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家村浩明のブログ一覧

2015年07月23日 イイね!

2015年の「HP600」ノート 《3》

2015年の「HP600」ノート 《3》 * ラウムが“新・乗用車”で、プレマシーがミニバンで、そしてフォレスターがクロスオーバーSUVだった──。これはひとつの正解と思うが、ただ、00年代の初頭で重要なのは、ジャンル分けよりも、こうしたさまざまなタイプのクルマを多くの人が日常的に使い始めたことだ。

* クルマはやっぱりセダンである! あるいは、クーペやハードトップって、やっぱりカッコいいよね! こうした「やっぱり」が主導するクルマ選びではなく、「あ、いま乗りたいのはコレなんで」「SUVっていうんですか、こういうの?」「ウーン、カテとか知らないし(笑)ただ、いいなって」……。カスタマーのそれぞれが、こうした自分の感覚でクルマを選ぶようになった。

* ジャンルとかカテゴリーをどこかで気にするクルマ選びは、つまりは「規範」と一緒にクルマを見ているということ。しかし、そうやって“外側”からクルマにアプローチするのではなく、もっとシンプルに、自身の“内側”から、感覚のみを大事にしてクルマ世界に向かうスタンスである。

* 自分が乗るクルマを決める際に重要なのは、自身の“内なる声”だけ。結果として、選んだそのクルマがどんなカテゴリーに属しているかは問題ではない。ましてや、隣家のガレージには何があるかなんてことも気にならない。

* 80年代半ばの「RVブーム」の中身は、こういうことだったのではないかと思う。ジャンルやカテゴリーにもともと関心がないから、逆に、どんなタイプのクルマにも乗れた。クルマ世界の全般を広く見渡して、「自分」にとって「いいもの」を、カスタマーが選んだ。

* こうした流れとともに、日本マーケットでは「乗用車」という言葉が死語になっていく。80年代後半から、その気配はあったのだが、それが90年代以降にハッキリしてきたと思う。問題なのはただひとつ、カスタマーがそのクルマを「乗用」に使うと判断するかどうか──。

* 仮に「乗用車」に対応する語を「商用車」とすると、この語もまた同時に、どうでもいい言葉になっていったであろう。カスタマーにとっては、自分がそれを選んで乗った時点で、それが「乗用」するクルマになるからだ。その選択には、他者(メーカー)は介入できない。

* クルマを作る側は、ワゴンだとかワンボックスだとか、また使途としてはオフローダーであるとかマルチパーパス車であるとか。そうしたテーマは意識せざるを得ないのだろうが、買い手側・乗り手側にとっては、それはあずかり知らぬこと。

* このようにして「商用車」という言葉を無意味にした、もしくは「乗用」と「商用」の区別を無にして、さらに商業的にも成功した最初のモデルが、あのアルト(1979年)だったのではないか。

* こうしてジャンルやカテゴリーに囚われず、クロカン、ワンボックス、ワゴン&バンといった「乗用車以外」のクルマを、カスタマーの側が「乗用」(常用)のために次々と「転用」していく。

* そんな“オキテ破り”が日本マーケットにおける「RVブーム」の正体で、その「転用時代」に、意外性とともに“スター”となったのがオフローダーのパジェロだっただろう。

* 事態(転用の時代)がここまで来て、メーカー側もようやく、それに対応し始める。ジャンルに囚われずに、日本国内のカスタマーは「クルマ」を買ってくれる。それなら、作る側も“脱カテゴリー”で「乗用車」を企画しようということである。

* そして90年代半ば、そんな“脱カテゴリー”コンセプトから三つのヒット作が生まれた。エスティマとオデッセイ、そしてワゴンRだ。

* この三つが期せずして、車型で分類すれば、みな「ミニバン」だったという、その理由はよくわからない。まあ、ひとつ理由を探せば、「ミニバン型」はSUVやクロスオーバーよりも、日本の「日常性」に溶け込みやすかったということだろうか。

* こうしたバン型やワゴン型は、カタチとしてはそれまでにも見慣れていた。その種のものでありながら、でも、ちょっと新しいテイストが加わっている。それが、これらの三機種だと受け取られたのではないか。

