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2015年03月23日

SX4 S-CROSS に乗った

SX4 S-CROSS に乗った 2013年に二世代目になっていたスズキの「世界戦略車」SX4に、短時間ながら乗ることができた。ネーミングも、この二代目からは「S-CROSS」というサブネームが加わっていて、正しくは「SX4 S-CROSS」という長い名前になるようだ。二代目も初代と同様に、ハンガリーのマジャール・スズキで生産される“国際車”であり、日本市場は、このモデルが狙う世界のマーケットのひとつ。中国市場もこのモデルのターゲットで、2013年の12月に、重慶長安鈴木汽車で生産が開始されたという。

こうした「世界戦略車」であるため、日本のタワーパーキングへの収納を意識した全高(1550ミリ)ではなく、SX4は“国際車”としてフリーに設定された。この二代目の車体は初代に対して、わずかながら全体にサイズアップされて、全高は1575ミリとなっている。これは初代に対して、10ミリのプラス。これに対応したか、前席座面の地上からの高さ(ヒップポイント=HP)も初代に対して4ミリプラスの「619ミリ」になっている。

そして、このモデルをメーカーは「クロスオーバー」と位置づけている。さらには「SUVの外観を併せ持ったクロスオーバー」であるとも言うが、しかし外観的には、マツダのCX-3ほどには「SUV色」が濃くないと思う。むしろこのクルマは、いわばセダン系のクロスオーバーであり、セダンの要素に、多用途性(マルチ・パーパス)やオフローダー的な性能を盛ったという感じではないだろうか。(それこそを“SUV”というのだ、ということなら、その通りである)

さて、このクルマが持つ、そのオフローダー的な、あるいはオールラウンダー的な部分では、今回新装された「 ALL GRIP 」が注目である。これは、2WD→4WD、走行モード、さらには車両の走行安定性を「4モード」で切り替え可能という電子制御のシステムで、通常走行では「オート」にしておけば、基本的に2WDで走行し、タイヤがスリップした場合にのみ自動で4WDになる。

さらに、これだけでなく、「スポーツ」モードではエンジンの回転数を高く保ってトルクの前後配分も行ない、ワインディング路走行に適したセッティングとなる。また「スノー」では、アクセルとステアリング操作に応じて、雪道に適したトルク配分をするとともに、トラクション・コントロールの介入を多くして走行性を上げるという。

そして、もうひとつの注目は、スタックした時などに緊急脱出に使える「ロック」モードがあること。この時は、空転しているタイヤにはブレーキをかけるとともに、空転していないタイヤに積極的にトルクを配分するというセッティングになり、直結4WDに近い状態となって十分な(脱出のための)駆動力を発揮するという。

今回の短時間の試乗では、これらのモードを試す機会はもちろんなかったが、ただ、このクルマが「世界戦略車」として、さまざまな気候やさまざまな路面・道路の状況に対応するための“ウェポン”を持っている。そんなことを考えた時には、ちょっとした感慨があった。とくに、「ロック・モード」はなかなかお目にかかれない4WDのシステムで、そんなものが、この平凡な(?)外観の“クロスオーバー車”に何気なく装備されている。それもまた快挙だと思った。ここで「羊の皮を……」的な表現をムリヤリ持ち出せば、これは“鷹の爪を潜めたカラス”とでもいうべきクルマだろうか。

そんなシャシー性能を秘めたSX4だが、このクルマを流して乗っている時には、そんなタフさはまったく感じることがない。まずは静粛であり、そして路面を舐めるような走りがとてもスムーズだ。滑らかにして、なお、しっかり感のある乗り心地で、無言のまま、忠実かつ着実に仕事をするパートナーに出会ったような感じである。

このクルマの造型も、何も突出したものはないが、しかし、どこにも不満は探せないといった雰囲気。クセがない分、鮮烈な記憶とはならないが、しかしそれだけに飽きが来ないというデザインといえそう……。前席ヒップポイントの「619ミリ」も低すぎず、そして高すぎずで、これまたさり気なく、人を静かに車室内に誘う。

……毎日乗っているうちに、いつの間にか何年か経ってしまった。そういえば忘れてたけど、あの突然の雪の時に、あの急坂でもちゃんと登れたのは「ロック・モード」のせいだったなあ! この「SX4/Sクロス」というのは、そんな風にして時が過ぎ、何となくずっと“乗れて”しまう。そういうタイプのクルマであるのかもしれない。
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Posted at 2015/03/23 14:44:28

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