
手始めにコロナからFFに。そして、カムリ/ビスタという歴史を背負っていない新FF車種の投入。こうしてミドルレンジのモデルの「FF化」を徐々にスタートさせていたトヨタだったが、この年(1985)ついに、ミッドサイズの主力となる機種をFFとして、一気に新型車攻勢をかけた。
そんな中で、流麗なクーペ・スタイルを提示し、スマッシュヒットとなったのが、このFFセリカである。このモデルの、大胆さと繊細さが同居した巧みな“カタマリ感”としての「まとめ」は、歴代のセリカの中でもトップクラスと言っていいデザインだったのではないか。また、このときのトヨタFFシャシーは、他社に対して後発ということもあり、ネガを出さないようによく練り込まれたもの。素直でクセのないハンドリングのFF車としても、ひそかな注目を集めた。
そして、アッパー・セリカというポジションの「XX」はFRのままにして、これが後のスープラへと至る。また、トヨタのラリーマシンのベース車はやっぱりセリカであったから、FFから発展させての4WDモデルを導入するというように、この1985年の「FF化」を契機に、セリカ・ファミリーは多彩な展開を見せることになる。
(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
ブログ一覧 |
00年代こんなコラムを | 日記
Posted at
2016/05/18 00:38:01