* 対して「オフ系」の匂いがどうしても残るSUVやクロスオーバーは、「街」では、いわば異分子となる。だからこそ乗りたい!というポジティブ派は別として、セダンなどの「既存」から乗り換える際には、それが越えなければならない壁となる。

* そんな中で、ワゴンRという「提案」に最も衝撃を受けたのがトヨタだったと思う。ワゴンRについて、これは軽自動車で別ジャンルだとは考えなかったし、また、ワゴンやミニバンという「ジャンル内」での提案でしかない……とも考えなかった。

* 私見も混じるが、「ヒップポイント」(HP)という「開発用語」を発見したのは、むしろトヨタだったのではないか。ワゴンRの新しさや、その「良さ」を研究していくうちに、人間工学とユニバーサル・デザインという視点が出て来て、そして「椅子」そのものに目線が行ったのだ。

* クルマの椅子、その座面を地表から「600ミリ』(プラス)の位置に設定すると、クルマも変わるし、クルマと人の関係も変わる。このコンセプトは「乗用車」を新しくすることができる! こうして、ラウムとプリウスをその嚆矢とする、「HP600」系の新種のビークル(乗用車)が続々と生まれることになった。(注1)

* 「HP600」モデル特集の《2》でタイトルフォトとした「乗降性」を示すイラストは、カローラ・スパシオのカタログに載っていたもの。00年代の前半、HPを「600」ミリ(以上)としたトヨタ車のカタログには、このイラストが必ずどこかに載っていた。

○注1:ラウムの場合、2003年に二代目を発表時に公開された「ユニバーサルデザイン・ガイドブック 実践編」によれば、二代目は「ヒップポイントを適正な範囲内で」アジャストしていた。「HPは600ミリ」という原則は踏まえつつ、クルマのキャラクターやポジショニングから、「より小柄な女性の方にも楽に乗降できるように」初代よりも20ミリ下げたという。つまり、二代目ラウムのHPは「580ミリ」である。

(つづく)
Posted at 2015/07/23 09:53:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 茶房SD談話室 | 日記
2015年07月21日 イイね!

2015年の「HP600」ノート 《2》

2015年の「HP600」ノート 《2》 * この2001年の小特集では、トヨタのラウムに対して、マツダのプレマシーとスバルのフォレスターを「HP」という一点で同列に並べて、新種の「乗用車」であるとしている。しかし「カテゴリー主義」という立場からは、これらを一緒くたにすることには、若干異議があるかもしれない。

* つまり、プレマシーはコンパクトではあったが、カテとしては「ミニバン」であり、フォレスターにしても、当時に既にアメリカには存在していたカテゴリー名を用いるなら、これまた小型ではあっても「クロスオーバーSUV」ではないかということ。

* したがって、プレマシーもフォレスターも、ミニバンやSUVという「ジャンル内」で注目機種が出ただけであって、仮にHPが高かったからといって、これらを“新・乗用車”と見なすのはおかしいのではないか?

* ……この指摘には一理ある。90年代半ば、アメリカにはもう「ミニバン」も「SUV」もあったし、さらには「クロスオーバー」という用語・概念も出現していたという。初代RAV4がアメリカに出現した時、彼らはこれを「クロスオーバーSUV」と呼んだと、アメリカ事情に詳しい人は言う。

* しかし、そのRAV4を生んだ本国(日本)では、これはけっこう“収まりどころ”がむずかしかったクルマだったはずだ。……何というかライトなクロカンといえば、そうなんだけど、でも、けっこう乗用車チックで、普通に日常的にも使える。これが1994年にRAV4というモデルに触れた際の、日本マーケットの“感覚”だったのではないか。

* 一方、アメリカから見るなら、同じようにアメリカ市場重視であるスバルが、RAV4とほぼ同時期に、小さめの(米語で言う)クロスオーバーとして送り込んだのがフォレスターだった。そしてプレマシーも、ミニバン市場に向けてのマツダからの新回答。両車ともに、日米関係やアメリカ市場から見ていくべきモデルで、日本専用のラウムとは一緒にはできないという見方である。

