで手に入れた。
ワイパーのゴムは汎用品を短く切って流用することにした。ちゃんと拭ける。
ウィンカーはリレーなんて高度なものは付いていない。
ウィンカーユニット、早い話がコンデンサーである。原始的ではあるが重要な部品。
難点はバッテリーの性能に左右される傾向があることくらい。
それに1個でも球切れを起こすと動作しなくなる。
これもヤフオクで落札したものを取り付ける。カッチ、カッチと点滅した。
ストップランプ・スイッチは油圧式という変わりモノ。昔はみんな油圧式だったよね。
これは旧車パーツ専門店「
Irex.JP」でブレーキ部品と一緒に手に入れた。
ブレーキは最重要保安部品。
もちろんディスクブレーキなんかじゃない。正真正銘ドラム式である。
ハブと呼ばれる中にブレーキライニングと油圧シリンダーが組み込まれているもの。
なのでハブにはブレーキ熱を冷やすためにフィンが刻まれている。
無論ハブも交換した。ただし新品ではなく中古である。新品は見つからないなぁ。
ブレーキライニングは修理屋さんに張替えを依頼。安くできたのは助かった。
スプリング、シリンダーは使い物にならないので新品に交換。が、調整に手間取る。
ネットで調べると360のメンテナンス記事の多いことに驚く。ありがたいことだ。
ネットにおける360の情報量はSシリーズよりも多いのではないだろうか?
ブレーキワイヤーはクラッチワイヤーと共に新品に交換する。
これらもヤフオクで手に入れたものである。安いのが何よりだ。
内装で一番大変なのがインパネ。というよりもメーター。
スピードメーターや燃料系などどの程度の誤差があるのか見当もつかない。
一応車を動かすとメーターは動くが20キロに満たない速度では正確とは判断できない。
しかたがないので市役所に赴き仮ナンバーを交付してもらう。
費用は必要書類が揃うことが前提で2000円かからなかった。軽自動車は安い。
社内の人間に自分の車を運転し自車のメーターを読んでもらう。
で、同じ速度で追走し360のメーターを読むという原始的手段にでた。
30、40、50、60キロとそれぞれ数回をテスト。
まぁ5パーセント前後の差、許容範囲ということで一件落着。こんなんでいいのか?
それにしても360で堂々と公道を走るのは興奮したねぇ。もう楽しいのなんのって・・・
ステアリングは悲しいくらい細い。黒いプラスチック製だ。
こいつはいずれ交換したい。ナルディのクラシックあたりを狙っている。
シートは若干破れがあるが見ないでおこう。
ビニール製で通気性はお世辞にもよくない。この時代にファブリックは高級品だし。
こいつも余裕ができた頃には取り替えたいよね。
リアガラス、というよりもアクリルウィンドウには無数の傷があって後方視界不良。
これで車検には落ちないとは思うけど、いずれ早いうちにガラスに取り替えたいところ。
アクリルは軽くていいのだが砂埃でキズだらけになる欠点がある。
さて、いよいよ車検だ。
ま、一度くらいは落とされるかもしれないが、それもまた勉強。
でも車検が通ったら日々の楽しみが失われていくような気もする。
このところこいつにどっぷり浸かって自分なりに楽しんだものだ。
見えない部分も含め実にたくさんの人たちに協力してもらった。多謝。
そういえば360ccだと黄色ではなく白色になるんだね>ナンバープレート
こいつでオフに参加したら何か言われるだろうなぁ・・・