
【 70's J-car selection 】vol.06 ジェミニZZ
いすゞ ジェミニZZ PF60(1979)
1970年代、多くの日本メーカーにとって、「外資」はそんなに身近ではなかった。わずかに、いすゞとGM、そして1979年にフォード&マツダとの提携があったのみだ。しかし、そんないすゞとGMのカップリングから、注目作が生まれた。それは、KD(ノックダウン)といえば、まあその通りなのだが、基本コンセプトは欧州車(欧州GM=オペル)で、それを実際にカタチにするのは、勤勉にして実績のある日本メーカー。そういう成り立ちの、70年代の新・国際車であった。
これは要するに、「ヨーロッパ」と「日本」のそれぞれ得意なところを組み合わせた“いいとこ取り”商品ではないか! この点に当時の“事情通”が目を付け、さらに、そうした情報がハードウェアとともに、一般マーケットにもジワジワと浸透していった。それが、いすゞジェミニ=オペル・カデットである。
ジェミニは、1974年に日本での販売が開始され、そのラインナップにSOHCエンジンしかなかったにも拘わらず、けっこうスポーティな走りをするクルマだと、堅実な評価を得た。そして、「ZZ」というDOHCバージョンが登場したことで、その渋い人気は、若年層やアクティブ層にまで拡がることになる。ジェミニのDOHC仕様の登場は、かつてのカローラに、いきなり2T-Gユニット搭載のレビン/トレノが加わった時の衝撃に、ちょっと似ていたかもしれない。
「ダブルジー」と呼ばれたジェミニのハイパワー仕様は、70年代に流行りはじめていたFFではなく、コンベンショナルなFRであったことも逆に注目された。「ダブルジー」は当時のラリー・フィールドでも活躍し、レアものとしても評価されて、今日に至っている。
(ホリデーオートBG 2000年3月より加筆修整)(フォトは基準車)
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00年代こんなコラムを | 日記
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2016/08/26 05:36:02