* この「ミニバン」という語は、90年代末期の日本で、アメリカからの“渡来語”ですが……という説明と一緒に使われはじめたのではないか。

* この言葉が渡来したおかげで、それまでのワンボックス・ワゴンやステーション・ワゴン以外に、当時の注目モデルであったエスティマやオデッセイなどを「分類」する方策が見つかった。なるほど、では、そのアメリカ風の言い方を借用しましょうと、ジャーナリズムやマーケットが「ミニバン」を用い始めた。

* 2000年に書いたコラムをちょっとチェックしてみたら、ついに「ハイヤーにミニバンが登場」という新聞記事を引用しているものがあった。つまり一般ジャーナリズム上でも、00年にはこの言葉が、ある種のクルマの用途と格好を示す用語として用いられていたことになる。

* そして「SUV」や「クロスオーバー」という語は、これが日本で“聞ける”ようになるのは、00年代になって数年経ってからのことではないか。

* 私自身は、2003年にスバルの「アウトバック」を紹介した記事で、スバル側の主張として、またメーカーに教えられるかたちで、「いまアメリカのマーケットで主流になりつつある、セダンもバンもクロカンも包括したような『クロスオーバー』というジャンルの先駆は、日本名スバル・ランカスターやフォレスターだった」という“歴史認識”を書いていた。

* ……と、べつに言い訳をするつもりではないのだが(笑)、2001年時点で書かれた日本マーケットについての小特集で、「SUV」や「クロスオーバー」が登場せず、そして、それまでにはなかったタイプ(乗用車)として、ラウムやフォレスターやプレマシーを“ひとくくり”にしてしまったのは仕方がなかったかなと思う。

* 日本市場の場合、オフローダーやクロスカントリー車(クロカン)が、いつの間にか「SUV」になり、そして00年代半ばには、「クロスオーバー」というカテゴリーがアメリカから渡来した。

* 90年代末から00年代の初頭に台頭した「HP600」というコンセプトと実車は、その後、つまり00年代半ば以降に「消えてしまった」のではなく、その頃に出現した(日本に入ってきた)「クロスオーバー」という概念と潮流の中に、先駆者の誇りとともに“溶けた”のだ。

(つづく)
Posted at 2015/07/21 15:02:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 茶房SD談話室 | 日記
2015年07月20日 イイね!

2015年の「HP600」ノート 《1》

* 本ブログで見たように、2001年にひとつのカー雑誌が「HP600」をテーマにした小特集を組んだ。ただ、その時も「HP」という概念、また、クルマを見たり判断したりする際の材料としての「HP」が一般的に用いられていたわけではなかった(と思う)し、その状況は今日でも、実はあまり変わってはいないのではないか。

* ただ、「HP」という用語、あるいは概念は、たしかに浸透しなかったかもしれないが、クルマにおいて、地表から600ミリ(以上)の「高いHP」がもたらすもの、そしてその恩恵や「実効」が、この十数年で消失してしまったとは思っていない。

* 90年代半ば以降、モデル名を挙げればワゴンR登場以降、日本のマーケットとカスタマーは、高いHP(600ミリ以上)のクルマは身体に「馴染む」ということを、体感的に知った。(HPという言葉が流布しなかったので)理由はとくにわからなくても、「あ、これはイイ……」というやつである。

* そのようにして高めのHPを持つクルマに乗っているうちに、多くの人の背筋や腰のあたりに「センサー」ができた。

* そして、たとえば、そのカスタマーのカー・ライフで最初に買ったクルマが、ブランドはどこであれ「ワゴンR・タイプ」(トール・ワゴン)の中古だったとして、いずれ、その買い換え時期は来る。

* 次のクルマをどうしようとディーラーに見に行ったり、友だちのクルマに触れてみたり……といったことをしていくうちに、その人にとって、どうも“何となく乗りにくい”と感じてしまうクルマがあることに気づく。それは、その人の「背筋センサー」が教えてくれるもので、いま自分が乗っているクルマよりも「シート座面」(HP)が低いと、「背筋センサー」がそれに反応するのだ。

* HPというのはジャーナリズム上でもあまり流通しなかったから、誰もこの言葉は使わないとして、でも、何となくであれ、身体に違和感があるタイプのクルマには乗りたくない。そして、多くの人はそんな違和感を嫌って、同じような感覚で乗れる(乗り継げる)クルマを探す。

* HPと「背筋センサー」との関係で、ひとつ不思議というか興味深いのは、この「センサー」は、それまで体感していた座面よりも高いという場合には、ほとんど反応しないことである。

* ある未知のクルマの運転席に座ろうとして、あるいは座ってみたとして、自分が慣れ親しんでいるクルマよりも「座面」が高い場合には、それに気づかない。多少よじ登る感じがあったとしても、それが試しに座ってみたクルマの拒絶や否定にまでつながることは少ない。

* しかし、いつものクルマより低い場合は、そうではないのだ。その「センサー」は敏感に反応し、乗ってみたクルマの座面がいつもより低いことを人に教える。その違和感の許容範囲には、もちろん個人差があるだろうが、とにかく「これは低い!」ということは明らかにわかる。そして甚だしい場合は、その「低さ」への拒絶にまで至る。

* だから、セダンやハッチバックから、たとえばミニバンに乗り換えることはできても、その逆はむずかしいのだ。「低 → 高」は容易だが、「高 → 低」は困難。「高 → 低」の場合、クルマに乗るというシゴトをカラダにさせるのに、何でこんな窮屈なことをしなければならないんだ? ……と、背骨や筋肉がカスタマーに訴えかける。

* 90年代半ば以降の日本マーケットが示した。顕著なミニバン志向、またSUV志向は、もっとカラダにとってラクなクルマはないのか?……と、多くの人々が“クルマ探し”を行なった、その結果である。

* あるいは、「ワゴンRタイプ」でクルマというものを初体験した人々が、これ以後、トール型ワゴンと同じような感覚で乗れるクルマを(無意識的にせよ)求めて動いた、その結果である。

* この二つの仮説の共通項は、どちらも人々が「高いHP」のクルマ(新ビークル)を求めたということ──意識的にであれ、無意識にであれ。90年代半ば以降のこのマーケット傾向は、以上のように“くくる”ことができるのではないか。

(つづく)
Posted at 2015/07/20 06:50:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 茶房SD談話室 | 日記
2015年07月17日 イイね!

スポーツcolumn 【女子W杯】“一夜漬け”だったコーナーキック

7月17日付のweb「スポニチ・アネックス」に、興味深い記事が載っていた。タイトルは「必殺セットプレーは“一夜漬け”だった ~ 米国W杯制覇の陰に北欧の智将」。そう、アメリカが勝利したサッカー女子ワールドカップの決勝戦、その最初のコーナーキック。日本女子チームを驚かせ、浮き足立たせた、あの「奇襲」のことだ。

記事は、アメリカのFWモーガンの証言を紹介する。彼女によれば、あのセットプレーは「決勝前日に練習を始めたもの」だったという。そして続けて、中出健太郎記者は書く。

「エリア内の選手が動いて日本のマーカーを引っ張りだし、ロイドに走り込むスペースを与えた連係は“一夜漬け”とは思えない見事なもので、1点目の直前に、DF岩清水がロイドがいる方向を見てまぶしそうにしていたのも、時間帯によって日光を背にした場合のポジションまで計算していたのではと思わせた」

……なるほど! やっぱり、あれは“ワナ”だったのだ。あの時、妙にゴール前に人が少ない感じがしたのも、そういうセットアップをアメリカ・チームがしていたから。さらに、離れたところから走り込んでくるロイドのため、“ゴロ”が確実に通るような“ルート”も作ってあったことになる。

そして記事は、このセットプレーには仕掛け人がいたと記す。それがスウェーデン人のトニ・グスタフソン・コーチ(41)で、グスタフソン氏は、今回と同じようにアメリカが決勝戦で日本に勝った2012年ロンドン・オリンピックでも、コーチを務めていたという。

さらに、アメリカの「エリス監督は『セットプレーは彼に全て任せていた』と明かし、自身4度目の挑戦で悲願のW杯優勝をつかんだFWワンバックは『トニはチームの頭脳で、セットプレーの天才。世界チャンピオンになれたのは監督と彼のおかげ』と感謝した」と記事は続く。

ウーン、つまり、われらが日本女子チームは、二つの大きな大会で連続して、「グスタフソン・コーチがいるアメリカ」に敗れたということになるのか。

そういえば日本女子チームにも、コーナーキックの際に、選手四人が縦に並んで(トレインといってたか)、何をするのかわからない状態をつくり出すということはやっていた。ただこれも、「一見、ナゾだ」「わからない」ということの方が強く、具体的に何かを「しでかす」ためのものとは見えなかったし、また、そうしたリザルトもとくに出なかったと思う。

それに、この「トレイン」は、何度かやっているうちに相手も慣れてしまっていた。そうやって並んでくれるのなら、じゃあ、その四人を囲んでしまえ! ……と、日本の攻撃を包囲して“ロック”してしまうチームも出て来ていたし──。せっかく、本当にピンポイントで蹴ることができる「宮間あや」を擁しているのだから、その気になればわれらが女子も、いろんな“騙し”も仕掛けられると思うのだが。

何にしても、今回のワールドカップ。そもそも「速くて強い」アメリカが、策略まで駆使して勝ちに来た。その相手が、日本女子だった。そういう決勝戦だったということが改めてわかったわけで、戦術や戦略での“戦争”も含んで、これからもアメリカとは闘っていかねばならない。それを知らされたのが「バンクーバー」だったということである。

 参照:「リメンバー・バンクーバー!」
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2106389/blog/p2/
Posted at 2015/07/17 23:41:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | スポーツcolumn | 日記
2015年07月16日 イイね!

【00's コラム】HP600モデル特集 '2001 《6》

【00's コラム】HP600モデル特集 '2001 《6》◆「HP600」モデル・セレクション その2

・プレマシー
「HP600」を早くから実現していたマツダの新パッケージング乗用車が、このプレマシー。今年になって、新たに2000系をシリーズに加えた。これはエンジンだけでなく、ボディ剛性も強化。足回りも新たにチューンした“別仕立て”のプレマシーというべきグレードで、静粛性も大幅に向上した。適切なHP、大きく開くドアによる乗降性のよさなど、パッケージングの先進性ではいまでも最先端にある。

・フォレスター
「HP600」新ビークルの、スバルとしての最初のモデル。デビュー当時はRVブームで、その種のモデルとして分類されてしまった感があるが、今日になって評価し直されている。ただ、自社の他の乗用車とのバランスも考えてか、キャラとしてかなりワゴン(ハコ)方向に振ってあるのも事実。エンジンのバリエーションは豊富で、高い車高を感じさせない足のチューンは、マイナーチェンジでさらに磨かれた。

・プレオ
新規格「軽」で、そして、他社のようにいくつも車種を持てないスバルとしては、どんな新型を作るべきか。考えた結果の新パッケージングが、この「HP600」だったという。そして、地方では露天に駐車することが多いとして、タワーパーキングの使用は無視し、代わりに十分なヘッドルームと室内空間を確保した。ボディの小ささを感じさせない、しっとり感のある乗り心地が出色のスーパー・コンパクトだ。

・ワゴンRプラス
ドアこそ共通の品だが、このプラスは「軽」(日本向け)のワゴンRとは、内容的には別モデル。むしろGMグループとしてのスズキが、欧州GMであるオペルと共同で、トール・タイプの小型車を新たに作ったという方が現実に合っている。シートは、オペルのプロデュース。また、これはトヨタのヤリスとともに、「HP600」の新パッケージングを欧州マーケットに新提案しているモデルでもある。

(「カーセンサー」誌、2001年特集より加筆)

(了)

(2001年の記事の再録は、これで終了です。「HP600」については、続編につづきます)
Posted at 2015/07/16 21:52:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
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何シテル?   01/15 10:59
家村浩明です、どうぞよろしく。 クルマとその世界への関心から、いろいろ文章を書いてきました。 「クルマは多面体の鏡である」なんて、最初の本の前書きに...
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